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CBDショップは全閉鎖せよ、CBDの販売は嗜好用大麻が販売されているディスペンサリーに限定する

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嗜好用大麻事業者側と行政に実益が戻っていく

ニュージャージー州で提案されている法律は、デルタ-8 THCおよびその他の中毒性のあるヘンプ物質を実質的に排除し、CBDの販売を州の認可された嗜好用・医療用大麻が販売されているディスペンサリーに限定するものです。

この法案はニュージャージー州ヘンプ栽培法の改正案であり、州の大麻規制委員会(Cannabis Regulatory Commission)が非中毒性のCBDおよびヘンプの花から作られたその他の抽出物製品に対する権限を持つことになります。

ヘンプ栽培法改正案(外部サイトへのリンク):https://www.njleg.state.nj.us/

この措置により、州内および全国的に増加している、これら両カテゴリーの製品を販売する無認可のヘンプショップを閉鎖することが目的です。

これまでの市場での流通は不可となる実態へ

多くの中毒性のある合成嗜好用大麻製品群は、ヘンプ由来のCBDを家庭などのキッチンラボで処理して中毒性やTHC濃度をを高めて合成的に生産されています。

しかし、この改正案は「自然に存在する生物活性化学成分から得られたものではない」ヘンプ化合物を完全に禁止することで、これらの物質を含む製品を排除しようとしています。

改正案の一部には、ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品を販売する業者にライセンスを要求する規定がありますが、これらの処理制限の下ではそのライセンスは意味をなさないでしょう。

また、州の農業部門は引き続きヘンプの栽培を規制し、違法な合成嗜好用大麻製品の販売については司法長官が法を執行することになります。

この法案は最近、州議会上院の司法委員会で6対2の票で可決され、ヘンプ製品の最大THC含有量を0.5ミリグラム以下とする非常に厳しい制限を設けることも盛り込まれています。

粗悪な密造酒(禁酒法時代)と称される合成嗜好用大麻製品群

ニュージャージー州上院議員のデクラン・オスキャンロンは、1年以上前に中毒性のある合成嗜好用大麻製品群を規制する法案を提出し、それらを「嗜好用大麻分野の粗悪な密造酒(禁酒法時代)」と呼び、多くの製品が安全でないと警告しました。最近の法案は、民主党のM.テレサ・ルイス議員とポール・D.モリアーティ議員によって提案されました。

過去関連記事:2023年2月10日 【前編】香港CBD規制(8万点を廃棄回収)にまで波及、マッドサイエンティスト×違法業者が積み上げたdelta-8問題

嗜好用大麻の代替品として販売されている違法な合成嗜好用大麻製品群の広範な流通は、ニュージャージー州の成人用嗜好用大麻市場の弱体化と州の税収の損失の原因とされています。

昨年のレポートでは、州の嗜好用大麻トレード協会が、規制体制の欠如により、これらのヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品群がコンビニエンスストアやヘンプショップなどの一般的な小売店で広く販売されているため、嗜好用大麻市場が「デュームループ(負の連鎖)」に陥っていると指摘しました。

それにもかかわらず、ニュージャージー州は最近100番目のマリファナ販売店にライセンスを付与し、今年初めには合法的な販売が2024年には10億ドルを超えると予測しています。

この文脈でのデュームループとは?:

1. 規制の不備により、中毒性の合成嗜好用大麻製品群が広く販売される。
2. これが合法的な嗜好用大麻市場の競争力を弱める。
3. 結果として、合法市場の売り上げが減少し、州の税収も減少する。
4. この状態が続くと、市場全体が縮小し、さらなる規制の必要性が高まる。

あらゆる後退と遅延を起こした合成製品群

アメリカ各州は、コンビニエンスストア、ボデガ、ヘンプショップなどでグミやその他のエディブル(食べ物)の形で販売されている中毒性のあるヘンプ製品、通称「ダイエットウィード」「マリファナライト」「ガソリンスタンドポット」と呼ばれる製品の市場を制御しようとしています。

デルタ-8 THC(中毒性のあるヘンプ化合物の中で最も人気があるもの)に加えて、デルタ-10 THC、THC-O-アセテート、HHC、THCPなどの化合物もあります。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、これらのヘンプ由来の中毒物質が規制されておらず、しばしば安全でない可能性があり、有害な化学物質を含む可能性があるため、子供やペットから遠ざけるべきであると繰り返し警告しています。

FDAはまた、これらの製品がGRAS(一般に安全と認められる)ガイドラインに分類されておらず、これらの化合物を含む食品は不純物であるとも警告しています。

過去関連記事:2023年8月18日 FDAとFTC(日本の厚労省と消費者庁に相当する組織)がデルタ8製品販売会社を警告。どのように警告したのか?アメリカ連邦法目線の今を解説。

2018年のアメリカ農業法案は、産業用ヘンプを「その植物のあらゆる部分、種子を含むすべての誘導体、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩、および異性体の塩」を含むものとして合法化し、THC含有量は0.3%以下としています。

過去関連記事:2024年5月6日 アメリカ・ヘンプ農業法案とCBD食品化が決まらない。その核たる原因は?

