
新たに立ち上がった北海道麻振興会。右が加藤理事長、左が空閑副理事長
北海道ヘンプ産業の新たな受け皿として
2025年、改正大麻取締法の施行と歩調を合わせる形で、一般社団法人 北海道麻振興会が本格的に活動を開始した。
北海道は、戦前には麻の主要産地の一つであり、東川町での試験栽培、北海道議会での質疑、道庁による可能性検討会など、全国に先駆けて産業用大麻、いわゆるヘンプの可能性を議論してきた地域である。
しかし、これまで道内のヘンプ関連活動は、研究会、協会、有志団体、個人活動などがそれぞれの立場で取り組んできた一方で、栽培実務、行政対応、品種検証、法令遵守、産業化までを一体的に進めるための共通基盤は、充分とは言えなかった。
その流れを受け、北海道麻振興会は、北海道におけるヘンプ産業の知見と実務を集約し、今後の北海道ヘンプ産業を牽引する「オール北海道」の中核組織として設立された。
今後、道内に点在する研究会、勉強会、関連団体、農業者、事業者の取り組みは、個別活動の時代から、より大きな連携と集約の時代へ移っていくことになる。北海道麻振興会は、その受け皿として、北海道のヘンプ産業を一つの方向へ導く役割を担っていく。
すべては2013年、道議会の一つの質問から始まった

超党派の道議会議員から積極的な意見が交わされる。
北海道麻振興会の歩みを語る上で欠かせないのが、2013年3月15日、北海道議会予算特別委員会における加藤礼一氏の質問である。
当時、道議会議員であった加藤氏は、北海道における産業用大麻の歴史、北見農業試験場での試験結果、北見市の特区構想、海外動向、そして外部有識者による検討会設置の必要性について、北海道農政部に対して質疑を行った。
この質問を契機として、同年8月には北海道農政部に「北海道産業用大麻可能性検討会」が設置され、翌2014年には東川町で産業用大麻の試験栽培が開始された。
北海道におけるヘンプ産業復活の種は、まさに議場で播かれ、農地で芽を出したのである。
東川町の試験栽培から、北海道全域の実装へ

松家農園で打合せする松家氏と空閑 副理事長
2014年、東川町では松家農園の松家源一氏により、産業用大麻の試験栽培が実施された。これは戦後の北海道における本格的なヘンプ研究栽培の先駆的な取り組みであり、北海道における栽培技術、THC検査、地域社会での受け止め方などを検証する重要な実績となった。
北海道麻振興会では、この東川町での経験を単なる過去の記録として扱うのではなく、これからの北海道ヘンプ産業を支える実践知として継承していく。
松家農園の麻畑と空閑 副理事長
「実行力」を備えた布陣

北海道麻振興会は、自らを「実行のともなわない啓発団体ではない」と明言する。象徴的なのは、設立と同時に、同会自身が北海道での大麻草栽培免許を取得したことだ。
会の中核には、次のような実地の経験者が名を連ねる。
• 北海道における第1号の大麻草栽培免許取得者
• 改正法下で国内第1号となる大麻草栽培免許取得者
• 戦後初めて海外の大麻草種子の輸入に成功した輸入許可第1号事業者
• 北海道で実地の栽培経験をもつ農業者
• 旧法下で最後の大麻栽培免許・研究免許を取得した関係者
加えて、道議会での調査・議論に関わった有志も参画する。同会はこの布陣を、議論だけでなく現場を動かす「有言実行の農業者と実業家の集団」と位置づけ、北海道のヘンプ関連活動が結集する“オール北海道”のハブとなることを掲げている。
https://hokkaidoasa.squarespace.com/
編集部あとがき
Yosuke Kogaその目的は「オール北海道でのヘンプ産業の振興」。既に参加している自治体との協働だけでなく、今後ヘンプ産業への参画を希望する個人・企業は勿論のこと、自治体のサポートも行っていきたいとの事。北海道はヘンプ栽培の高いポテンシャルがありながら、これまで活かせてこれなかった経緯を踏まえ、同振興会が栽培・流通を具現化して見せる事で、その後につながる産業全体の振興につなげたい狙いです。
ヘンプ産業が秘める可能性は、本誌がこれまで訴えてきたとおり。日本の農業の衰退が現実のものとして議論されるようになって久しい現在、ヘンプ栽培で地域振興を進めたい自治体の産業振興課や農業振興課の方々には、ぜひ北海道麻振興会まで連絡してみてほしいと思います。













