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新刊案内:地域資源を活かす 生活工芸双書 大麻(あさ)

画像新刊案内:地域資源を活かす 生活工芸双書 大麻(あさ)

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農業専門の出版社「農文協」とは?

農文協とは、1940年に創立した農業、健康、教育などの分野の書籍・雑誌・DVDの編集・発行を手掛ける出版社です。正式名称を一般社団法人農山漁村文化協会、略して農文協と呼ばれています。

月刊誌に「現代農業」、季刊誌に地域活性化の最前線を知る「季刊地域」、食べ事系雑誌「うたかま」などがあり、日本農書全集(全72巻)、日本の食生活全集(全50巻)、世界の食文化(全21巻)などの全集シリーズ、農業技術大系「野菜編(全12巻13分冊)、畜産編(全8巻9分冊)、土壌施肥編(全8巻11分冊) 、果樹編(全8巻9分冊) 、作物編(全8巻9分冊) 、花卉編(全12巻)」、あらゆる農作物の栽培絵本『そだててあそぼう』シリーズ(既巻105巻)、農業高校の教科書シリーズなど、絵本から専門書まで様々な本を出版しています。

大麻(あさ)の本は、農文協の生活工芸双書シリーズの1つとして扱われています。生活工芸双書には、大麻(あさ)の他には、棉(わた)、竹(たけ)、萱(かや)、苧(からむし)、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)、漆(うるし)、桐(きり)、藍(あい)の全9巻あります。

大麻(あさ)は、縄文時代から現代まで人々の生活に密着してきた農作物であったことからこのシリーズで扱うのに相応しいといえそうです。

日本各地の大麻産地の様子が明らかに

1948年の大麻取締法制定、化学繊維の普及に伴う需要減、マリファナの取締という中で、令和の時代に、全国でわずか10ヘクタール未満で、30名弱しか栽培者いない状況ではかつて日本の主要な農作物の1つであったことはほとんど知られていません。

本書では、栃木県立博物館の学芸員が長年調査してきた江戸時代の農業書の資料をベースに日本各地の大麻産地の様子を紹介しています。

・日本一のアサの生産地 栃木県(野州麻)

・屯田兵の生活を支えたアサ栽培 北海道

・東北地方北部のアサ文化 青森県・岩手県

・現代に伝わる麻織物 宮城県

・農書に見る江戸時代のアサ栽培 福島県 

・上質な糸を生み出す岩島麻 群馬県

・『和漢三才図会』に登場する甲州の白苧 山梨県

・丈夫な糸を目指して 信州のアサ作り 長野県

・栃木県に次ぐアサの生産地 岐阜県

・良質な上布を生み出す近江のアサ 滋賀県

・日本海の麻織物文化 日本海沿岸の各県

・西日本が誇るアサの生産地 広島県・島根県

・日本のアサの起源か 徳島県

・文化財を守る大分のアサ 大分県

・南九州地方のアサ作り 宮崎県、鹿児島県 熊本県

また、大麻(あさ)の栃木県における伝統的な栽培方法や、下駄の鼻緒の芯縄/綱・ロープ/凧糸/漁網

・釣糸/織物/横綱/神仏具・縁起物/建築材/懐炉灰/祭礼/麻種/麻の葉/などの利用方法についても紹介しています。

大麻博物館では、麻の葉模様に関する写真など提供

当博物館は、ちょうど2019年2月に「麻の葉模様ーなぜ、このデザインは八〇〇年もの間、日本人の感性に訴え続けているのか?」という書籍を発行したばかりのときに、農文協編集部からお声をかけていただいたので、麻の葉模様に関する写真を提供しました。

カラーの口絵に、800年前の鎌倉時代の仏像、産着、歌舞伎の衣装、麻の葉模様本、葛飾北斎の浮世絵、建具、郵便切手、スカイツリーの天井、大麻畑の上からの写真を1ページをつかって紹介しています。また、本カバーの見返り部分にも、麻の葉模様を紹介してもらいました。

日本人の暮らしを支えた植物「大麻(あさ)」を見直すのに適した本です。大麻(あさ)と日本の歴史文化について興味のある方はぜひこの本を手にとって、じっくりと読んでほしいです。

購入先

地域資源を活かす 生活工芸双書 大麻(あさ)

価格:3,240円 (税込)

B5サイズ、全152ページ

2019年5月25日発行

http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54017114/

大麻博物館

2001年に栃木那須高原に開館した私設の小さな博物館です。

日本人の衣食住を支え続けてきた「農作物としての大麻」をテーマに様々な情報発信を行う他、

各地で講演や麻糸づくりワークショップを開催しています。日本民俗学会員。

http://taimahak.jp

大麻博物館ショップ

http://taimahak.theshop.jp

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AUTHORこの記事をかいた人

日本人の衣食住を支えてきた「農作物としての大麻」に関する私設の小さな博物館です。2001年、栃木那須に開館。水・木定休。著作に「大麻という農作物」「麻の葉模様」。日本民俗学会員。

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