豪州・NZ、世界ヘンプ産業の新たな有力拠点へ
オーストラリアとニュージーランドが、急成長する世界のヘンプ経済において有力プレーヤーとして台頭する可能性を示す特別レポートが、今年11月に発表される予定だ。
「オーストラリア&ニュージーランド・ヘンプレポート」は、同地域の産業用ヘンプ分野の急速な発展状況を、明確かつデータに基づいた形で提示するものになるという。発行元となるのは、豪州産業ヘンプ協議会(AHC)。
国家の物語を「統合」し、「高める」機会
「これは、産業用ヘンプに関する国家的な物語を統合し、高める絶好の機会です」
こう語るのは、AHCの事務局長兼財務担当のバーナード・トムソン氏だ。
同氏は「私たちの地域の産業ヘンプ分野は勢いを増しているが、資本、政策支援、国際的パートナーシップを呼び込むには、一貫したメッセージと可視性が不可欠。このプロジェクトは、そのための土台を提供します」と述べた。
国際発信を見据えた発行体制
レポートは2025年11月に発表予定で、AHCとHempTodayが出版契約を結び、編集・デザイン・制作をHempTodayが統括する。さらに、米国のCanna Markets Groupの協力のもと、世界的なプロモーションと配布も行われる。
戦略的ツールとしての役割
このレポートは、国内での認知度向上と国際的な関係構築を目的とした戦略的ツールとして設計されている。内容には、独自のステークホルダー調査結果、投資・インフラの分析、国・地域別の産業プロファイル、規制動向、繊維・食品・カンナビノイドなど主要分野の最新情報が含まれる。
「この地域には特に再生型農業、繊維加工、気候適合型イノベーションの分野で、まだ開拓されていない大きな可能性があります」とHempToday編集長兼発行人のKehrt Reyherは語る。
同氏はさらに「業界内からの直接的なフィードバック、背景情報、信頼できる情報源を組み合わせて示したい」と述べた。
地域連携と国家戦略へ
AHCは、この取り組みが、州ごとに存在する豪州のヘンプ団体を連携させ、産業用ヘンプ生産者・加工業者・主要関係者を支援し、より強固な地域協力と明確な国家戦略の基盤を築くという協議会の広範な使命を反映していると強調している。
編集部あとがき
今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。
1. 国家規模の産業戦略を構築する好機
オーストラリアとニュージーランドの産業ヘンプ業界は急成長しており、国家的な物語を統合し国際的な地位を高める絶好のタイミングにある。
2. 国際市場を視野に入れた発信体制
HempTodayや米国パートナーのCanna Markets Groupが、世界規模でプロモーションを展開し、海外からの投資や協業を促す。
3. 分野別の強みと未開拓の可能性
再生型農業、繊維加工、気候適合型イノベーションなど、世界的にも需要の高い分野で大きな伸びしろがある。
4. 地域連携が国家戦略の基盤に
州単位の団体をまとめ、業界全体での協力体制を強化することで、政策支援や市場拡大につなげる土台を築く。