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HHC草の根有識者会議レポート(前編)

目次

概況

登壇者の一覧やプロフィールはここでは割愛します。こちらのリンクから確認ください。

さて、HHC草の根有識者会議が開催されたのが1月17日。宣伝もなくほぼ口コミで広がっただけにも関わらず、増席に増席を重ね、結果180名を越えの参加者となり、国内輸入成功日からわずか3ヶ月足らずのニューレアカンナビノイドだが、注目度は驚くほど高かった。

HHC草の根有識者会議から約1ヶ月が経過。会議直後では反省会と題した会が、Twitterスペース上にて、こちらも100名以上が参加されており、盛り上がっていた。さらに、その反省会の後、「HHC草の根 非有識者会議」と題したスペースも開催されており、HHCが放つ存在感を肌で感じられた。

後日、正高先生からも尿検査調査の協力依頼の情報発信があったり、厚生省側は規制を検討しているという話があったりなど、色々な意味で活況だ。

HHCにおける個人的な見解ではあるが、当会議の「もなさん(脳性麻痺の緩和に対してHHCを活用)」のお話を伺ってから、CBDとは別の可能性を大きく感じた。必要とする方はおられると痛感。また、この長くも終わらないコロナ禍における日本の閉塞した空気を緩和させるツールとしても、非常に有効で、精神的な豊かさや精神的な健康のサポートである。という声も多々聞こえてくる。

それでは、以下、登壇者がそれぞれお立場で語って頂いたHHCの見解レポートです。前編、後編、ユーザー様からのQAと3部に分けてアップいたします。

※会話に関しては全て書き起こしでございます。注釈などは補足程度でおつけしております。

早稲田大学 理工学術院 准教授 野崎千尋先生

野崎先生のHHC見解まとめ:

・まだよく分からないことだらけ
THCによく似たような形と言われるが、それを証明している人がほぼいない
・ドイツもアメリカもみんなだいたいTHCを使って研究してる、HHCでの研究は聞かない
・デルタ8もデルタ9THCを使ってずっと研究がなされてた
THCや他のカンナビノイドみたいに「これ絶対にHHCですね。」と言えるものがほぼ無い
・「これはHHCでは?」という感じのCOAしか見たことが無い
・標準物質としてHHCは見た事がない

野崎先生 会話ポイント抜粋:

※会話に関しては全て書き起こしでございます。

野崎先生
例えばカンナビジオールとかだったら、CBDが九十何%入ってますって出るじゃないですか。そういう形のCOAが、いわゆるその製品の保証書がないので、それをできる状況にないので、世界が。っていうのはなぜそれがそれは100CBDですよ、って言えるかっていうと、ちゃんとこれは100%CBDです。誰がなんというとCBDですっていうものがあるからなんですね、分析用に。これを標準物質と言い方するんですけど。

古賀
標準?

野崎先生
そうです、標準物質です。その標準物質、いわゆるアナリティカルスタンダードと呼ばれる奴がHHCではないんです。

標準物質とは? こちらの記事をご参照ください

古賀
なるほど。

野崎先生
ない以上は言えるわけないじゃないですか。何がどう言おうとしてもっていうのが現状なので、ちょっと信じられないし、怖いなっていうところですね。

古賀
なるほど、分かりました。じゃあその現状を踏まえた上で、今これからHHCに火がついて流通が始まった所なんですけれども、それについてはどうお考えですか?

野崎先生
使っている人たちで、それで体感がありました、効果がありました。それはそれでいいんじゃないかなあというふうに思っています。まずそれが第1点目。ただその売っている側が、今言ったみたいな安全性とかをどこまで理解しているのかなっていうところがちょっとだけ怖いっていうふうに思っている、というのが私の立場です。HHCそのものを規制しろとは全然思ってないし、なんだったら私はちゃんとしてるやつだったら、めちゃほしいってずっと言い続けている。たぶん今日本で一番HHC欲しがっているのは私だっていうふうに、私は断言しちゃうくらいなので。うちのネズミで使わせろよって。本当にそんな感じなので。なんですけど、今言った通りの理由で、ちょっと信じられないっていうことを考えると、ちょっと信じられない物質を皆さん口にしてるんですよっていうことは、考えたほうがいいよっていう。で、それが売ってるんですよっていうのは考えた方がいいよっていうふうに思うっていうぐらいですね。

