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ニュージーランド、ヘンプ繊維産業が物流改革へ「Rubisco、産地一体型加工へ移行し量産体制強化」

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物流最適化に向けヘンプ加工ラインを移転

ニュージーランドの繊維素材企業 Rubisco は、垂直統合型の天然繊維プラットフォームを強化する戦略の一環として、ヘンプのデコーティケーション(繊維分離)ラインを移設する。

同社は、国内大手アグリビジネス Carrfields の支援を受けており、これまで拠点を置いてきたクライストチャーチからアシュバートンへ工場を移転する。両都市は南島のカンタベリー地方に位置する。

移転の狙い

RubiscoのCEO ガイ・ウィルズ氏は Farmers Weekly に対し、ヘンプ繊維・ハード(茎の芯材)の需要が加速する中、従来の生産拠点では対応が難しくなったと説明した。メーカーがテキスタイル・建材・複合素材分野で低炭素材料を求める動きが背景にある。

新しいアシュバートン施設は2026年初頭に稼働予定。原料産地に近い場所で加工することで、輸送距離と排出量を削減し、生産効率と柔軟性を高める狙いがある。

生産地に近接

アシュバートンはクライストチャーチから約85km南に位置し、周辺一帯は集中的な農業地域。ヘンプの原料を供給する農家が多数点在しており、生産地内で一次加工が可能になる。

従来はアシュバートン周辺で収穫した茎をクライストチャーチに運搬していたため、移転は物流の最適化に直結する。

産業構造改革の加速へ

Carrfields は、栽培・繊維加工・高付加価値製品化までを連携させる垂直統合体制を数年前から整備している。Rubiscoの移転は、その取り組みを実現段階へ押し上げるものと位置づけられる。

編集部あとがき

今回の記事を以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください。

1.サプライチェーンの最適化が急務

需要増に対し、従来の物流と加工体制が限界を迎えている。産地へ設備移設することで効率性と脱炭素を両立する必要性が強調された。

2.市場の追い風を捉えてスケールへ

世界的に低炭素素材への需要が拡大し、ヘンプ繊維・ハードはテキスタイル、建材、複合材業界から引き合いが増加。今が事業拡大の好機である。

3.垂直統合モデルに向けた重要ステップ

栽培・一次加工・製品化を一体化することで、品質・コスト・供給力で競争力を強化。Carrfieldsとの連携はその中核を担う。

4.地域経済と農家を巻き込む成長戦略

農家との近接化により新産業クラスター形成を加速。農業地帯を活かした循環型素材産業への移行を推進する意図が示された。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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