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モンゴルの使命:アジアの“ヘンプ回廊”を描く

モンゴルの使命:アジアの“ヘンプ回廊”を描く

子供の頃、Anar Arturはモンゴルの草原を歩き回り、その風景や自然に魅了され、その気持ちは大人になった今も変わりません。そして、2013年に出かけた釣り旅行が、彼のキャリアを転向させた理由でした。

「私たちはヘンプに出会い、それが全てを変えたのです。」と、HempMongolia LLCの創設者であるAnar氏は語り出しました。

ヘンプについて研究し、その多くの潜在的な用途に気付いた後、Anar氏はヘンプに注力する為に、当時勤めていたマーケティングサービス会社を退職。 「人にだけでなく環境にも利益をもたらす革命的な、そして自分を捧げる価値のある完璧なプロジェクトを見つけたと確信しました」と、彼は自らに起きた人生の変化について語ります。

Anar氏はのちに、兄弟のTungalag Tamirと友人Munkhbayar Nyam-Ochirと共に、Hemp Mongoliaを設立し、垂直統合型ヘンプ企業へと成長させるべく取り組んでいます。このプロジェクトは、農業とハイテクファイナンス戦略を組み合わせ、モンゴルで古代の作物を復活させることを目標としています。

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重要なマイルストーン

3年間の作業の後、同社は今年初めに重要な節目を迎えました。モンゴル政府からヘンプの栽培、輸出、そして多様な製品ラインに加工する為の認可を受けたのです。また同社は、ヘンプ栽培のために20,000ヘクタールの賃貸契約を締結している、とAnar氏は述べました。

この計画には、Etheriumブロックチェーンの「エコ投資」商品であるHempTokenが重要です。 HempMongoliaのCTOであり、同社の戦略であるブロックチェーン部門の原動力であるTungalag氏は、「Blockchain技術は、国際貿易バリューチェーンに新しいレベルの効率性と責任をもたらしています。」と語ります。彼は2009年以来、暗号通貨とブロックチェーンの発展を注視しており、且つオンラインマーケティングの天才である、とAnar氏は言います。

エンジェル投資家を探して

リサーチ及び事業計画の段階から、投資家の探索へと駒を進めるにあたり、農務官僚や農業関係者、そして専門家との緊密な関係が、同社が迅速かつ安価に動くことを後押ししました。

同社は、30%を民間投資家に提供するとしています。3年以内に、何と80%の収益が見込まれているという、彼らの野心的な構想に火をつけるエンジェル投資家を見つけるため、利害関係者との会合を続けています。最初の資金調達が確保された後、さらに20%を調達するHempTokenクラウドファンディングが開始される予定です。

同社の全体的な戦略を指揮し、パートナー探しをリードしているMunkhbayar最高執行責任者(COO)は、「主要な輸出国になるためには、潤沢な資本と先進技術の構築が必要」と述べました。彼は、Hemp Mongolia社がヘンプ食品や飼料、その他の付加価値のある副産物の地域サプライヤーに発展していくと見ています。

Anar氏は、「これまでモンゴル政府は、国家的鉱業ブームに焦点を当てていたため、農業分野は、なおざりにされてきました。この長年にわたる慣習を脱し、ついに政府は農業の戦略計画の策定に着手している」と指摘します。「一次産品部門に依存した経済成長モデルが、長期的な富の創造という目標を達成できないことを、政府が理解したのです」と、同代表は述べました。

変わりゆく政策

持続可能な発展やイノベーション、及び新技術に焦点を当てて、拡大可能な雇用を創出し、国の経済を多様化することを目指す新しい政策は、公共財政プログラムを推進しており、農業分野に勢いを与えている、とAnar氏は語ります。

「ヘンプは、その戦略に完全に適合しています。その発芽の早さと強い成長力が、モンゴルの短い夏の植生期間と比較的乾燥した気候に耐える上で最適な作物なのです。」

また、エンジニアリングと農業のノウハウが急速な発展段階にある中、Hemp Mongolia社は、歴史的に強力な教育制度から生まれた豊かな人材を活用できると言います。

国際貿易回廊

彼らは、健康製品、繊維、建材、食品や化粧品など、ヘンプの多岐にわたる用途を普及させ、それらを提供する可能性を提示し、関連業界の起業家の参入を促しています。モンゴルは、アジアの地理的中心に位置し、ヨーロッパとアジアの経済を橋渡しする国際貿易回廊となると見ており、税制優遇措置、安価な労働力、そして安い土地賃貸料を投資のインセンティブとして指摘しています。

「我々は投資家を誘致するモデルを構築する事で生産を加速し、それによってモンゴルが中央アジアで最も先進的な農業経済を発展させる一助となりたいのです。」とAnar氏は語ります。

HEMP TODAY 2018年6月18日)

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

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