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一層固まっていく合成嗜好用大麻製品群の排除活動、年内には全排除か!?

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どんどん排除法案が固まる方向へ

米国議会の新しい歳出法案には、規制されていない合成嗜好用大麻製品群の広範な流通を、年内にも停止させる可能性がある条項が含まれています。

この法案は、2025年の農業、米国食品医薬品局(FDA)およびその他の関連機関のための歳出をカバーしており、2018年の農業法案の抜け穴を利用して増加したデルタ-8 THCなどの酩酊性合成嗜好用大麻製品群を規制するための条項が含まれています。これらの製品は嗜好用大麻製品の代替品として市場で急成長し、グレー市場が繁栄しています。

この歳出措置は、農業、地方開発、FDAおよび関連機関のための下院歳出小委員会の会合で提出され、法案を全面的な審査に進めるための投票も行われています。この審査には、法案が下院全体で検討されるかどうかを決定する前に、最終的な討論が含まれています。

歳出措置(外部サイトへのリンク):SubcommitteeMark.pdf

ファームビルの制定を停滞させている諸悪根源

本来は2023年に策定される予定だった次期ファームビル(農業法案)は、遅れが生じており、年末か来年初めまで最終化される見込みはありません。しかし、新しく委員会から提出された歳出法案は、製品への取り締まりを加速させる可能性があります。

これは、議会が新しい会計年度が10月1日に始まる前に歳出法案に対処する強い動機を持っているためです。

問題となっている多くの酩酊性合成嗜好用大麻製品群は、ヘンプ由来のCBDを合成プロセスに通して、非常に濃縮された精神活性物質を生成することで作られています。これらの効果は、嗜好用・医療用大麻製品に含まれる一般的な酩酊性物質であるデルタ-9 THCによって引き起こされるものと類似しています。

これらの物質を含む製品は、消費者の間で「ダイエットウィード」や「マリファナライト」、「ガソリンスタンドポット」などと呼ばれており、グミや他の食用おやつの形で販売されています。

これらは、しばしば若者にアピールする明るいパッケージで販売されており、コンビニエンスストアやボデガ、ヘンプショップなど、一般的な小売店で広く利用可能です。

連邦法や規制がない中、アメリカ全土の州では、これらの製品を含む市場の取り締まりに取り組んでおり、安全性の懸念が挙げられています。嗜好用および医療用大麻業界の利害関係者は、これらのヘンプ製品が合法的な嗜好用大麻市場が負う規制や料金の負担がないため、不公平な競争を引き起こしていると主張しています。

産業用ヘンプ法律の抜け穴から生じた合成製品群

新しく歳出法案の条項には、2018年のファームビル(農業法案)におけるヘンプに関する抜け穴を塞ぐものが含まれています。

この抜け穴は、カンナビノイド抽出物を生産するために栽培された花を持つ植物と、食用穀物として栽培された作物や繊維を目的に栽培された伝統的な「産業用ヘンプ」とを区別しなかったことにあります。

過去関連記事:2023年8月18日 FDAとFTC(日本の厚労省と消費者庁に相当する組織)がデルタ8製品販売会社を警告。どのように警告したのか?アメリカ連邦法目線の今を解説。

これに対して、2018年の画期的なファームビルは、「その植物のあらゆる部分、種子およびすべての誘導体、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩、そして異性体の塩を含む」統一的で包括的な定義を設定しました。このため、合成された酩酊性物質の出現を予測できませんでした。

今後のファームビルに追加される予定の「ミラー修正案」として知られる言語に似た内容で、今回の歳出法案では、ヘンプの定義を自然に存在し、自然に由来するカンナビノイドのみに制限し、合成された酩酊性物質、たとえばデルタ-8 THC(これらの中で最も一般的な物質)やデルタ-10 THC、THC-O-アセテート、HHC、THCPなどを排除することを目指しています。

このようにして、植物の外部で合成または製造された物質は、もはや合法的なヘンプの定義には該当しなくなります。

過去関連記事:2024年5月26日 合成嗜好用大麻製品は、「全米」で一掃・排除と力強く動き出した今、どうなっていくのか

危険だ市場が価値は500億円超規模

FDA(米国食品医薬品局)は、ヘンプ由来の酩酊性合成嗜好用大麻製品群に対して繰り返し警告を発しています。これらの規制されていないためにしばしば危険な製品には有害な化学物質が含まれている可能性があり、子供やペットから遠ざけるべきだとされています。

