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英国CBD市場に再び規制論争、ノベルフード制度の運用そのものが問われる事態に

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ノベルフード審査の運用に新たな疑問

英国のCBD業界関係者グループは、CBDの規制上の扱いを見直すよう求める申請の取り扱いをめぐり、同国の食品承認制度が本来の意図どおり機能しているのかについて新たな疑問が生じていると指摘している。

この論争は、英国食品基準庁(FSA)の下で進められているCBD製品の承認プロセスをめぐる最新の展開であり、この審査は当局が初めてCBD製品の評価を始めてから数年が経過した現在も、ほとんど解決されないまま進んでいる。

最新の異議申し立て

今回の異議申し立ては、コンサルティング会社Hemp Houndが提出したノベルフード制度の「Article 4」に基づく正式な申請を中心としている。この申請には複数の業界関係者が署名している。

Article 4の申請では、特定の全草由来ヘンプ食品—フルスペクトラムおよびブロードスペクトラム抽出物を含む—は英国法の下で自動的にノベルフードとして扱うべきではないと主張している。現行の制度では、1997年5月以前に一般的に消費されていなかった食品はノベルフード認可プロセスを経る必要がある。

もしこの主張が認められれば、英国においてCBDやその他のヘンプ由来食品がどのように分類されるかに大きな影響を与える可能性がある。

審査プロセスへの疑問

コンサルティング会社Hemp HoundのCefyn Jones氏は、FSAによるArticle 4申請の扱い方に疑問を呈している。彼によれば、FSAはこの申請について、申請者である彼を同席させないまま、業界団体であるCannabis Trade Association(CTA)との会合で議論したという。

しかしFSAはこれまで、申請内容について第三者と議論することはないという立場を示していた。

Jones氏は「CTA側から会議内容の報告を受けており、さらに情報公開請求(FOI)の回答でも実際に会議が行われたことが確認された」と述べている。

そのFOI回答によれば、この会合は2025年10月3日にCTAの要請で開催された。しかしJones氏によれば、この会議内容について明確な公式記録は存在していないという。

「FSAは当初、そのような会議は存在しないと説明していたが、FOI回答では第三者会議の監査可能な記録が存在しないことが示されている。これは重大なガバナンス上の問題と言えるだろう」とJones氏は指摘した。

HempTodayがFSAに対し、Article 4申請の扱い方、第三者との議論の有無、機密性の管理方法について質問したところ、FSAは次のように回答した。

「私たちは提出書類や申請内容の機密性を非常に重視しており、申請者の同意なしに第三者へ申請内容を共有することはありません。」

滞る審査パイプライン

FSAは2019年にCBD製品をノベルフードとして規制する方針を示して以来、CBD市場を制度に適合させる取り組みを進めてきたが、その過程は遅延、混乱、業界からの反発によって特徴づけられている。

2026年初頭時点で、FSAの公開リストには11,456のCBD製品が登録されている。そのうち約10,200製品は「証拠提出待ち」、約900製品は安全性評価中、250製品はリスク管理段階、106製品が認可または承認済みとなっている。さらに409製品はリストから削除または失格となった。

この数字は、制度の大きな特徴を示している。すなわち、ほとんどのCBD製品は依然として暫定的な立場で市場に存在しており、最終的な判断はFSA内部の審査段階に依存している。そのプロセスは市場から見て遅く、時に不透明と感じられている。

歴史的消費をめぐる論争

Hemp Houndの異議申し立ては、冷圧搾、チンキ製造、エタノール抽出などの伝統的な製造方法には、1997年以前からの使用実績があると主張している。

申請書では「CBDを含むヘンプオイルは冷圧搾によって製造されており、消費の歴史が存在する」と述べている。過去の食品、飲料、ハーブ製品などの例が、この主張を裏付ける証拠として提示されている。

EUでも2019年に同様の議論が起きた。当時、欧州委員会のノベルフードカタログが更新され、CBDやその他のヘンプ抽出物が「新規食品」として扱われるようになった。

この変更に対し、欧州産業用ヘンプ協会(EIHA)を中心とする業界関係者は反発し、ヘンプ抽出物は1997年以前から食品用途で使用されてきたと主張した。また、この解釈は法的不確実性を生み、グレーマーケットを拡大させると警告した。

しかし、この異議にもかかわらず、EUでは2019年の解釈が維持され、CBDはEU全体でノベルフードとして扱われる状況が確立された。

今回のHemp HoundによるArticle 4申請には、Allworld Products、Big Chief Hemp、Bnatural、Brown’s CBD、CBD Brother、CBD One、CBD-UK、Crop England、Happy Hemper、Hempen Organic、Jersey Hemp、Naturally Pure Lab、Naturecan、Orange County、Ortis Wellbeing、Project Forty8など複数の企業が署名している。

編集部あとがき

今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。

1. 英国CBD市場は依然として「暫定状態」にある

FSAの公開リストには1万以上のCBD製品が掲載されているが、正式に認可されたものはわずか100件程度にとどまる。大多数の製品は証拠提出待ちや審査中という暫定的な状態にあり、市場の不確実性が続いている。

2. Article 4申請がCBDの分類を揺さぶる可能性

業界側は、フルスペクトラムやブロードスペクトラム抽出物などの全草由来ヘンプ食品は必ずしもノベルフードではないと主張している。この主張が認められれば、CBD食品の規制枠組みが大きく変わる可能性がある。

3. FSAの審査運用に透明性の問題が浮上

申請内容を第三者と議論しないと説明していたFSAが、実際には業界団体との会議でこの申請を議論していた可能性がFOI回答で示された。公式記録が存在しないことも含め、制度運用の透明性が疑問視されている。

4. EUでも同じ論争が起きたが結果は変わらなかった

2019年、EUでも「ヘンプ抽出物は新規食品ではない」という主張が業界から出されたが、最終的にCBDはノベルフードとして扱われることになった。英国でも同様の結論に至るのかが注目されている。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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