ペンシルバニア農務省は、2021年に同州で認可されたヘンプ栽培件数が、昨年の510件から426件に減少したと述べ、同省は来年度に向けて、州内での栽培と加工のライセンスを拡げ、ヘンプ栽培と加工生産を支援すると発表しました。
ペンシルバニア州農務省は、2019年から2020年にかけて栽培面積が75%近く減少したとしていますが、2021年度のヘンプ総栽培面積の統計はまだ出せていないとしています。
ペンシルバニア州で商業用のヘンプ栽培が合法化された最初の年である2019年には、324件の栽培ライセンスと4,000エーカーの栽培地登録があり、翌年の2020年には510件のライセンスが付与されましたが、栽培地として登録されたのは1,000エーカーに満たず、その内の半分は収穫すら行なわれませんでした。
2020年にライセンスを受けた農家の多くは、CBD用のヘンプを栽培していましたが、2019年末にCBD用ヘンプが市場での深刻な供給過多に陥った為、多くの栽培農家がその年の収穫を取りやめたと推測されています。
ヘンプ繊維の需要が増加
農務長官のRussell Redding氏は、ペンシルバニア州の67の郡のほぼ全てでヘンプの栽培が行われており、60以上の加工業者が存在すると述べています。
これらの加工施設の大半はCBDの加工を目的としていますが、ペンシルバニア州の一部のヘンプ生産業者の間では、ヘンプ繊維の生産へ移行が始まっていることが分かっています。
ニューキャッスル市のDON Enterprises社は昨年末、ペンシルバニア州と隣接するオハイオ州の半径200マイル以内の農家を支援する為、州西部にヘンプ繊維の靭皮工場を開発していると発表しました。
また今年7月、サンベリーにあるSivana Converting LLC社は、かつての繊維工場の一部を、ヘンプを原料とした生分解性プラスチックの食品容器、カップ、皿、ストローなどを生産する工場として稼働する計画を発表しました。
生産者のリストをWEB公開し、ヘンプ産業を支援
ペンシルバニア州のヘンプ栽培が行われている郡[ペンシルバニア農務省]
一方でペンシルバニア州は、ヘンプ由来の建材のライフサイクルなどの研究を支援し、遺伝学や管理方法の研究プロジェクトを支援するとともに、ヘンプやヘンプ製品の認知度を高めるための取り組みを支援しています。
また、カンナビノイドやヘンプシードの動物用飼料への利用に関する研究も、州の補助金を受けて行われています。
ペンシルバニア州の2022年シーズンのヘンプライセンスの申請書は、農務省のウェブサイトで公開されており、また、2021年、2020年、2019年に発行されたヘンプライセンスを持つ栽培農家や加工業者のリストや図表なども掲載されています。
同州の農業従事者は、まず2017年から2018年に実施されたパイロットプログラムでヘンプを栽培をスタートし、その後、2018年の連邦農業法案の可決後、2019年から商業的な栽培が許可されました。
同州では2020年にヘンプの加工が許可され、同年には65件の登録がありました。
引用元;https://hemptoday.net/pennsylvania-opens-2022-licensing-amid-signals-of-shift-to-fiber/