古賀
なるほど。わかりましたHHCの標準資料が作れるようになったら、なんかビジネスにならんかなってちょっと思ったんですけど。

野崎先生
いや、本当にその通りですよ。実際例えばアメリカでよく、ここがカンナビノイドの分析一番やってますよって出てくる会社がありますけど、あそこでさえHHCは入ってないんですよ。カンナビノイドをちゃんと分析して 見れますよって言ってるんですけど、そのリストを見たら、そこにHHCが入ってないんですよ。ってことはって話なんですよね。でこちらも試薬レベルでいろいろ見てたりはするんですが、やっぱり標準資料が出てこない。あるいは十何種類のミックスの標準資料のやつありますよって。それにも、やっぱり入ってない。なんだったらデルタ8まではあるんですけど、HHCはないっていうのが現状なので。めんどくさいね、今って感じですね。

古賀
なるほど、分かりました。想定される問題みたいなものとかってあったりしますか?

野崎先生
それが要するに、HHCだといって売られているものが、HHCじゃなかったっていうのが一番多分怖いですよね。これはユーザーさんにとってもそうでしょうし、お店にとってもそうでしょうし。これが絶対にHHCですっていうふうに言えるものが、ではこれがHHCですよって言ってるはずが実は違うものだった。で、万が一ですよ。違ってたものっていうのが、例えば毒性であるとか依存性であるとか、そういうものが強烈になっているっていう場合には、良くないことしか起きないよねっていうのがあって、そこが怖いなって思っているところですね。

古賀
なるほど、わかりました。これは日本だけじゃなくて、世界中の産業全体が取り組んでいかなきゃいけない課題だということですよね。

野崎先生
そうですね。なるべく早くその辺がわかってくれれば嬉しいなーってところですね。

もなさん(脳性麻痺の障害をHHCを利用して緩和)

もなさんのHHC利用者の意見

・日常の慢性痛、麻痺がかなり和らいだ
・寝返りが打てないほどの痛みが無痛になった
・15分以上歩ける歩けるようになった
・但し、目が疲れる

もなさん 会話ポイント抜粋:

※会話に関しては全て書き起こしでございます。

古賀
どうでした?使ってみて効果としては。

もなさん
はい、やっぱり皆さんがおっしゃっているように、多少の精神作用というか、体が重くなったりとか、視覚聴覚が敏感になったりとかそういったことはもちろんあったんですけれども。私にとってなんですけど、それ以上に鎮痛効果がとんでもなく素晴らしくて、今まで冬場は本当に寝返りがうてないぐらいきつかったんですけど、全くの無痛になって、それがまずびっくりしたんですね。普通に歩けるし。15分ぐらいしか歩けないというふうにさっき言ったんですけど、15分を超えても普通に歩ける。後、私は20%のリキッドを56パフぐらい吸って、それで3時間超ぐらいは平気で効くっていう、効果時間の長さとかもありまして、すごくいいものだなというふうには思ってます。そうですね、そんな感じです。

古賀
効果はCBDと比較してもあれですが、痛み止めとしても段違い?

もなさん
はい、段違いというかそうですねぇ。はい。

古賀
なるほど。それは言わばアメリカとか、ああいう医療大麻が認可されているところではTHCがやっているような仕事と同じような効果があるっていう感じですかね?

もなさん
すみません。本物というか、THCを使ったことがないのでわからないです。

古賀
そうですよね。使われ方としてはそういうことなのかなと。

もなさん
だと思いますね、はい。

古賀
そういった中で本当にレメディーとして使われているもなさんとして、何かメッセージというか、心配していることだったり、こうあってほしいということだったりとか何かありますか?

もなさん
そうですね。やっぱり趣向目的のユーザーさんと、医療目的ユーザーの乖離が激しいことが、一番心配だなというふうに思っていて。おっしゃられてたように、9割以上が趣向目的メインだと私も思っているので、使いたい気持ちはすごくわかるんです。ただですね、twitterなんかを見てましても、「本物の大麻に比べてどうですか?」とか「合法で決まりますかとか?」と「ぶりぶりになりますか?」とか、そういった観点の質問ばかりだなというふうに感じてます。今の時点での娯楽目的での売り出し方というか、HHCの売り出し方みたいなのが、合法なのに違法なみにキマりますよ、みたいなそういう売り文句ばっかりだったら、多分そのうち規制が入っちゃうと思うんですね。HHCを、やっぱり良いものだから広めていかないといけないと思っていて、それには今まで娯楽目的で使っているユーザーさんだけじゃなくて、一般の方にも広めることが大事だなというふうに。すいません、1ユーザーなんですけれども思ってまして。

