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CBD業界の規制リスクが浮き彫りに、カンザス州での摘発と企業の信頼問題

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CBDショップが摘発され、警察はTHCの上限超過を主張

カンザス州のCBDショップが摘発され、その運営者が逮捕されました。警察は、この店舗がTHC含有量0.3%の上限を超えるヘンプ製品を販売していたと主張しています。

ライリー郡警察(RCPD)は1月下旬、カンザス州マンハッタンにある「CBD American Shaman」の店舗に対して捜査令状を執行しました。この令状は、同店がカンザス州産業用ヘンプ法に違反する製品を販売していたという疑いに基づく、継続中の捜査の一環として出されたものです。

マンハッタン在住のドナルド・インス氏(46歳)は、この捜査に関連して逮捕され、大麻の違法販売3件と出廷命令違反1件の罪で起訴されました。保釈金の総額は15,060ドルに設定されましたが、彼が拘留されたかどうかは明らかになっていません。

全国展開するチェーン店

この店舗は、「CBD American Shaman」のフランチャイズ店舗であり、CBDオイル、エディブル(食用製品)、外用製品、ペット用サプリメントなど、ヘンプ由来のウェルネス製品を展開する全米規模の小売チェーンに属しています。同社はミズーリ州カンザスシティで設立され、現在ではアメリカ国内で最も大きなCBDブランドの一つとなり、全国各地にフランチャイズ店舗を展開しています。

カンザス州産業用ヘンプ法では、ヘンプ製品のTHC含有量を乾燥重量比で0.3%以下に厳しく制限しています。この基準を超える製品は嗜好用大麻と見なされ、販売や所持が違法となります。また、カンザス州の法律では、喫煙用ヘンプ、電子タバコ用リキッド、未加工のヘンプフラワーなど、特定のヘンプ由来製品の販売を禁止しており、これらを扱えるのは許可を受けたヘンプ加工業者や研究機関に限られています。

消費者の混乱

ライリー郡警察(RCPD)は、「CBD American Shamanやその他の地元企業で、合法的なCBD製品だと思って購入したにもかかわらず、違法なTHCレベルを含んでいたために大麻所持として摘発されるケースが多数発生している」と述べています。警察によると、「これらの消費者の多くは、自分が購入した製品がカンザス州法の下で合法だと信じており、摘発されたことに混乱している」とのことです。

RCPDは、事業者がカンザス州産業用ヘンプ法を確実に遵守することの重要性を強調し、消費者に対しても、法律を順守している信頼できる販売元からCBD製品を購入するよう呼びかけました。

また、CBD American Shamanは昨年、米国環境保護庁(EPA)との合意のもと、農薬関連の連邦法違反の疑いにより37万ドル(約5,500万円)の罰金を支払うことに同意しました。EPAとの和解により、同社は規制当局への登録を怠った6種類の抗菌農薬を販売・流通させたことに対し、罰則を受ける形となりました。

編集部あとがき

 今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。

1.CBD業界の法規制リスクとコンプライアンスの重要性
カンザス州におけるCBD製品のTHC規制違反が取り締まりの対象となったことを通じて、事業者がコンプライアンスを徹底しなければならない現実を示しています。特に、カンザス州産業用ヘンプ法ではTHC含有量を0.3%以下に制限しており、これを超えると違法な嗜好用大麻として分類されることを強調しています。業界関係者は、各州の法規制を細かくチェックし、法的なリスクを避ける体制を構築する必要があります。

2.消費者の混乱とブランド信頼性の低下
消費者が「合法だと思って購入したCBD製品が違法と判断され、逮捕される」という問題が発生していることを指摘しています。このような混乱は、業界全体の信頼性を損なう要因となり、CBD事業者にとってはブランドの信用問題にも直結します。消費者が誤った製品を購入しないためにも、販売業者は製品の成分検査や透明性の確保を強化する必要があります。

3.CBD American Shamanの規制違反と業界全体への影響
CBD American Shamanが環境保護庁(EPA)から罰則を受けた件にも触れています。農薬関連の法規制違反による37万ドルの罰金は、CBD業界にとって重要な警鐘となる出来事です。企業の規模に関わらず、連邦および州の規制を遵守することが不可欠であり、違反すれば厳しい制裁やブランドイメージの悪化を招くことが明確になりました。

4.CBD業界の持続的な成長のための課題
CBD市場は急速に成長していますが、今回のケースは規制が追いついていない中で事業者と当局のギャップが問題になっていることを浮き彫りにしました。各州ごとのルールが異なるため、全国展開する企業ほど厳格な成分管理と法規制への適応力が求められるという現実があります。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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