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合成嗜好用大麻製品は、「全米」で一掃・排除と力強く動き出した今、どうなっていくのか

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農業法案の進展、合成嗜好用大麻成分を排除へ

次期アメリカ農業法案(ファームビル)の新規定は、デルタ-8 THCやその他の酩酊効果を持つヘンプ由来物質に注目が集まっています。

議員たちは、これらの化合物を含む製品の制限を目指す重大な規則の導入を検討し始めています。

まず、アメリカ下院の新農業法案の草案では、精神活性ヘンプ物質が抽出されるカンナビノイド抽出物を生産するための花を栽培するヘンプと、伝統的な「産業用ヘンプ」とを区別しています。

産業用ヘンプには、穀物としての食用や、建材、価値の高い繊維を得るために栽培される作物が含まれます。

対照的に、2018年の画期的な農業法案では、「その植物のあらゆる部分、その種子およびすべての派生物、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩、異性体の塩」を含む、産業用ヘンプに一元的で包括的な定義が設けられただけで、嗜好用大麻の代替品として販売され、急成長しグレーマーケットで発展していった合成嗜好用大麻製品の出現を予見していませんでした。

カンナビノイド用と産業用にヘンプを分ける新定義

更新される農業法案で提案されている草案は、ヘンプの成果物を以下の2つに分ける二部構成の定義を提示しています:

1: カンナビノイド抽出のために栽培されるヘンプ:

 「カンナビノイド抽出のために栽培されるヘンプ」とは、人間または動物の消費、吸入、または局所的使用のためにカンナビノイドを抽出する目的で栽培されるヘンプを指します。

2: 産業用ヘンプ: 「産業用ヘンプ」とは以下のヘンプを指します。

(A) 植物の茎、その茎から生産される繊維、またはその茎の非カンナビノイド派生物、混合物、調製品、または製造品の使用のために栽培される。

(B) 全粒、油、ケーキ、ナッツ、外皮、またはその他の非カンナビノイド化合物、派生物、混合物、調製品、または製造品の使用のために栽培される。

(C) 人間の消費のために意図された未成熟なヘンプ植物。

(D) 商流通には入らず、高等教育機関(1965年高等教育法第101条(20 U.S.C. 1001)で定義されている)または独立した研究機関におけるヘンプ研究を支援するために意図された植物。

(E) サブパラグラフ(A)から(D)に記載されている任意の材料の生産または製造のために単独で生産された植物の実生種子の使用のために栽培される。

補足:「非カンナビノイド派生物」とは、カンナビノイド以外の成分を指し、ヘンプの栄養面や工業用途に焦点を当てた製品です。

未成年が狙われている状況を打開したい

この二分された定義は今月初めに現れ、イリノイ州のメアリー・ミラー代表(共和党、米国下院農業委員会委員)が今週提出した修正案という形で、分かりやすく修正されることになりました。

ミラー代表の修正案(外部サイトへのリンク):https://hemptoday.net/MaryMillerAmendment.pdf

ミラー代表は水曜日に、「『デルタ-8』のような合成嗜好用大麻製品を合法化する抜け穴を塞ぐ修正案を提出します。これらの製品は10代や子供たちにマーケティングされています。これらの薬物入り製品は、カラフルなパッケージでキャンディーやスナックの隣によく売られており、親たちはこれに強く反対しています!」と、Xに投稿しました。

これらの製品は、人気ブランドを模倣することでしばしば若者をターゲットにしています。

ミラーの修正案は、自然に存在する、自然由来のカンナビノイドのみを含むようにヘンプの定義をさらに制限し、デルタ-8 THC(最も人気のある物質)、THCA、デルタ-10 THCTHC-O-アセテート、HHCTHCPなどの形で存在する自宅キッチンラボ製造の合成嗜好用大麻成分を一掃します。

不純物、甚大な健康被害、無課税、無責任、無法地滞市場

米国食品医薬品局(FDA)は繰り返し、ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品について消費者に警告しています。

過去関連記事:2023年8月18日 FDAとFTC(日本の厚労省と消費者庁に相当する組織)がデルタ8製品販売会社を警告。どのように警告したのか?アメリカ連邦法目線の今を解説。

これらは「ダイエットウィード」、「マリファナライト」、または「ガソリンスタンドポット」として知られ、規制されていないため、これらの製品が有害な化学物質や不純物を含でいる可能性が高く、子供やペットから遠ざけるべきだと指摘しています。

FDAはまた、これらの製品がGRAS(一般に安全と認識される)ガイドラインに分類されておらず、そのためにこれらの化合物を含む食品も不純物であると生産者に警告しています。

今年初め、20州とコロンビア特別区のトップ法執行官が、二党間の書簡に署名し、来る農業法案を使用して合成嗜好用大麻製品の拡大に対処するよう議会に促しました。

2018年の農業法案はヘンプの食品や繊維製品の市場を創出することに失敗し、同時に「公衆の健康と安全に対する重大な脅威を生み出しており、規制されていない、課税されていない、責任を負わない市場に利益をもたらしている」と提案しています。

連邦法や合成嗜好用大麻製品を規制する規則がないため、アメリカ全州でこれらの製品を含む市場の取り締まりに努めています。

嗜好用および医療用大麻の関係者は、これらの合成嗜好用大麻製品が合法的な嗜好用大麻市場のある州で規則や手数料の負担がないため、不公平な競争を表していると主張しています。

次の農業法案(元々は2023年の農業法案でしたが、何度も延期され、準備が整うのは2025年になるかもしれません)は、5年ごとに通過する約156兆円の農業予算です。

下院農業委員会が、今まさに、この法案について討論しています。

編集部あとがき

まだ下院通過での草案ではありますが、具体的な「合成嗜好用大麻製品一掃案(ヘンプの二分類化)」が、議会提出、下院が通過すれば上院へと、議論は深まっていきますが、当然の事ながら、どちらの過程にも合成嗜好用大麻事業者側の主張もあります。

合成嗜好用大麻側の中には、元CBD事業者も多々含まれています。ただ、合成市場が拡大していけばいくほど、ヘンプ産業は衰退していくという現実を背にようやく具体的な草案が動き出してきました。

いずれにしましても、ここが決まらないと、ファームビル(農業法案)からヘンプ産業に対する莫大な予算もおりず、ヘンプ産業(食品、建材、繊維、エネルギー、脱炭素方面)の成長は見られず、CBD産業も衰退したままで、無作為に嗜好用大麻事業の側も売上を削られていき、消費者の多くは、健康被害、事故の増加、と、どんどん大麻産業衰退の道をアメリカは進んでいきます。

当メディアでも度々この合成嗜好用大麻製品問題を取り上げてきました。

それは、アメリカ1国としての動向だけでは、何も見えてこないのも読者の方はお分かり頂けたと思います。州ごとのあらゆる対策や課題こそ、私たち日本側が自分達の未来を守る為に、フラットに見ていく必要があります。

まだこのテーマについて詳しく知らない方は、当サイトで「合成嗜好用大麻」や「CBDバブル崩壊」というワードで検索してみてください。グリーンラッシュを崩壊させた方法、CBDバブルを崩壊させた方法が全て、お分かり頂けると思います。

とは言え、急には止められないアメリカ合成嗜好用大麻事業者側の面々。この法案がどのように進み、その間で彼らはどのような行動をとっていくのか、その法案成立までの過程の彼らの動向のグラデーションに、学ぶべきポイントが多々ありそうですね。

 

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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