古賀
医療として効果をしっかり実感なさってたら尚のこと大事にしていきたい製品ですよね。

もなさん
そうですね、私は昔、地方自治体と一緒になって薬物乱用防止の企画を作ってたことがあるんです。そこで感じたことなんですけど、やっぱり一般層には大麻は違法であって怖くて危険だよって、そういうイメージがもう刷り込まれちゃってるんですね。だからメーカーさんとしても、私たちユーザーとしても、これ以上はアウトローというか、危険なイメージを持たれないように、何か健全なアプローチが必要なんじゃないかなというふうに思っています。製品を売り出せるのはメーカーさんしかいないので、そのへんを考えていただけたら、医療目的ユーザー、長く必要としている人間としては嬉しいなと思うのと、やっぱり私たちユーザーからしても、危険な使い方は本当にやめましょう。安全で良いものなんだから、安全に長く使えるようにみんなでやっていきましょう、みたいなことですかね。すいません、長々話しちゃって。私が思っていることとしたら、こんなくらいですかね。

AKIさん(VapeMania)

AKIさんのHHCの見解まとめ

・販売する予定は今の所無し
(体験談記事において)
・大きな悪影響は無かった
・多少の健忘あり
・データとしてまだ少ない

AKIさん 会話ポイント抜粋:

※会話に関しては全て書き起こしでございます。

AKIさん
今日は本当にいろいろなご意見を聞かせていただきたいなっていう姿勢なんですけど、標準物質とかということについても、僕ら長くやってると思われている割にちゃんと理解してなかったなということで、野崎先生の貴重なご意見を色々聞きたいなと思ってるんですけど。海外とかだとHHCCOAの中で出されているところもあると思うんですけど、ある程度は。だからその標準物質ではなくて、検出されているものだとして判断できない物っていうことになるんですかね?

野崎先生
今のところ私がいろいろ見てきた中では、COAHHCが九十何%っていうのは絶対ないです。ごくごくたまに9R9Sですとかの、いくつといくつというのが出てきているようで、数字だけでしか見てないので、これまた信用は正直できないんですけれど。一応そのレベルで分析できるところもちらほら出てきてるのかな、たぶんっていう状況ですよね。それはそれでいわゆる液クロ。いわゆるCOAで出てくるところの、LC-MSとかとはまた違った分析の仕方をしているんですね。

液クロ(高速液体クロマトグラフ)とは? こちらの記事をご参照ください

AKIさん
なるほど。。。

野崎先生
また全然違う分析の仕方をしていて、それっていうのは本当に分子の形がこういう形をしています。っていうのを見るためのやり方っていうのがあって。NMRとか色々あるんですけれど、おそらくそれで見てるって状態なんです。ただそれにしても、数字でしか出て来てなくて、実際のスペクトル図、スペクトルっていう言い方をするんですけど、そのスペクトル図であるとかチャートであるとかが全然出てきていないので、要は数字しか出てきていないので、「それにしたって信じてええのか?」「全く信じられない。」っていうところです。

NMR(核磁気共鳴分光法)とは? こちらの記事をご参照ください。

スペクトル図(波長強度)とは? こちらの記事をご参照ください。

AKIさん
ヒドロキシ基のことについて色々調べたんですけど、ご教示いただきたいな、と思って。色々調べている中で、結構ヒドロキシヘキサヒドロカンナビノールっていう表現を、過去にはすごいたくさんしているものがあって、その辺も賜れればなって思います

野崎先生
実際、ヘキサハイドロカンナビノールの、シクロヘキサン環か。六角形のところにOHってヒドロキシ基がくっついたやつってのが、ヒドロキシヘキサハイドロカンナビノールという代物なんですけど、あそこは六角形なので割とどこにでもOHをくっつけることが出来るんですね。しかもOH1個だけならまだしも、2個つくことも理論上は可能なんですね。そのOHがくっついたやつっていうのは、何が変わってくるかって言ったら、水に対しての溶けやすさが変わるんですね。水に対しての溶けやすさが変わるということは、シンプルに血液への入りやすさとかが変わるってことでもあるんですよね。なのでその辺が混ざってきてしまうと、体への入りやすさとか、あるいは作用の仕方ってのは全く変わってきてしまう。

AKIさん
なるほど。標準物質じゃない場合にない数字、と。あとNMRとかで調べなければならないことだと思うんですけど、例えば僕ら事業者が野崎先生に、「どうやらHHCのようだ。」という形で提供するのは、その先生としてはそれが何なのかはわかんないっていう視点で、とりあえず扱えないってことなんですか?

