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合成嗜好用大麻製品群の排除法案は、CBDやその他自然由来のカンナビノイドには悪影響無し!?

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合成嗜好用大麻規制案ではCBD他自然成分には影響しない

米国次期農業法案に提案された物議を醸している修正案「ミラー修正案」の下では、すべてのヘンプカンナビノイドが禁止されるわけではないと、重要な立法機関による分析が発表されました。

議会の中枢である議会調査局(CRS)は、広く流通している規制されていないヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品群を取り締まるこの修正案が、CBDやその他の非精神活性の天然化合物に影響を与えるものではないと結論付けました。

CRSが発表した報告書によると、「この修正案はCBDなどのすべてのヘンプカンナビノイド製品を禁止するものではなく、USDA(米国農務省)が入手可能な科学的研究および定量分析に基づいて判断を行う必要があります」と述べられています。

酩酊性を誘導するTHCAは規制対象になりうる

農業法案の立法更新である「ミラー修正案」は、イリノイ州のメアリー・ミラー下院議員によって導入され、下院農業委員会を通過しています。

過去関連記事:2024年5月26日 合成嗜好用大麻製品は、「全米」で一掃・排除と力強く動き出した今、どうなっていくのか

この修正案では、精神活性を持つヘンプ物質が抽出される花を栽培するための植物と、穀物や繊維を目的とした伝統的な「産業用ヘンプ」との区別を再定義しています。

委員会で承認・更新された農業法案の草案では、天然に存在するか、または天然由来の非中毒性化合物のみが許可され、ヘンプのTHC制限をデルタ-9 THCとTHCAの組み合わせとして再定義しています。

過去関連記事:2024年8月7日 THCAも禁ずる。DEAの規制意向はどんどん生産制限を狭めていく!?

合成のみで得られる成分を規制する

2018年の画期的な農業法案(Farm Bill)で、産業用ヘンプを合法化する際に規定された内容では、デルタ-9 THCの0.3%がヘンプと嗜好用大麻の境界線として明確に設定されました。

この法案では、「植物のあらゆる部分(種子を含む)およびそのすべての派生物、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩および異性体の塩」を含む統一的で包括的なヘンプの定義も設けられました。

CRSの分析によれば、これらの法定文書は主に変更されないままであり、更新された文書では「ヘンプが非自然発生の合成物質および中毒性製品(すなわち、自然発生または由来の非中毒性製品のみを許可)」を除外することが明示されています。

また、この合成物質の除外は、2024年4月に米国麻薬取締局(DEA)が合成中毒性物質HHCに関して下した判決と一致しており、この場合、DEAはHHCが「カンナビス・サティバL.植物には自然に存在せず、合成的にのみ得られるため、ヘンプの定義には含まれない」と判断しました。

一部の州では、デルタ-8 THC、デルタ-10 THC、THC-Oアセテート、THCPなど、合成ヘンプ化合物の全範囲についても同様の制限を採用または検討しています。これらの多くは、ヘンプの花から抽出されたCBDを自宅などの簡易ラボで製造・加工することで作られます。

CRSは、「修正案は『中毒性』を定義していないが、総THC(THCAを含む)やその他のカンナビノイドが(デルタ-9)THCと同様の効果を持つ、またはそのように宣伝されている場合、これを禁止する」と強調しています。

産業用ヘンプの再定義

そのため、進行中の農業法案の更新案では、産業用ヘンプの定義を、繊維や「全粒、油、ケーキ、ナッツ、殻、またはその他の非カンナビノイド化合物、派生物、混合物、調合物、または植物の種子の製造品のために栽培されるヘンプ」とすることが制限されると、CRSの報告書は述べています。

CRSの報告書(外部サイトへのリンク)https://crsreports.congress.gov/

CRSはまた、米国食品医薬品局(FDA)が、CBD、THCおよびその他のカンナビノイドを含むカンナビスおよびカンナビス由来の化合物を含む製品が引き続きFDAの管轄下にあると主張していることを指摘しています。

したがって、FDAは、連邦食品医薬品化粧品法(FFDCA)の下で「CBDまたはTHCを添加した食品を州際商取引に導入したり、物質がヘンプ由来かどうかにかかわらず、CBDまたはTHC製品を栄養補助食品として販売することは違法である」と主張しています。

