グリーンビルディングのためにヘンプを推進
国際ヘンプ組織連盟(FIHO)は、ヘンプを持続可能な建築資材の供給源として位置づける国連のプログラムに参加しました。
FIHOは、世界的な取り組みを行っているグローバル・アライアンス・フォー・ビルディングス・アンド・コンストラクション(GlobalABC)に加わりました。
GlobalABCは、気候変動枠組条約の意思決定機関である締約国会議(COP)の年次会合を含む主要な国際活動を通じて、建築環境のカーボンニュートラル化を推進しています。
バイオマテリアルの可能性
「世界中ますます多くの企業が、合理的な価格と地元で開発された製品を使い、新しい建物の建設や既存の建物の改装に向けて、ヘンプクリートやその他のバイオマテリアルを開発しています」と、FIHOはプレスリリースで述べ、ヘンプという植物の成長がCO2を吸収を促進し、ヘンプクリートが炭素を閉じ込める能力を強調しました。
GlobalABCは、建設業界に対する政策と技術のガイダンスを開発し、世界、地域、国、市町村レベルでのセクターに対応しています。
同アライアンスは、建築と建設のための年次グローバルステータスレポートおよびグローバルビルディング気候トラッカーを通じて、セクターの脱炭素化の進行状況を追跡しています。
世界トップ機関がヘンプクリート製品等を展示拡散
「Global ABCは、ヘンプクリート生産者が自分たちの製品を展示し、農家、加工業者、建築家、建設会社、都市計画家など他の利害関係者との連絡を取り、研究成果を共有する機会を提供します」と、FIHO会長のテッド・ヘイニー氏は述べています。
Global ABCの2022年版のグローバルビルディング気候トラッカーレポートによると、建設業界は2050年までに脱炭素化を達成する目標から外れたままです。
脱炭素目標の遅れを取り戻そう
レポートによると、「実際の業界の気候パフォーマンスと必要な脱炭素化の道筋との間のギャップは広がっています。また、建築業界における構造的またはシステム的な脱炭素化の改善の欠如により、その排出削減は外部要因によって影響を受けやすくなっています。」と述べられています。
2021年には、建築および建設業界は、エネルギーおよびプロセス関連のCO2排出量の約37%と、全世界のエネルギー需要の34%以上を占めていたとレポートは指摘しています。
FIHOとは!?そして今回の記事まとめ
世界各国のヘンプ協会が力をあわせて、「ヘンプは農作物であり、薬物ではない」と声を上げて創立されたFIHOですが、日本からも北海道ヘンプ協会がFIHO創立時に協力をしています。以下、FIHOに関連する過去記事も合わせてご参考ください。
今回の記事のメッセージとしては、国際ヘンプ組織(FIHO)が国連のプログラムに参加し、ヘンプを持続可能な建築資材のソースとして位置づけるための取り組みを進めていることです。
FIHOがGlobal Alliance for Buildings and Construction(GlobalABC)に参加したことで、建築業界における脱炭素を目指す国際的な活動に貢献し、特に建築と建設の脱炭素化を追跡する年次報告書を通じて、ヘンプの持つポテンシャルを示しています。
また、建築業界が2050年までの脱炭素化を達成するための道筋から外れていることを指摘し、この業界の排出削減が外部要因に左右されやすい状況にあることを強調しています。
FIHOとGlobalABCの協力を通じて、ヘンプとヘンプクリートがどのように建築業界の脱炭素化に貢献できるかを示し、持続可能な建築物の開発におけるヘンプの役割を広く紹介しようとしていることが伝えられています。