野崎先生
そうです。私の手元にある、例えば動物試験とかであれば、要はそのCB1とかCB2とかの受容体がない動物がいるんですね。シンプルにそこに例えばどういうカンナビノイドでもいいんですけど、CBCだろうがCBGだろうがもうなんでもいいんですけれど、それを打って何か作用が出る出ないっていうのでも、シンプルにそれがCB1なのかCB2なのかというのを、ざっとスクリーンすることができるようになっているんですね。HHCはこんな話題のやつなので、「本当のとこどこに行くの?」っていうのもよくわからない状態でもあるので、やりたいっていう頭がすっごくあるんですけれど、そもそもHHCの中身がわからなかったら、どういう作用が出たとか、どういう所に行ったとかということを言ったとしても、「で、どうした?」ってなっちゃうわけですね、最終的には。なので、そこのセキュリティがちゃんとしていないと、何も言えなくなってしまうので、困ったなっていうところなんです。

AKIさん
あー、なるほどですね。じゃあ非常に難しいですね。本当に。

野崎先生
そうなんです。

AKIさん
法律的な部分で、弁護士の方も聞いているんで、その点どうなのかな?と思うんですけど。標準物質じゃないからこそ入ってしまう、みたいなこともあるのかなっていうのは、さっきのお話を聞いて思ったりもしたんですね。ただ、COAを今見る限り、たぶんCBDとして入ってきているっていうのも、まあポイントにはなってると思うんですけど。実際僕らなんかももし扱うんであれば、先ほどのもなさんのようにケアに使えるような形での販売ができるんだったら、それは歓迎すべきことだと思ったんですけど。僕らも正直本当はHHCに限らずですけれども、CBDとかCBGとか、いろんな国から仕入れてる方はわかると思うんですけど、やっぱり質が全然違うんですよね。場所によっても、物によっても。でもCOAは全く同じもの、というかほぼ変わらないものが来るので。あの品質の部分っていうのは、本当に非常に重要ではあるなと思う反面、やっぱり役立つのであれば、役立つように扱える人がいてもいいのかな、というのもあって。今その取り扱いについて、すぐ扱おうという感じにはならないんですけど。ただ僕らがやらなくても誰かがやっておられるという状況が、すごいスピードで進んではいるので、どうすべきかっていうことについては、今のところ見えないところというのが、複雑な気持ちです。野崎先生のようにお詳しい方がいらっしゃるというのは、非常にラッキーだなぁと思うんですね。研究分野の方から発信してもらえるというのは、すごくありがたいことだと思うので。

柴田さん(ワンインチ社)

柴田さんのHHC見解まとめ:

・医療目的として必要な方にはHHCに関わらず必要
・薬理効果の歴史を踏まえエビデンスが揃っているTHCの知見を早めるべき
・医療の研究が実現できれば医療で使っていけたら良い
・法改正の局面でHHCによる何かしらの事故発生を危惧
・CBDを同時に規制対象にされる可能性を危惧
・研究ができるような体制が必要

柴田さん 会話ポイント抜粋:

※会話に関しては全て書き起こしでございます。

柴田さん
法律的な面で行くと、THCが具体的には法律で規制されているとは厳密には言えないんですが、部位規制なので。なので微妙なんですが。とはいえTHCは一応規制されているという前提において行くと、それに一応効果として近しいHHCが、合法というところで流行っているんだろうというところはあります。で、安全性に関しては野崎先生のおっしゃった通りで、そこでの研究というものがきちんと進んでいない、とか、まだまだですっていう状況があるので。そういった面において、果たして本当に使えるのかみたいなところがあって。例えば化学式が似ていても、これはCBDではないですが、キラリティーっていうそういうものもあって、本当に同じような効果になるのかっていうところっていうのは、きちんとした研究と安全性というものが確立された上で使っていただきたいというのが、法的な面と安全性の面です。

