画像:Miloš Zemanチェコ共和国大統領
国の薬物乱用規制の対象外に
チェコのMiloš Zeman大統領は、産業用ヘンプに含まれるTHCの上限を1.0%に設定し、完成後のヘンプ製品に含まれるTHCに関する規制を大幅に緩和する法案に署名する予定だと伝えました。
チェコの下院議会は今週、制限値の再設定を求めた上院の反対議員たちの要求を退け、医療用大麻の利用性を向上させ、医療用大麻の栽培免許の取得を容易にする修正案を可決しました。
また、圃場でのヘンプのTHC上限を1.0%に設定することに加えて、THCが1.0%未満のヘンプ製品は中毒性物質とはみなされず、国の薬物乱用規制の対象外となります。
これにより、新たな基準を満たしたエキスやチンキなどの製品は、チェコ国内の小売店で自由に購入できるようになります。
EU基準を超えて大きなアドバンテージを
チェコ共和国が産業用ヘンプのTHC含有量の上限を1.0%に設定した場合、昨年末にTHC上限を0.2%から0.3%に再設定し、2023年から施行される予定のEUの方針と齟齬が生じることになります。
しかし国際的には、1990年代にヘンプ産業が復活して以来、世界的に認められている0.3%という目安を超えて、THC1.0%を国家基準とする国も出てきています。
ヨーロッパの大部分のヘンプはTHCが0.2%未満になるように品種改良されてはいますが、気候などの条件によってはTHC規制値を超える「ホット」と呼ばれる状態になる可能性があるヘンプ栽培において、チェコの農家はその5倍もの規制値で栽培が可能となり、かなりの余裕を持つことができます。
この改正法案で、患者の利用性も向上
さらに重要なことは、ヘンプ内のCBDの含有量はTHC含有量に比例して増加するため、抽出のプロセスがより効率的になるということです。これにより、チェコの生産者はヨーロッパの競合他社よりも決定的に有利になります。
チェコの革新系政党・海賊党は、ウェブサイトに掲載した声明の中で、「これは、独断や偏見にとらわれない現実的な措置である」と述べています。
チェコ共和国の中毒性物質に関する法律の改正案が議論される中で、THC制限値の引き上げなどの改正案を提出したのが海賊党でした。
この改正案は、下院での主な支持者であるCzecHempに代表される様々な関係者や専門家の意見を取り入れて作成されました。
改正法の下では、複数の認可された民間団体が医療用大麻製品の製造を認可されることになります。賛成派はこの変更により、市場競争による製品の利用性の向上と多様性が拡大し、患者への価格低下が期待できるとしています。
引用元;https://hemptoday.net/czech-president-expected-to-sign-law-raising-thc-limit-to-1-0/