ドイツ・ケルンで18年6月12日から13日の2日間に渡って、第15回目のEIHA国際会議が行われた。この国際会議は、産業用ヘンプに関する研究者や企業家が世界中から集まるが、今年は過去最多の340人、41か国の参加であった。会議では、国別報告、農業、加工機械、食品、衣服、建築、CBD(医薬)の7分野31課題の発表が行われた。
会場には、商談コーナーや21の企業・団体による展示ブースがあり、各種ヘンプ製品のサンプルのお持ち帰りだけでなく、お土産としてその場で商品の購入もできた。
EUでは、1993年から栽培解禁されてから最大の42500ヘクタール(2017年)の作付面積となった。カナダも過去最大の56000ヘクタール(2017年)の作付面積となった。どちらもスーパーフードであるヘンプ食品の需要が伸びたことが面積拡大の要因となった。アメリカも2014年から始まった試験栽培を可能としたヘンプ農業法によって、7900ヘクタール(2017年)まで拡大した。
今年の目玉は、第15回目にして初めてヘンプ・イノベーション賞を設けたことである。エントリーした90商品のうち、衣料・複合素材部門、化粧品部門、食品部門の3部門からそれぞれ3商品、合計9商品について、各10分間のプレゼンテーションがあり、参加者の投票で第1位を決めた。その結果、衣料・複合素材部門では、ベルギーのヘンプ素材のボティの電動スクーター、化粧品部門では、ルーマニアのQUNABUコスメ商品、食品部門では、デンマークのヘンプの根からつくったスピリット(蒸留酒)がそれぞれ受賞した。
日本からは、2015年から国内で唯一のEIHA準会員となっている一般社団法人北海道ヘンプ協会(HIHA)の菊地治己代表理事ら協会会員3名が参加した。
菊地代表は「2015年から4回連続で参加しているが、年々会議の規模が大きくなっており、ヘンプ産業の世界的な発展を実感しています。産業用ヘンプに関する国際的にたいへん貴重な情報交換の場なので、実際に参加することで大きな刺激を受けます。今回は、閉鎖的な日本のヘンプ市場の拡大策について関係国と意見交換を行うことができました」と会議参加の意義を述べていた。
HIHAでは、過去に参加したEIHA国際会議の発表内容のダイジェスト版を報告書という形でまとめているが、今回も、ヘンプ・イノベーション賞の内容も含めて、報告書を発行する予定である。
関連リンク
第15回EIHA国際会議
http://eiha-conference.org/home
北海道ヘンプ協会