キラリティーとは? こちらの記事をご参照ください。

古賀
なるほど

柴田さん
あとはそうですね、議員連盟とか法改正側の立場、そこでのポジショントーク的に言うと今回HHCTHCに非常に似ているというところで、おそらく厚生労働省側は、これに関しては注視していると思います。どうなるかというところを、すごく見ていると思っています。法改正というところがセンシティブな状況で、すごく重要な局面に来ているっていうふうに自分では認識していて、その中において、先ほどベイプマニアのアキさんが言っていた通り、もちろん私も事故がそれによってバンバン起きて、起きないであろうと。それTHCにおいても、アメリカでTHCを使って何か大変なことが起こったって、そんなにないので。大きな問題は起こらないと思っているんですけれども。

古賀
THCでもそんな事故はないですしね。

柴田さん
とはいえ、捜査側とか厚生労働省の麻取側っていうのは、それを理由にしたいという意図というのがあって、全然関係の無いところで、睡眠薬であったり、他のもので入院して運ばれたとしても、血中はかってみたらTHCが何らか検出された。そこで調べてみたら、HHCだった。みたいな形で、非常に論理飛躍みたいな形で、HHCを原因にしてくるだろうと。そうなった場合、規制対象になる可能性というのがあって、その中で一番怖いのは、CBDからHHCに合成できます、THCに合成でできます、みたいな形で、そういったことが可能なのであれば、CBDも一緒に規制しちゃいましょう、全体的にめんどくさいからもうやめにしましょう、というので、今回の大麻取締法の法改正において、その成分規制みたいなところがまた白紙に戻ってしまうのが、全体にとって、あと未来にとってよろしくないのではないかなという考えです。THCに関しては、研究は進んでいますが、HHCとか他のレアカンナビノイドに関しては野崎先生がおっしゃる通りで、もう研究をまずしましょう。そこでちゃんと安全性を確立しましょう。日本がそれを先にして。日本の強みって、レアカンナビノイドって海外ではそんなに注視されてないので、そこを先んじて日本がやっちゃって。研究としてもかなり色々わかってきて。日本の中で安全性が保てたものに関しては、まずは医療から進めていって、そこから徐々に色々わかってきたら、一般の方に流していきましょう、みたいな流れができれば。そもそもTHCが本当に必要な人にきちんと渡るという状況が、最も望ましい方向なのではないかなと。

古賀
必要な方はいますよね。

柴田さん
現状のHHCがこのように言われている状況というのは、私はビジネスサイドから見ると、すごく商魂たくましいというか、良い事なんではないかなというところも、1側面的には思いつつ。日本ってなんでもそうなんですけど。facebookとか、アメリカのそういうスタートアップみたいに、まずはやったことのない、世の中にないものはまずアメリカはいったんやってみて、世の中で受けてきたらそこから法改正をしようみたいな流れがあるんですけど、日本はそもそも国の体制として、そういうカルチャーとかボトムから法律を変えていこうみたいな事ってなったことがないので。基本的にはもうほぼ全て規制されていくという状況にあると思うので、そこはちゃんとトップダウンで、政治から法から、そして研究っていうところから進めていくというのが、道筋なのではないかなというふうに私は考えます。すみません、長くなっちゃいました。

古賀
なるほど、分かりました。柴田君は意外ともう「HHCなんて。」ってなってるのかなって想像してたんで、話を聞いたら、否定するばかりのもんでもないんだな、とちょっとびっくりだったんですけど。でもそういった捜査当局側に恣意的に使われるかもしれないみたいなことを危惧してるっていうところですよね。

柴田さん
そうですね。恣意的にHHCが悪者にされ、そこからTHC、そこからCBDという、カンナビノイド全体をNGにしてしまうという流れを非常に危惧していて、その可能性は0%ではないのはもう明らかなんですが。1%以上、かなり多くの割合、過半数を超える割合ではないと思いつつも、シナリオとしては国がよくやってきそうなシナリオだなと思っていて、そこはすごく危惧しています。

古賀
なるほどわかりました。これあとで話そうかなと思ったんですけど、柴田君の話が結構バーンと煮詰まった所まで行ったんで、柴田君の個人的な見解としては、じゃあ流通が始まったこのHHCに関して、どういった形で流通するのが望ましいと考えます?

柴田さん
望ましいのは、とにかく法改正を急ぎ、THCは一般では認められませんが、医療では三角になってたはず。これは厚生労働省の有識者会議においてですね。なのでTHCの方を医療できちんとサティベックスもエビディオレックスも含めですね、きちんと認めていって知見をとにかく早める。それで必要な方にTHCも含めて早く使えるような状態というのを作る。

古賀
THCに関しては?

