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三重県明和町 2年目の大麻栽培スタート

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国産紡績用大麻糸に挑戦

三重県では、他県に先駆けて大麻取扱者指導要領が変更し、20234月から一般産業用途での栽培がスタートしています。

昨年までの取組みについては下記を参考にしてください。

三重県明和町、天津菅麻プロジェクト、伊勢麻によくある質問12選まとめ

https://hemptoday-japan.net/15276

今年は、地元企業であり、特殊糸メーカーのトップ企業のミマス株式会社向けにヘンプ繊維原料を納品できることを目標に栽培を始めました。明和町在住のミマス勤務の方が、たまたま昨年4月の「天津菅麻(あまつすがそ)種まき神事」の様子が放映されたテレビニュースをみて、明和町役場にお問い合わせをしたことが出会いのきっかけでした。

その後、ミマスと天津菅麻の交流や打ち合わせを積み重ね、昨年12月には、広瀬社長自らがヘンプ紡績について参議院議員会館で講演もしています。

過去実施イベントの講演麻(ヘンプ等)における紡績、リネン、ラミーとの比較」(外部サイトへのリンク)https://hido006.peatix.com/viewc

写真:320日午前9時から播種作業開始 

三重県知事から大麻栽培者免許がヘンプイノベーション株式会社に318日に交付され、ミマスの紡績繊維原料のためにトラクター播種を320日に実施しました。

収穫は6月の繊維の柔らかい時期を予定しています。通常の精麻をつくるよりも早い時期での収穫となります。収穫後は、新規導入の解繊機にて、繊維とオガラを分離し、ミマスの仕様に合わせた加工に挑戦する予定です。

大麻栽培の機械化農業の作業体系

日本の伝統的な栽培では、すべて手作業での作業体系でした。

特に、食用ヘンプシードの栽培は、昨年の手作業の労働時間が1反(10アール)当たり138時間でした。これは、過去の文献によると、昭和初期の大麻の種子畑の1反当たり120時間よりも手間暇かけた、掛かってしまったことが判明しました。

現在の機械化農業では、1反当たり水田24時間、大豆7時間、小麦5時間、子実とうもろこし(飼料用コーン)1.1時間と、かなり短縮間されています。

 表: 各作物の1反当たりの年間労働時間

作物

水稲

大豆

小麦

子実とうもろこし

労働時間

24時間

7時間

5時間

1.1時間

生産コスト

83,000

45,000

48,000

35,000

収穫量

533

183

408

1,000kg

海外のヘンプでは、1ヘクタール11時間の労働時間であることが報告されており、1反に直すと、1.1時間と子実とうもろこしと同等になります。あとは、生産コストと収量がどうなるかは、今年を含めた今後数年の試験栽培を経て確定されていくものになります。

大麻栽培には、繊維用、子実用、薬用(花葉)の用途別の違いがあります。今年はすべてを栽培マニュアル化できないので、子実用(食用)のものを作成します。今年の栽培の様子をまとめたものとして、大麻栽培マニュアルの作成に挑戦する予定です。

子実用に栽培し、収穫したヘンプシードは搾油して食用ヘンプシードオイルとして商品化する予定です。

ヘンプクリートのワークショップを開催

326日には、ヘンプクリートの第一人者である田島一級建築士をお呼びして、ヘンプクリートの製造体験のワークショップを実施しました。明和インキュベーションセンターの会場で行い、スタッフ合わせて25名の参加がありました。

ヘンプクリートは、石灰とオガラ(繊維を取った後の芯材)と水を混ぜてつくります。海外では、水硬性石灰が使われていますが、日本には純度の高い生石灰や消石灰しかないため、なんらかのミネラル分を補わないと、うまく固まりません。そこで、今回は誰でも入手できる消石灰(園芸用)と鹿沼土(火山性砂礫が風化した粒状土)を使って実施しました。 

材料をかき混ぜて、大麻の葉型の型枠に手で押し込んでいく作業を皆さんで体験しました。

 

また、型枠にヘンプクリートの材料をいれて突き固める版築(はんちく)工法のミニバージョンの実演をしました。ミネラルを少し混ぜただけで固まるスピードが早くなるため、ワークショップの終了時には型枠を外して、地層状になったヘンプクリートを見ることができました。

 

ヘンプの茎は、繊維とオガラの比率が1対4であり、生産量の多いオガラの活用先を開拓することが日本のヘンプ産業の発展に不可欠です。オガラの大きな市場になるのが海外で一足早く注目されてきたヘンプクリートです。

断熱性、調湿性、環境性、意匠性に優れたヘンプクリートには、潜在的な市場と時代のニーズがあります。日本で普及するにあたり、様々な課題がありますが、今後、天津菅麻プロジェクトにおいて、HEMP HUBのヘンプイノベーション研究会に参画する会員企業を中心にヘンプクリートの実用化に向けて、様々な取組みを計画しています。

 

ヘンプクリート&伊勢麻のヘンプ栽培の動きについて、詳細は以下にお問い合わせください。

 

麻壁らぼ(ヘンプクリートの田島さんのWEBサイト)

https://hempcretelab.jp/

国産大麻草の種まきの見学とヘンプクリートに触れるイベント概要 326

https://kilta.jp/recommend/meiwacho/

ヘンプイノベーション株式会社

https://hemp-innovation.co.jp/

ミマス株式会社

http://www.mimasu-k.co.jp/

HEMP HUBについて

https://note.com/hemphub/n/nb6d0c4cba9e2

天津菅麻プロジェクトの全般に関するお問い合わせはこちら

https://www.town.meiwa.mie.jp/main/soshiki/senryaku/senryaku02/kikaku/iseasa/2859.html

編集部あとがき

産業化への大きな挑戦、それはまだ手探りであり、手作業である部分から始まる現実。但しそれは、世界のヘンプ先進地域でも同様で、地道な活動を経ての「今」があります。

「世界に追いつこうとする視点」よりも、今、できること、やれることを着実に進め、実体験を知り得る人たち、それらをシェアできる人たち、そして納得し、未来を確信していける人たちを増やしていけるかが、キーポイントでもあります。行政も含めて。

欧米同様に、「断熱性、調湿性、環境性、意匠性に優れたヘンプクリートには、潜在的な市場と時代のニーズがある」と、ワークショップや勉強会を通じて、建材や紡績方面でも、具体的に動き出しています。更に、「国産ヘンプシードオイル」の製品化も予定しているというところから、商業化への具体性が一層広まってきています。

この活動の先には、「未来は明るい(地球にとっても人にとっても)」ということが約束されています。

先日「2024年3月24日 ヘンプクリートの権威アレン氏を直撃インタビュー、20年以上にわたる啓蒙と創造を経て」という世界のヘンプクリートの権威アレン氏の最先端レポートもアップさせて頂きましたが、そちらも合わせてお読み頂きますと、これからどう動いていいくべきか。という視点が一層深まると思いますので、是非、ご参考ください。

世界中のポジティブなヘンプ体験とその共有・発信の拡大で、最終的に手にする利用者の方々に一層浸透していくことが、商業化への大きな第一歩となります。

ヘンプ栽培やヘンプクリートにご興味のある方は、HEMP HUBと天津菅麻プロジェクトへのお問い合わせ先と「三重県明和町、天津菅麻プロジェクト、伊勢麻によくある質問12選まとめ、すぐ活用リンク集としご活用ください。」という過去記事へのリンクが記事内にありますので、是非、そちらをご参考にされ、お問い合わせください。

「ヘンプで叶えられる持続可能で多様性のある産業(内面も外面も豊か)」という未来の現実化への道がここにあります。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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