ヘンプ産業で経済にテコ入れ
フィジーの司法長官兼経済大臣のAiyaz Sayed-Khaiyum氏は、フィジー政府の議会で、大麻草の中でもヘンプだけを使用する方針を示しました。
政府は、2021年から2022年の予算で、フィジー諸島全体でヘンプを農作物として開発することを目的とした研究をすでに開始していると述べました。
Sayed-Khaiyum氏によると、この戦略には、高THCの趣向用大麻や医療用大麻の栽培は含まれていません。むしろ、ロープなどのヘンプの繊維や食用のヘンプシードから製品を生産することに重点を置いています。
違法ではあるが普及している現状
フィジー政府は、急速に増加している違法なマリファナの取引に代わるものとして、ヘンプ産業を発展させたいと考えているとSayed-Khaiyum氏は述べています。
2020年にフィジー警察が押収したマリファナは、推定末端価格で3億2,100万ドル(約353億円)以上に上り、2018年の6800万ドルから増加しています。
大臣は、フィジーが産業用ヘンププログラムのための法律を制定するにあたり、UNODC(国連薬物犯罪事務所)および、FAO(国連食糧農業機関)からの助言を求めると述べました。
フィジー諸島で産業用ヘンプ製品の生産を可能にするためには、フィジー共和国の厳格な違法薬物管理法を改正する必要があります。
Sayed-Khaiyum氏は、「産業用ヘンプを植えるのに最も適した場所はどこか、いつ植えるべきか、などを見極めるためには、実際の市場や、誰が買うのか、どこで売るのか、また気候や土壌の条件などをリサーチする必要があります」とフィジー・タイムズ紙に語りました。
観光業依存からの脱却
フィジーの農務省、地元機関、他さまざまな国際機関にも相談し、製造施設の開発や投資誘致の可能性を各民間部門に探ってもらう必要がある、とSaided-Khaiyum氏は述べています。
フィジー政府は、GDPの約40%を占める観光業への依存から脱却するためには、農業部門の拡大が必要だとしています。この過剰な依存状態からの脱却は、コロナウイルスパンデミックで決定的になったと言います。
フィジーの農業経済は、香辛料、ナッツ、果物、野菜など様々な作物で成り立っています。最近では、南太平洋地域でハーブの様なストレス緩和に用いられる植物「カバ」の栽培にも成功しています。
引用元;https://hemptoday.net/fiji-government-says-it-will-pursue-hemp-only-cannabis-strategy/