しかし、この法案は、主にヘンプの花から抽出されたCBDを基にした合成中毒物質の出現を予期していませんでした。

CBDバブル崩壊が生んだ世界を巻き込む負のスパイラル

2019年に市販のCBD抽出物健康補助食品市場が急成長し、その後急速に崩壊した後、多くの企業が過剰在庫を抱え、これを中毒性のある合成嗜好用大麻製品を製造するグレーな業者に売り始めました。これらの製品は急速に拡散し、全米で推定数十億ドル規模のサブセクターに成長しました。

議会は次のアメリカ農業法案を修正することで、中毒性のある合成嗜好用大麻製品の合法性を明確にする機会を得ました。この法案は昨年から遅延していますが、先週提案された新しい規定は、これらの物質を合法化した連邦の抜け穴を閉じることを目指しています。しかし、新しい農業法案が成立するのは2025年まで見込まれておらず、それまでは州が未規制の製品から消費者を保護する責任を負うことになります。

過去関連記事:2024年5月26日 合成嗜好用大麻製品は、「全米」で一掃・排除と力強く動き出した今、どうなっていくのか

編集部あとがき

嗜好用大麻を解禁している州あるあるの対策なのですが、落とし所としては、これが一番ベスト対策なのかと、当メディアでも度々書かせて頂いております。
ただ、この対策に付け加えたいのが、事業者に対して、免税、助成金、金融インフラの緩和、ライセンス取得の緩和などの規制緩和をつけてあげることで、生産されゆく最終製品の売価が値下げできると思いますので、そこが重要かと考えます。
合成製品群よりも売価が高い状態ですと、規制をすればするほど、ブラックマーケットに合成製品と顧客が流れてしまい、結果、合成製品の流行は止まりません。
さて、今回の記事を以下、4つのポイントにまとめましたのでご参考ください。
1. 新しい規制の導入:
ニュージャージー州では、新しい法律が導入され、中毒性のある合成嗜好用大麻製品群を禁止し、CBDの販売を州の認可された嗜好用大麻販売店であるディスペンサリーに限定しようとしています。これにより、州内の非認可のヘンプショップが閉鎖されます。
2. 自然派成分のみ残す:
提案された修正案は、自然に存在する生物活性化学成分から抽出されたヘンプ化合物以外を完全に禁止することで、合成された中毒性のあるヘンプ製品・合成カンナビノイドを排除します。これにより、製品の安全性が向上し、消費者の健康を守ることが期待されます。
3. 広範な規制の取り組み:
アメリカ全土で、中毒性のある合成嗜好用大麻製品市場を規制する取り組みが進んでいます。これらの製品はコンビニエンスストアやヘンプショップで広く販売されており、その安全性に疑問が呈されています。FDAもこれらの製品に対して繰り返し警告を発しています。
4. 連邦規則の重要性:
2018年のアメリカ農業法案の抜け穴を閉じるため、連邦規則の導入が検討されています。しかし、新しい農業法案が成立するのは2025年まで見込まれておらず、それまでは各州が未規制の製品から消費者を保護する責任を負うことになります。
さて、
日本の場合は、アメリカのように「ハイ」を体験している人が圧倒的に少ない上に、大麻に対して「恐怖バイアス」がかかっている国民なので、合成嗜好用大麻製品が流行し出したとしても、大麻やCBDという存在を認知している少ない消費者の中だけでぐるぐると回っているだけで、そのマーケットがアメリカのように拡大していく見込みは絶対にありえませんが、アメリカの場合はそうはいきません。
大麻に対しての恐怖バイアスが無い上に、州によっては合法化、非犯罪化とネガティブなイメージは全くありません。その状態に対して、どこでも入手可能な「安価」でハイになれる合成嗜好用大麻製品群です。
その場、その時のタイミングでコンビニでサクッと買える感じですね。
未成年が手にしないわけがないのです。それを逆手にとった事業者たちが大きく販路を広げていき、アメリカの大麻産業を後退させてしまっている。というのがグリーンラッシュを幻想とさせた大麻産業の実態です。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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