柴田さん
THCもHHCも、私の中では差別化は。もちろん成分は違うんですが、現状の中ではそこは同じように必要なのであれば、まず医療の研究ベースで行なって大丈夫で、臨床で大丈夫なのであれば、医療で使っていけたらいいなと思っています。

古賀
なるほど。治験と法整備がありきでっていうことですね。

柴田さん
そうですね。

チル兄(坪井さん、C&H社)

チル兄さんのHHC見解まとめ:

・安全性を保証できるエビデンスがないため、今のところ販売はしない
・安全性を担保するための投資が必要
・カナダのディスペンサリースタッフもほぼ誰も知らなかった

※会話に関しては全て書き起こしでございます。

古賀
ホームページで出してた記事は結構バシっとかための意見だなという印象だったんですけど、HHCが入ってきて流通が始まったということに対して、どんな風な見解をもっています?

(※こちらに記事について話してます:チル兄の回答

チル兄
一応あそこに書いた見解が全てではありますが、弊社は顧客にとってチルなものを提供する、それだけしかしてないです。それでそのチルなものとは何かというと、ちゃんと実用的なものかつ安全性のある製品を製造して販売するというのが、1事業者としてやるべきことだと思っているので。なので、今回野崎さんの話だったりとかもありましたけど、弊社HHCに関しての知見自体が全然正直なくてですね。皆さん僕も同じ気持ちで、今回はどういった形でされているんだろうとか、理解されてるんだろうっていうところを聞きたくてきました。

古賀
なるほど

チル兄
基本的にうちはあくまで、安全性を担保するために、弊社のすべての製品は自社のGCMSで買った研究で行ったりとか、あとHPLCを今後は導入しつつ、自社での検査のだけでなく、他社に対しての検査サービスを始めさせていただいて、それで日本市場の安全性みたいなところを担保できればいいのかなっていうのがうちの思っていることです。そんな感じですかね、はい。

GCMS(ガスクロマトグラフィー)とは? こちらの記事をご参照ください。

古賀
先ほどの野崎先生の話も鑑みて考えるに、今のところチル兄のところではHHCは安全が担保されない限りは、扱う予定はない感じですかね?

チル兄
そうですね。論文を探したりとかもしたんですけど。日本臨床カンナビノイド学会の方もHHCの記事を書かれていて、それも全て読ませてもらったんですけど、まだ販売するに値するほどのエビデンスにはなってなかったっていうのが、僕の1事業者の現判断でしかないんですけどっていう形です。

古賀
なるほどですねー。ではチル兄が使うとしたら、じゃあやっぱりそこはHHCの標準資料みたいなものが出てきて、ちゃんとHHCというものはこういうものですよというのが決まったっていうところからって感じですかね?

チル兄
そうですね。まずエビデンスのとれたものから着手していくっていう、それが現状日本だとCBDというものがあるので、その製品を作らせていただいているっていう感じですね、はい。

前編を終えて

前編においては、研究者、利用者、メディア、非販売事業者の方々のご意見でしたが、いかがでしたでしょうか。一言でまとめると、「エビデンス不足」ですね。柴田さんの話が印象的だったのが、「アメリカはとりあえず使ってみて、良かったら研究しよう。利用者ファーストの風土があるけど、日本には見当たらない」という意見だった。これは本当に的は得ており、良い意味で言えば「石橋を。。。」なのだが、もはや、「叩かない選択」が無い国、つまり、「チャレンジしない国」になってしまったように思える。マジックマッシュルームの医療利用なんて何年先になるか分からない。

ただ、HHCの現場はかなり蠢いてます。あれから約1ヶ月経ちましたが、おそらく「エビデンス」が揃ったかどうかも一部では不明な状況でありながらも、Twitter上での盛り上がりは毎日エスカレートしています。

つまり、HHC製品が売れに売れている。

一方、その側面ではCBD議連内でのHHCの言及、そして、厚労省側の規制もどうなるかなど、未来を予測できる者は誰一人いないような状態。次号、後編がアップされる頃、また、ネット上のどこかで新たな情報がアップデートされていると思われるが、記事のアップが早いか、それとも。。。

次号は、販売事業者さんのチラクシーさんやHubbleBubbleさんのご意見や、あさやけの白坂さん、作家の長吉さん、そして、飛び入りで参加された正高先生の言及に続きます。

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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