穏やかな気候、肥沃な土壌、そして長い栽培シーズンを持つスペインは、ヨーロッパにおいて大麻の栽培大国になる可能性を秘めています。
「研究者、農家、加工業者、他の起業家に感化され、大麻関連のビジネスを始める起業家が増えています。」とスペインの大麻産業界の顧問であり、開発者でもあるDana Agronomics社のヘスス・ディアス氏はヘンプトゥディに語りました。そして、スペインの消費者は一層大麻製品を購入しているとディアス氏は指摘します。
スペインの新興大麻業界への関心が高まるとともに、Expocáñamoにおいて大麻の栽培とその可能性に関する話題がますます比重を高めています。Expocáñamo は2018年5月11~13日に開催されるセビリアを拠点とした大麻の展示会およびフォーラムで、今年で4回目を迎えます。産業用大麻に関連する製品、食品、健康、織物、建設、新製品、収穫や加工用の機械についての展示やセミナーセッションが催される予定です。
解決すべき課題
大麻産業の関係者によると、2018年度の予測では大麻の栽培面積は増加しているものの、建設資材や織物用に大麻を処理する設備は不足しているということです。また、ディアス氏によると、一部の業界ではCBD(カンナビジオール)の生産を検討している一方で、規制環境としては今のところCBDの生産に対しては、危険な動きであるとの見方をしています。
ディアス氏は「科学的および社会的な根拠に基づく完全な規制がなければ、世界の大麻市場の中で生き残ることは難しいでしょう。」と語ります。「当局、農家、栽培者、ユーザー、その他の代理店など、大麻とその産業の関係者に対して、教育と啓発のため莫大な努力をする必要があります。」
それでも、大麻製品のスペイン市場は拡大しています。特に、ヘンプシードから作った食品や、CBDや他のカンナビノイドが豊富な抽出物から作るサプリメントのマーケットは拡大傾向にあります。
スペインの長い伝統
大麻は何世紀も前からスペインの土壌に根付いており、その栽培を規制する法律がはるか昔に定められていました。大麻の栽培記録は、18世紀のカルロス3世の時代にまでさかのぼり、グラナダ地域とセグーラ地域の平野で行われていました。
ヨーロッパでは1990年代に大麻栽培が復活し、スペインの大麻畑は1998年に16,507ヘクタールにまで回復しました。しかし、2001年に欧州連合(EU)の補助金が打ち切られた後に、産業用大麻の栽培を続けてきた唯一の地域は、主に織物や種子の生産のために栽培されていたカタルーニャだけとなっていました。
参照:スペインの産業行用大麻に関して(Dana Agronomics社・ヘスス・ディアス氏)(HEMPTODAY 2018年1月8日)
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