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イタリアのCBD麻薬指定に2団体が反対を表明

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引用元

Yosuke Koga

このところ、連日お伝えしているヨーロッパのCBDに関する不穏な動きですが、私たちには関係のないことに思えるかもしれません。

 

しかし、CBD産業関係者はもちろんの事、CBDを健康管理に取り入れておられる患者さんや、一般の消費者にとっても、実は非常に深刻な問題です。なぜなら、我々が暮らしているこの社会は、行政が管理するシステムに沿って動いているからです。

 

もし、今ヨーロッパで起きている事が、明日、日本でも起こったら。

CBDによって日々の平安を得ている方々や、そうした人々にCBDを届けている産業関係者の生活を脅かす事態に急変してしまう事は、十分ありうる事です。

 

そうした不測の事態を引き起こさないためにも、先行する他国の情勢を注視し、そこから学び、日々の行政へのチェックを国民が欠かさない事が最も重要なのです。

 

 

イタリアとヨーロッパのヘンプ協会は、イタリアの保健省による、CBDを医薬品リストに追加し、その用途にかかわらず複合麻薬のステータスを与えるという法令に対し、共同で異議を申し立てると発表しました。

イタリアのヘンプ連盟であるFedercanapa、および欧州産業大麻協会(EIHA)の両団体は、「産業用途と医療用途のCBDの区別を認識できていない全面的な禁止を定める法律」として、イタリアの地方行政裁判所で戦う意思を表明しました。

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禁止は不当

グループは、この法案は、中レベルの化合物を含む市販のCBDベースのサプリメント、およびさらに低いレベルのCBDを含む食品をも禁止しており、これは間違いであると言います。

両グループは、先週発表された声明の中で、「産業用大麻の用途として、まず第一に食品と化粧品は、実際にはイタリアの法律によって、使用部位の制限、およびTHC制限値の範囲内で明確に許可されています(2019年11月4日の食品に関する省令によって設定された制限で、化粧品は THC ゼロ)。認定を経ずに、ヘンプ抽出物を医薬品リストに記載することは、法律で許可されている抽出活動を危険にさらすリスクがある解釈上の疑問を伴います。」と述べています。

 

両協会は、この法令への挑戦は、「この法律が、商品とサービスの自由な移動に関するEU法と露骨に相反している事を示し、産業用大麻と麻薬との間に存在する明確な区別を定義することを意図している」と述べ、異議を唱えています。

Epidiolexの導入

特定の難治性てんかんに処方される高CBD薬であるエピディオレックスの、イタリア市場導入にむけた準備として発行されたと疑われているこの法令は、実は既に欠陥が見つかっています。それは、CBD含油量が低い製品でも麻薬と見なされると規程している事です。

英国に本拠を置くGWファーマによって製造されたエピディオレックスは、2つの重症型てんかんであるドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療に効果があることが証明されており、米国食品医薬品局(FDA)によって米国で承認された最初の薬用CBD製品で、イタリアほか、ヨーロッパ数カ国で導入されています。

「GWの狙いは、医療グレードの高濃度製品にあり、その戦略は明確です。製薬の出処である大麻草の血統と処方箋、広範な臨床試験、および特定の条件を対象とした連邦政府の承認を伴うカンナビノイドベースの医薬品です。」とグループは述べています。

FedercanapaとEIHAは、エピディオレックスなどの高濃度CBD治療薬は処方箋の必要な医薬品として規制されるべきであることに同意していますが、食品やサプリメントに含まれる非医薬品CBDは、2017年から有効となっているイタリアの産業用大麻法(242/2016)で許可されていることを強調しています。

 

長引く混乱

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EIHAのディレクターであるLorenza Romanese氏

このイタリアの状況は、欧州連合からの不明確なガイダンスによる、CBDをめぐるEU全体の長引く混乱を反映しており、8月に欧州委員会が発行した、「全てのCBD製品は麻薬とみなす」という憂慮すべき「予備的結論」に続くものです。

「私たちは、イタリアとEUの両方で、この完全に不公平な状況と戦うつもりです。これらの製品を解放してEU市民の健康に利益をもたらし、EUのCBD市場の繁栄を可能にする、合理的で論理的な法律が得られるまで戦います。」とEIHAのマネージングディレクターであるLorenza Romanese氏は述べています。

ヨーロッパのCBD産業関係者は、1961年の麻薬に関する国連の条約は、THC含有率の高い向精神性大麻の違法な栽培とその売買のみを規程しており、産業用大麻には言及していないことを指摘しています。

さらに、1961年の麻薬に関する条約の第2条(9)および第28条は、国際麻薬統制の範囲からヘンプを明確に除外しています。その免除は、産業用、もしくは非医療用途の全ての「薬物」の使用にまで及んでいます。言い換えれば、大麻草の花穂が薬用の高濃度CBDを入手するために使用されず、中毒性のない製品のみに使用される限り、それらは単一条約の規定の対象にはなりません。その対象は医療部門のみであり、食品や化粧品部門ではありません。

EIHAの3層提案

その上でEIHAは、食品、サプリメント、そして化粧品市場を脅かす、CBDとヘンプ抽出物に関する製品の3段階にわたるEU規制のフレームワークを提案をしています。

 

EIHAの推奨事項の下で:

•CBDを含有する高濃度製品は薬用と見なされるべきであり、そのように規制されるべきである。

•中レベルのCBDを含む製品は、バレリアン、グルコサミン、コンドロイチン(硫酸塩)、イチョウ葉、一部のビタミン、鉄分などの物質を管理する規則と同様に、市販の製品または栄養補助食品と見なす必要がある。

•低CBD製品は、制限なしに食品として使用できるようにする必要がある。

 

EIHAは、天然抽出物を医薬品として分類すれば、必然的に産業用大麻セクター全体に損害を与え、食品安全基準や表示規制に準拠していない標準以下の製品のグレーマーケットの急増につながると述べています。

 

引用元:https://hemptoday.net/cbds-narcotic-status-in-italy-to-be-challenged-by-2-hemp-groups/

 

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AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

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