ヘンプ繊維処理施設に追加投資承認
テキサス州ウィチタフォールズ市の役員は、稼働予定と言われているヘンプファイバー処理運営会社、パンダ・バイオテック社に追加で約3,000万円の投資が決定しました。
市議会は工場への建設費用に充てるための追加資金を承認しました。市議会は以前、約2,200万円を支払うことに同意していましたが、パンダ社が工場設営の発表から4年間で総額約7,500万円まで費用が上昇し、追加資金を承認しました。
追加資金が必要だったのは、もともとのコスト見積もりが不正確だったためとも指摘されています。
パンダ・バイオテック社が2019年に「アメリカ合衆国で最大の工業用ヘンプ加工施設を作る」という計画を発表して以来、プロジェクトは何度もスケジュールに遅延が生じています。パンダ社の遅れは、主に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが原因だとされています。
融資、債券発行、税制優遇などの支援を受けるが
市議会はまた、2020年に市の経済開発公社(EDC)と結ばれた約4億2,000万円の奨励金協定に基づき、50人の労働者を雇用するというパンダ社の約束の延長に署名しています。
パンダ社は、約150億円以上する工場のために、融資、債券発行、税制優遇措置という形で、経済開発および市当局からの支援を受けてきました。
パンダ社は2度にわたり、約4億2,000万円のインセンティブ・パッケージの一部であった約1億5,000万円の融資を市から延長してもらいました。
ウィチタ・フォールズ・タイムズ・レコード・ニュース(外部サイトへのリンク)によると、商工会議所のロン・キッチンズ会頭は、同社はそのローンを間もなく完済する見込みであると語りました。
パンダ・バイオテック社のディクシー・カーター社長は、工場の建設と機械の設置が完了したことを議会に報告しました。
ヘンプどれくらい栽培してるの?社長「わ、わからない」
しかし、栽培するヘンプがどこから来るのか、正確には不明です。
カーター氏はHempTodayに対し、“パンダ社にとって最大のチャンスは、産業用ヘンプの作付面積を増やす機会を待ち望んでいた当地域の農家と大量契約を結ぶことだ “と語りました。
ある議員から、ウィチタフォールズから半径400km以内に何ヘクタールのヘンプが植えられているのかと尋ねられたディクシー・カーター氏は、わからないと答え、同社がおそらく結んでいると思われる契約の多くが、もっと遠方の栽培農家とのものであることを認めました。
米国農務省の全米農業統計局(NASS)によると、テキサス州の農家が2021年に収穫したヘンプはわずか400ヘクタールで、そのすべてがカンナビノイド生産用の非繊維栽培によるものです。
NASSの報告によると、2022年には州はヘンプの作付面積をまったく報告していません。ディクシー・カーター氏によると、パンダ社は、1時間に10トンもの原料を処理する能力を持つ工場に供給するために、農家にヘンプを育てるインセンティブを与える「有料栽培プログラム」を実施しているとのことです。–ウィチタフォールズタイムズレコードニュースより取材–
編集部あとがき
こちら「2024年1月23日 アメリカ最大規模のヘンプ繊維・セルロース加工施設がついに稼働か!?と思いきや。。。」の続編となります。
テキサス州ウィチタフォールズ市に拠点を置くパンダ・バイオテック社のヘンプ繊維加工プロジェクトが、市との追加の資金提供や雇用計画の延長という形でさらなる地方自治体の支援を受ける一方で、4年経過しても尚、その具体的な運営や原料調達に関してはまだ不透明な部分が多いということです。
工場の設立が大幅に遅れていること、地元のヘンプ生産の現状が不明であること、そして原料となるヘンプの調達先が不確かであることが挙げられています。
その上で、地方自治体からの金銭的支援や規制上の調整により、プロジェクトが進行中であることを示していますが、成功に向けてはまだ解決すべき課題が多いことを示唆しています。
果たして課題が多いのか、のわりに実態がともなっていない点を見ていくと、このプロジェクトの未来に暗雲がかかっているように思えます。