今年初めには、20の州とコロンビア特別区のトップ法執行官が、超党派の手紙に署名し、酩酊性のヘンプ製品の広がりに対処するために、今後のファームビルで議会がこの問題に取り組むよう求めました。

彼らは、これらの製品が「公衆衛生と安全に対する重大な脅威をもたらし、規制されておらず、課税もされず、説明責任を持たない市場の関係者に利益をもたらしている」と述べています。

2019年以降、店頭販売されていたCBD抽出物が急成長し、その後急激に市場が縮小しました。この結果、在庫として残されたCBD製品を抱えた企業が、違法な酩酊性物質の製造者に販売し始め、全米で数十億ドル規模の市場が生まれました。

また、この歳出法案では、THCA(デルタ-9 THCの前駆物質)に関しても言及されており、これが燃焼するとデルタ-9に変化することに触れています。

過去関連記事:2024年7月6日 2018年のヘンプ合法化案は「大失敗だった」と、多くが認めだしたアメリカの今

編集部あとがき

注目ポイントとしては、合成嗜好用大麻製品群のその市場規模です。すでに500億円をゆうに超えていると言われている市場にどのような着眼を持ち見ていくかが大事なポイントになってきます。
当メディアでも度々書いていますが、合成嗜好用大麻製品群を完全悪だとは思っていません。でわ、何がいけないのか!?それは「流通しつづけてしまうところ」です。
合成製品の市場規模=酩酊性を求めている、あるいは酩酊性の効果が医療として享受できるユーザー数がそこにある。という数値の見える化に留まれれば大きな問題にはなりえなかったと思います。
ただし、資本主義が生き抜く術とされる現代社会では留まれるはずもなく、政府の思想とは相反してしまい、どんどん拡大が広がるばかりです。
今回の記事を以下4つのポイントに整理しましたので、ご参考ください。
1. 規制の厳格化が加速する可能性
2025年の米国予算案には、ヘンプ由来の酩酊性合成嗜好用大麻製品群を取り締まる条項が盛り込まれており、これが実現すれば、今年中にもこれらの製品の流通が大幅に制限される可能性があるとされています。特に、2018年のファームビルの抜け穴を突いて市場に広がったデルタ-8 THCなどの合成嗜好用大麻製品群が対象となっています。
2. 2018年ファームビルの抜け穴
2018年のファームビルがヘンプを広く合法化した際、これらの合成酩酊性物質の出現を予見できなかったことが指摘されています。これにより、ヘンプ由来のCBDを原料として合成された多くの酩酊性物質が「合法」として市場に流通し、消費者の健康と安全に重大なリスクをもたらしています。
3. 連邦政府の規制が欠如している間の州の対応
連邦レベルでの規制が欠如しているため、各州は独自にこれらの酩酊性ヘンプ製品を取り締まる努力を続けています。多くの州は製品を全面禁止したり、厳しい規制を課しています。これにより、合法的な医療用および嗜好用大麻市場が不公平な競争に直面していると批判されています。
4. 消費者と市場のリスク
FDAをはじめとする連邦機関は、これらの製品が健康に与えるリスクについて繰り返し警告を発しています。特に、規制が不十分なため、製品に有害な化学物質が含まれている可能性があり、子供やペットへの影響が懸念されています。市場における巨大な経済的利益がある一方で、消費者保護が追いついていない現状が浮き彫りになっています。
以上です。
酩酊性製品が求められる市場規模の把握ができた状態である今、最終的に大事なこととしては、嗜好用大麻の合法化、非犯罪化、そして、それらに巻きつく、免税、助成金、金融インフラ、雇用、ラインセス取得の緩和。
これらを整えたうえで、合成嗜好用大麻製品群よりも安価で、良質な嗜好用大麻、医療用大麻が流通可能なスキームを構築していく必要があります。
市場規模=必要としている人が多々存在する。ということをしっかりと守る必要があると、個人的には考えます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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