中国のヘンプ食品メーカーが約15億円を投資
中国のヘンプ食品製造会社は、ノースカロライナ州に新しい工場を稼働させる予定を発表しました。
Q-Power, Inc.は、ルイスバーグ、N.C.にある施設で種子ベースの製品を生産するために約15億円を投資し、さらなる投資を計画しています。
「私たちは製品を拡大し、おそらくこの工場だけでは足りなくなるでしょう」とQ-Powerの張志義会長はWRAL TV、ローリーに語りました。「次の段階として、新しい、より大きな工場を購入して拡大していきます」。
食品に始まり、繊維、衣料品、エネルギーまで視野に
Dun & Bradstreetの記録によると、創業20年以上の同社は、食品から衣料品、機械、石油、木材、金属、鉱物まで、あらゆるものを生産する中国政府所有の巨大コングロマリットの一部である。
張志義会長は、「我々はすでに中国からいくつかの製品を輸入しています。高度に自動化された第一段階の施設を運営するために20~30人の従業員を雇用し、Q-Powerは、アメリカの顧客のニーズに応えるため、アメリカでの投資と市場開拓に全力を注いでいます」。と述べました。
年間100トン出荷から1,000トン出荷へ
高度に自動化された工場は、20-30人の従業員を雇用予定(写真提供:WRAL TV)
中国のヘンプ生産者は、2023年は約100トンのヘンプの種子、合計約7,500万円相当をアメリカの顧客に出荷しました。
これは、米国農務省(USDA)の農業マーケティングサービスからの数値によるものです。
一方、アメリカ市場に出回っているほとんどのヘンプの種子やヘンプの種子由来の製品はカナダからのもので、2023年の最初の10ヶ月間で合計約3,500トン、約60億円がアメリカに販売されています。
Q-Power社は、稼働していく新施設で年間合計1000トンのヘンプの種子、オイル、プロテインを生産することを目指しています。
これまで食品ヘンプ生産がほとんどなかった
ノースカロライナ州のヘンプ農家は、2022年にヘンプを約242ヘクタール収穫しましたが、これはUSDAの全国農業統計サービスによると、その三分の二が繊維用で、残りはCBD用であり、ヘンプの穀物農業に割り当てられた畑はほとんど記録されていません。
ノースカロライナ州の当局者は、この中国からの投資を歓迎しました。
「消費者に他の代替品や選択肢をもたらす企業が来ることは良いことです」と、フランクリン郡の経済開発ディレクター、バーバラ・フィエドーはWRALに語りました。
「フランクリン郡でQ-power社が事業を開始することに興奮しています」と、フランクリン郡マネージャーのキム・デントンは述べました。
「フランクリン郡は成長を続けており、Q-Power社のような企業が繁栄するのに適した位置にあります。」
編集部あとがき
ポイントは、アメリカには、3,500トン/以上を年間で消化できる市場がすでにあるという点、そこに「スマート農業」が掛け算となって加わり、さらなる市場拡大を見据えた巨大投資となるのですが、自国中国ではアメリカほどの消費需要が見えないという点からも、バブルが崩壊して腐ってもアメリカ、ヘンプ食品繊維市場の規模は巨大です。
グリーンラッシュでのバブル崩壊から、次の手として重い腰を上げて動き出しているのが食品や繊維、建材を注力したヘンプ産業の再構築方面なのですが、新農業法案への規則追加においても飼料などの見直し法案も含まれており、それらが制定されれば、さらに活況になっていくことが予想されます。
というより、この「ヘンプ食品繊維建材脱炭素産業」こそ、軸となって市場を拡大していくことをずっと期待しています。
中国のヘンプ食品メーカーがノースカロライナ州に新工場を開設し、地元経済に投資し、雇用を創出することによって、米国内でのヘンプ製品の生産を拡大しようとしているという動向、これらの動きがノースカロライナ州のヘンプ産業にとって新たな機会と雇用を提供し、地域経済に対してもプラスの影響をもたらす可能性があることを示唆しています。
さらに、この投資が消費者にとってもっと多様な選択肢をもたらし、地域の成長に寄与することを、地元当局者が歓迎している点がこの投資の周りにポジティブな拡大要素が巻きついています。
これらを私たち日本側が受け、抑えるべきこととしては、「3,500トン消化できる市場」ができている。つまりどういうことかと言いますと、アメリカ国民の多くははすでに「ヘンプ(大麻)への慣らし」が済んでいる。という点です。つまり、「啓蒙からの体験からのマインドチェンジ」が済んでいる。そういうことになります。