ムンバイに本拠を置くBOHECO社は、インドの実業家ラタン・N・タタ氏の所属団体から100万ドルの資金を調達したとインドタイムズ紙が報じました。
タタ氏はインド産業界大手のタタグループの持株会社のひとつであるタタ・サンズ社の元会長であり、1991年から2012年にかけて会長の任に就いていました。タタ氏とBOHECO社との提携によって、業界の発展をスピードアップするために必要なヘンプへの関心を高め、海外からの投資の促進が可能となります。
BOHECO社は、健康と栄養、繊維、材料科学の分野に産業用大麻の利益をもたらしています。2017年の初めには、インドの科学・医療研究評議会と協力して、20種類の医療用大麻を生育・研究するためのライセンスを初めて取得しました。
BOHECO社の幅広いアプローチ
2013年に7社提携でボンベイヘンプカンパニー(BOHECO)を立ち上げた際に、同社はヘンプに関して幅広いアプローチを行いました。
BOHECO社は麻織物を生産する75の家族と契約を結びバリューチェーンを確立し、インド、北米、ドイツで販売されるヘンプ製ファッションのブランドラインである「B Label」を展開しました。
インドでのヘンプに関する大きな可能性を考えると、100万ドルというのはわずかな額ですが、同時に、タタ氏が関与している事から、インドの公的機関や投資家が大麻の最終生成物のあらゆる分野で、その可能性に目覚めているというのは明らかです。インドでは大麻に対して規制緩和を続けており、スタートアップ企業やR&Dプロジェクトが倍増しています。
インドにおける大麻事業の関係者は、外国からの投資は業界が急速に成長する一助になるだろうと話しています。最初は医薬品、食品および化粧品の分野での契機を想定しており、続いてテキスタイルやファッション、バイオコンポジットおよび建設分野への発展を計画しています。
企業価値の高さ
ラタン・タタという人物は、様々な企業とコネクションがあり、BOHECO社とインドの大麻産業にとってはPRチャンスとなっています。 タタ氏の在任期間中の最終年度である2011年12月には、グループ企業の収入は1000億ドル以上に達しました。
タタ氏は現在、米国のコーネル大学および南カリフォルニア大学の理事会、およびアルコア社の取締役会に入っています。他にも、三菱商事、JPモルガン・チェーイス、ロールス・ロイス、テマセク・ホールディングス、シンガポール金融管理局の諮問委員も務めています。
インドの首相貿易産業評議会のメンバーでもあるタタ氏は、インドで二つの慈善信託団体の委員長も務め、インド理科大学院の学長やタタ基礎研究所の所長も兼任しています。
(HEMPTODAY 2017年12月28日)