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Hemp Today Japanの記事を読むための初心者向け用語集

和名アサ(麻、学名Cannabis sativa L.)

アサ科アサ属で大麻草(たいまそう)とも呼ばれる雌雄異株の一年草で、中央アジア原産とされ、日本には、縄文時代には既に渡来したらしい事が遺跡の出土品などから分かっています。英名は、hemp またはcannabis といい、繊維用、食用、薬用として古くから世界中で栽培されてきました。なお、cannabisの日本語標記でカンナビスが多く見受けられますが、カナビスが比較的原音に近い標記のようです。

ヘンプ Hemp

食用や繊維を採る産業用のための大麻草のことです。陶酔をもたらす成分であるTHCが殆ど含まれていません。THCの含有量は、国際的には各国それぞれの基準を定めており、米国などでは0.3%未満、EUなどでは0.2%の品種とされていますが、日本には、こうした基準は設定されておらず、一律に「大麻」と呼ばれて規制対象となっています。産業用大麻(Industrial hemp)とも呼ばれています。

カナビス Cannabis

医療用や嗜好用のための大麻草のことです。学名:Cannabis sativa L.(カンナビス・サティバ・エル)が由来です。”カナビス産業”という場合、医療用と嗜好用を含めた分野のことをいいます。

マリファナ Marijuana

元はメキシコ由来のマリファナ煙草のこと。大麻草の花序や葉を乾燥させてタバコのように喫煙します。

大麻 Taima

広辞苑の定義では、次の4つの意味が紹介されています。

(1)伊勢神宮および諸社から授与するお札

(2)幣ぬさの尊敬語。おおぬさ

(3)麻の別称

(4)アサから製した麻薬

麻(あさ) Hemp

広辞苑によると次の3つの意味が紹介されています。

(1) (ア) 大麻(タイマ)・苧麻(カラムシ)・黄麻・亜麻・マニラ麻などの総称。また、これらの原料から生成した繊維
(イ) アサ科の一年草。中央アジア原産とされる繊維作物。大麻草

(2) 麻布の略

医療用大麻・嗜好用大麻・産業用大麻 Medical cannabis, Marijuana, Industrial hemp

大麻草を用途別に分類した表現。医療用というと特別なものと思われがちですが、医療用も嗜好用も同じ大麻草の有効成分を活用します。目的が違うだけです。

カンナビノイド Cannabinoid

大麻草に含まれる121種類ある生理活性物質の総称です。研究が進むにつれて、その数も増えています。合成カンナビノイドや内因性カンナビノイドと区別するために“植物性カンナビノイド”と表記することがあります。代表的なカンナビノイドにTHCとCBDがあります。

THC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール) Tetrahydrocannabinol

マリファナの主成分で、陶酔感や多幸感などの向精神作用をもたらします。いわゆる“ハイ”になります。

CBD(カンナビジオール) Cannabidiol

向精神作用をもたらさないカンナビノイドの1種。様々な薬効が期待されています。

ヘンプオイル Hemp oil

ヘンプの種子から採れる油。ヘンプシードオイル、アサ種子油とも呼ばれています。

日本の大麻取締法 Cannabis Control Act

我が国で大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきました。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられました。

ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(昭和23年7月10日制定、法律第124号)を制定しました。

医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(昭和23年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となったのです。

その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減しました。欧米のヒッピー文化が流入し、マリファナ事犯が1970年代に1000人を超えると、それらを取り締まるための法律へと性格が変わったのです。

戦後、70年間で農家保護のための法律から、マリファナ規制のための法律へと変貌しました。

2016年の時点で、全国作付面積7.9ha、大麻栽培者34名、大麻研究者400名います。

この法律では、大麻植物の花と葉が規制対象であり、茎(繊維)と種子は、取締の対象外です。栽培するには、都道府県知事の免許が必要ですが、大麻事犯の増加傾向の中、新規の栽培免許はほとんど交付されていません。

また、医療用大麻については、医師が施用することも、患者が交付を受けることも両方で禁止されています。

大麻取締法の条文
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000124