その他の変更点

CRSの分析によると、ヘンプに関連する農業法案のその他の変更点には、ライセンス申請者に対するテスト要件や背景調査の削減または撤廃が含まれています。

また、提案された条項では、麻薬関連の犯罪で有罪判決を受けた者がライセンスを取得できない現行の10年間の不適格期間を廃止する措置が取られる予定です。

次回の農業法案は、元々2023年版として予定されていたものですが、繰り返し延期されており、2025年まで準備が整わない可能性があります。この法案は、5年ごとに可決される1兆ドル規模の包括的な農業予算です。

CRSは、現在下院で審議中の歳出法案にも、合成嗜好用大麻を禁止する文言が含まれていると指摘しています。

この法案も、自然由来および自然に派生したヘンプのカンナビノイド製品に配慮しているものの、「産業用ヘンプ」の定義が含まれていないため、「混乱を招く可能性がある」とCRSは述べています。

過去関連記事:2024年8月17日 一層固まっていく合成嗜好用大麻製品群の排除活動、年内には全排除か!?

CRS(Congressional Research Service、議会調査局)とは:アメリカ合衆国議会に対して非党派的な政策分析と情報提供を行う機関です。議会の「シンクタンク」とも呼ばれ、議員や委員会が法律や政策の策定においてより良い決定を行うために必要な情報を提供します。CRSは、専門的かつ詳細なレポートを作成し、議会のメンバーにとって非常に重要なリソースとなっています。CRSの分析や報告は、政策の法的、技術的、社会的な側面を深く掘り下げ、議員たちが政策決定を行う際の参考材料として使用されます。この記事では、CRSの分析が、「Miller Amendment」がCBDや他の非精神活性化合物には影響を及ぼさないことを明確にし、その意味を議会に説明しています。CRSの位置づけとしては、議会に対して公正かつ非党派的な見解を提供する独立した機関であり、政治的に偏らない視点で政策の影響を分析する役割を果たしています。

編集部あとがき

まだまだ混乱中の合成嗜好用大麻製品規制法案ですが、おおまかに合成嗜好用大麻製品群(非自然物質)は排除規制されますが、非精神活性物質である自然由来の成分は規制しない。ということになり、且つCBDとTHCはFDAの管理下のまま。ということになります。
これをそのまま受けるとどうなっていくのかと考えていきますと、各州はこれまで販売できていたフルスペクトラムCBD製品に含まれるTHC上限に制限がかかり、これまで通りの流通にならない可能性が見えてきます。
そうなると、患者達に不利益が被りますので、すんなりとこの法案が通るとも思えませんが、とはいえ、合成嗜好用大麻を排除する動きの方が強くありますので、強行でそのような悲惨な状況になる可能性も否めません。
現に強行していく州も出てきています。
今回の記事を以下の4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。
1. 「ミラー修正案」の影響の限定性:
全てのヘンプ由来カンナビノイドを禁止するわけではないと強調しています。特に、CBDや他の非精神活性化合物は、規制対象から外れることが示されています。これにより、消費者がCBD製品を利用する際の懸念を和らげることが意図されているようです。
2. 産業用ヘンプの再定義:
法案は、産業用ヘンプの定義を見直し、精神活性物質を含む植物と、伝統的な繊維や食品用の作物を区別することを提案しています。この新たな定義により、ヘンプ産業の一部が規制強化の影響を受ける可能性があると示唆されています。
3. 合成嗜好用大麻の禁止:
合成カンナビノイド(嗜好用大麻)を排除し、自然に由来する非精神活性化合物のみを許可することを述べています。これにより、未規制の精神活性物質が市場に流通するリスクを低減しようとする意図が読み取れます。
4. 農業法案全体への影響と議論の余地:
法案の一部変更には、ライセンス要件の緩和や犯歴のある者への対応なども含まれており、これが業界に与える影響についても著者は注目しています。また、合成カンナビノイドを含む物質に対する規制の曖昧さが、将来の混乱を引き起こす可能性があると警告しています。
四方八方から綱引きされている状態でどこかの強行手段がないと物事が進まないように思える状況です。
合成嗜好用大麻製品群が大きく拡大し、ヘンプ産業を滅ぼしてしまったアメリカのCBD・ヘンプ業界。これから取り戻しにかかってはいますが、時すでに遅しという状況です。
合成嗜好用大麻製品が流行していった先の末路、みなさんもお分かりいただけたと思います。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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