MENU
カテゴリー

ヘンプ飼料の状況が進展、馬と鶏のためのヘンプシード由来の飼料がテキサス州で承認

目次

馬と鶏のためのヘンプシード由来の飼料がテキサス州で承認

テキサス州の農業当局は、馬と鶏のためのヘンプシード由来の飼料を承認し、州の飼料機関にそのような製品の規制を設定するよう認可しました。

テキサス商業飼料管理法は、テキサス飼料・肥料管理局に、ヘンプシードミールおよびヘンプシードオイルの形(飼料に添加するなどの活用方法)で商業飼料にヘンプおよびヘンプ製品を使用するための規則を制定するよう命じた。

ヘンプシードミールとは?:ヘンプシードからオイルが抽出された後に残る繊維質が豊富な粉末状、粗い粉状の形状をしています。色は、淡い緑色から濃い緑色まで変化します。タンパク質や必須アミノ酸、食物繊維、ミネラルなどの栄養素が豊富で、家畜の飼料やペットフード、さらには人間の食品にも使用されます。

管理局は、州内の馬と鶏のすべてのライフサイクルとカテゴリーにおいて、これら2つのヘンプシード関連食品を飼料の原料として定義しています。

馬用のhempseed meal 

ヘンプシード市場への影響と制約

2018年の米国農場法案でヘンプの栽培が合法化され、農産物と宣言されたものの、動物用飼料に対する特定の承認の欠如が、ヘンプ穀物市場を抑制していると関係者は言います。

テキサス州ヘンプ栽培者協会は、2022年に管理局にリスク評価を提出し、原料の審査と承認プロセスを開始しました。リスク評価は、ターレトン州立大学で行われたヘンプシード製品に関する研究に基づいています。

ヘンプを含む製品やヘンプ飼料を摂取する動物が増える中で、米国の飼料業界、飼料規制当局、および動物保健当局は、均一な規則を策定するためのさらなる研究を求めています。

カンナビノイドとは関与しない市場

アメリカ飼料管理官協会(AAFCO)をはじめとする複数の団体は、昨年、動物用飼料やペットフードにおけるヘンプに対する警告を共同で発表し、未確認の製品が人間の食物連鎖に対する脅威をもたらすと述べました。AAFCOは、ヘンプが農場や牧場の動物、ペットに安全かどうかはまだわからないとしています。

一方、米国ヘンプ飼料連盟(以下、HFC)は、AAFCOの警告が業界全体に過度に広範な見方を持ち、ヘンプ穀物とカンナビノイドを混同し、ヘンプ産業の何年もの進歩を後退させると反論しています。

HFC(Hemp Feed Coalition)とは:ヘンプを動物飼料の成分として承認するための努力を支援し、奨励する団体です。彼らの目標は、ヘンプとヘンプ由来の製品が安全で効果的な動物飼料として使用されるようにすること。

リンク先:https://hempfeedcoalition.org/

ファームビル2023(新農業法案)に対しても熱く訴えてます。

ヘンプシードミールの効果と栄養価の向上

HFCは、産卵用鶏に対するヘンプシードミールの使用を認可する努力を主導しています。この粉末食品は、ヘンプオイルの抽出後に残るものです。

HFCは3年前、産卵鶏の卵についての分析結果が、栄養面での多くの利点を示し、安全であり、THCや他のカンナビノイドを含まないことを示す研究に基づいて、食品医薬品局獣医医学センター(FDA-CVM)に資料を提出しました。

FDA-CVM(Food and Drug Administration Center for Veterinary Medicine)とは?:アメリカ合衆国の行政機関であるFDA(Food and Drug Administration)の一部です。FDAは、アメリカ合衆国の保健福祉省(HHS)に属しています。FDA-CVMは、動物用医薬品、飼料、ペットフードの安全性、有効性、品質を監視・規制しています。日本においては、FDA-CVMに類似した役割を担う組織として、厚生労働省がありますが、日本の厚生労働省において、FDA-CVMに類似した役割を担う部署は、医薬品・医療機器等安全局(PMDA)と、動物用医薬品・飼料の規制に関連する部分では農林水産省(MAFF)となります。農林水産省(MAFF)は、動物用医薬品や飼料の安全性や品質に関する規制を担当しています。動物用医薬品の承認や、動物用医薬品の承認や、飼料添加物、ペットフードの品質管理に関する規制などが、農林水産省の管轄下にあります。具体的には、農林水産省の動物用医薬品・飼料課が、動物用医薬品および飼料に関する規制を担当しています。

https://www.fda.gov/animal-veterinary

別の話題として、米国食品医薬品局(FDA)も、研究が不足しているため、動物におけるCBDの使用に関する治療効果については未確認であると述べています。同機関は、ヘンプの花から抽出される化合物を投与することで獣医療を置き換える動物の飼い主に対して警告も発しています。

FDAの研究不足とは?:過去記事をチェック
【FDAが無策】と言われがちだが、果たして一体どうなのか?規制が無かった事によるバブル崩壊。その先に待ち受ける未来は?

HTJ
動物飼料としてのヘンプ。そのニーズの高まりからいよいよテキサス州でヘンプシードミールとヘンプシードオイルが承認にされました。アメリカ飼料管理官協会(AAFCO)側からは、カンナビノイドと錯綜させた情報からの懸念を示されましたが、そこは、すかさず反論。これもHFCの努力、「ヘンプのみ」という訴えが実った結果となります。日本にはまだ「ヘンプ動物飼料専門の団体」は存在しませんが、ペットCBD市場よりも遥かに市場規模と利用動物数が大きいのは言うまでもありません。国産ヘンプ栽培研究が進み、このテキサス州の規則も参考に、ヘンプ飼料としての販路や規則制定もこれから準備をしていきたいところですね。ヘンプ飼料の栄養価は高いのは間違いないので、そこからの食物連鎖でどのような効果を出していけるのか、検証結果に期待しています。たくさんヘンプを栽培してたくさん動物達に食べてもらって、栄養満点に育って欲しいですね。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

AUTHORこの記事をかいた人

HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

目次
閉じる