2021年11月、コロナウイルス、カンナビス共に規制やマーケットなどがめまぐるしく変動する中、遂にコロナウイルス以降初となる世界最大級のカンナビスのエキスポ、「カンナフェスト2021」
( CANNAFEST 2021 )が開催されました。
今回はCBDライブラリーさんとのコラボ記事で、この記事はCANNAFEST 2021 [前編]で掲載している記事の後半になります。前半ではCBD関連メーカーを取材してきました。後半ではヘンプ産業を支えるその他のブランドを見ていきましょう。それでは続けていきましょう。
ヘンプ関連メーカー
スペインでトップのテルペンメーカー CALI TERPENES。大麻に似せた匂いをレモンやラベンダーなどから作ったボタニカルテルペン。アロマはヘンプコスメ、ベイプリキッドなど全ての製品の香りだけではなくアントラージュ効果を高めてくれる。(スペイン)
毎年この場所で麻とナチュラルな生活を目指したオーガニック食品などを提供するZelena Zeme(チェコ)
毎年ヘンプシード入りのチーズを提供してくれるKOPAC(チェコ)
ビールにこだわるチェコ人が作った麻を漬けたビール、BIOHEMP(チェコ)
HempTODAY JAPANが正規代理店を務めるチェコのヘンプシューズブランドBOHEMPIA(チェコ)
その他CBDコーヒーやアクセサリーなどのブースもある。
麻の種(THC)
今回のCANNAFEST2021で最も目立ったのはやはり種ブランドです。チェコの巣篭もりグローワーを刺激するハイブリッドの品種が何百種類と販売されています。
マリファナ本場のアムステルダムからはカリスマ的ブランドのGreenHouseが登場(オランダ)
こちらはアムステルダム大手ハイブリッド種ブランド、SENSI SEEDS。メニュー表にはTHCやCBD、インディカやサティバの比率が表記されている。(オランダ)
種の卸ブランドALICE SEEDS(チェコ)
BUDDA SEEDS(スペイン)
ROYAL QUEEN SEEDS()
栽培グッズ、ライト、換気器具
季節や時間を問わず、人工的LEDライトで育てるキットの多種多様さにはとても驚きました。
LEDライトのレッド、ホワイト、グリーンなどで植物に与える栄養素が違う。
一日8時間としても、LEDライトの電気代は毎月かなりかかる。
トレーラーの中でインドアグローイング
鼻を突くフレッシュな植物の匂いを、いかに失くして換気口から出せるかは、フィルターの質にかかっている。
栽培グッズ、土、栄養剤
栽培グッズ、トリミング器具
教育関係
出版物や大麻についての運動などのアクティビティも欧州ではよく見かけることができます。
チェコのヘンプ情報誌KONOPI(チェコ)
チェコの大麻合法化を希望する情報誌LEGALIZACE(チェコ)
著名人のヘンプや現代社会に対する格言などが書かれている。
ヘンプについての会議、シンポジウムが毎年行われている。時間で次々に有識者のプレゼンが聞けることはとても勉強になる。
英語やチェコ語で同時通訳。
子供は託児場に預けて親はフェスを楽しめるのは有り難い。
今年の傾向
グローワー、スモーカー関連のブランドの出展が普段は3~5割ですが、今年は6~7割という比率に変わっていました。個人栽培、趣向品としてマリファナを楽しむ人をターゲットにしていることが伺えます。
理由としてあげられる3つの理由は、
1:チェコは大麻フレンドリー。個人の趣向品として5株までは栽培オッケー(厳密には栽培ではなく“生えてしまっていること”はしょうがない、という考え)。使用もイリーガルだけどクリミナルではない。しかし15g以上のTHC0.3%以上の大麻の所持は問題。)
2:コロナ以降、ステイホームで個人グローワーが増えたこと。
3:カンナビスライト(0.2%~1.0%THCの商品の承認)の人気。
これはまさに“草の根民主主義”(「草の根」の一般市民一人一人が積極的に政治に参加すること、またはそのような政治形態。)が現代の社会状況の写し鏡として捉えているのかもしれません。
小規模ブランドの出展減少
例えばチェコの田舎のおばあちゃんが作ったようなオーガニック商品や手作りの麻製品、ヘンプクリートなどに見られる“自然と麻の文化”などを感じるブランドには少し荷が重い年として捉えたように感じます。さらに、アメリカやカナダなどの大陸を跨ぐ会社も極めて少なかったです。
初マスクなしイベント
まずびっくりすることは「誰もマスクをしていない」ということです。マスク規制も度々変わる中、なんと千人規模のイベントでマスクを見ないことは個人的にはコロナが始まってから初のイベントとなりました。
大型イベント
敷地規模としてはコロナ前の6割ほどの大きさになっていました。しかしそれでも2週間前に行ったメリージェーンベルリン2021の2~3倍の大きさはあります。出展数の減少もあるのか、道幅が広く感じることはコロナ下においては良いことであります。
MADE IN EU
国別でブランドを紹介してきましたが、実は大手の場合は種、栽培、生成、パッケージ、保管場所がヨーロッパ内の何カ国かに跨いでのプロセスを行う会社が多くあります。これはEUやシェンゲン協定ができてから、よりEU内を簡単にビジネスが行えることになりました。
小さい国がひしめく欧州では、数時間車で走れば隣の国に行け、マテリアル、品質、コストなどそれぞれに最適な会社を違う国から選べるという利点があります。
また、例えばスロバキアではヘンプ農耕はいいけれど、精製することが許されていなかったりする場合には隣のチェコで行うなど、法や規制と常に隣り合わせにあるヘンプ企業達は、様々なアイデアを駆使して日々仕事を行なっています。
そのようなことから、今やヨーロッパでは「MADE IN EU」と表記されている製品は多く見られます。
まとめ
今回遂に開催されたカンナフェス2021。3日間、数百のブランドの製品を見て回りました。コロナ前と状況は変わったものの、ヘンプ産業の最前線を見せてくれるカンナフェスに感謝したいと思います。