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北インドのスタートアップ、苦境に立つ農家救済を目指す

北インドのスタートアップ、苦境に立つ農家救済を目指す

チーム・エスペランザ:(左から)アエクラヴィア・ベニワルさん、ファテーシャー・シン・ブラールさん、ウィリアム・パル・シンさん、プリトビラジュ・シンさん、アビシェク・グジャールさん

 

インドの都市チャンディーガルにあるパンジャブ大学で学ぶ5人の友人たちは、国内の農家の自殺率が驚くほど高い事を知り、何かしようと決意しました。

「私たちは5人とも農家の生まれで、インドで農業が国の発展とそのアイデンティティーに重要な役割を果たしたことを知っているので、国を支える農業について何かしなければならないと気付いたのです」と、ウィリアム・パル・シンさんは振り返ります。

彼らの出した答えは、エスペランザ・グローバル・エコ・ソリューションを創設することでした。インドでの多目的作物としてのヘンプの農業、産業、商業的可能性を探り、苦しむインドの農民たちの財政状況を改善させるという究極の目標を掲げたスタートアップです。

目次

崖っぷちに立たされた農民

インドの9,000万人の農家の約70%が、平均で収入よりも支出が多く、それにより負債を抱えることになっています。統計によれば、国全体の農民の自殺の半数以上は借金を主な原因とするものです。

全国標本調査機構(NSSO)の報告によれば、これらの6,260万の農家は、1ヘクタール以下の土地しか持っていません。

水不足、野生動物による作物への被害、作物の販売先の不足は、高い自殺率を引き起こすとともに、多くの農家が生計を立てるために単純労働を求めて田舎からインドの都市へと逃げ出してくる原因となっています。

ピンときた瞬間:ヘンプ!

リサーチをする中でヘンプを見つけたシンさんのグループは、インドの天候では1年中栽培が可能という、1年に1度しか収穫できない西洋諸国に比べて明白な利点に気が付きました。

必要とする水分量の少なさ、農薬や化学肥料なしでも育つ可能性、そして表土流出のコントロールに役に立つ力によって、ヘンプはインドにとって非常に有望な作物であることにシンさんは気付きました。さらに、現在小麦の作付けと収穫に利用されている装備に少し変更を加えるだけで、ヘンプの作付けと収穫ができるのです。

インドの気候と生態系における可能性に加え、ヘンプの土地1エーカー当たりの収入は、コットン、大豆、トウモロコシ、その他小規模農家が現在育てている作物に比べずっと良いのです。

ウッタラーカンド州:ヘンプの中心地

インド北部にある丘陵地帯の州ウッタラーカンド州は、THC含有量の許容基準0.3%未満であればヘンプの栽培が認められているインドで2つだけの州の1つで、エスペランザは現在、ここで活動しています。ヘンプはウッタラーカンド州では野生で自生しており、何世紀にもわたって地元の文化の一部となってきました。

エスペランザは、ヘンプのもたらす多くの恩恵について地元の人に知ってもらうために、セミナーや啓蒙活動を行ってきました。エスペランザは、ウッタラーカンド州のクモアン地区にあるマリ・キロリ、ジャラリ、ラニケート、ドゥワラートの村々の農家と協力し、ヘンプを野生から収集しています。地元の女性が繊維を加工し、その後テキスタイルメーカーやその他の業界へと送られ、種の一部は食用に加工されます。

拡大に向けた計画

「アルモラ地区に、地域の発展を助けるための初めての紡糸と手織りのユニットを設置する計画を立てています」と、シンさんは語ってくれました。「私たちはルディアナのテキスタイルメーカーと連携し、より上質なヘンプの生地の開発も行っています。」

エスペランザはインドの消費者の間に持続可能なライフスタイルという考えを広めながら、ヘンプ紙をベースとしたバイオ包装や、プラスチックや完成品の洋服に利用するヘンプのバイオ複合材料を開発する計画もしていると言います。

「保護して築く」

「私たちの会社のビジョンは、環境を保護しながら持続可能な未来を築き、自然資源の搾取をなくし、オーガニックで伝統的な慣習を広め、低所得者層の暮らしを向上させることです」と、シンさんは説明します。彼は、農家が作物や労働に対して正当な見返りを受け取ることを妨げる中間業者を取り除くことで、バリューチェーンを効率化させる必要があると感じています。

「私たちは、農家が適切なマーケットにアクセスする手助けをし、ヘンプやグリーンテクノロジーを通じて正当な報酬を稼げるように助けなければなりません」と、シンさんは語ってくれました。

ヘンプの課題

シンさんは、インドでのヘンプの課題を無視しているわけではありません。それらは他の多くの国と同様です。カナビスの規制を巡る混乱と、一般の人々の間でのヘンプに対する一般的な認識の欠如、そして現場での既存の法律の一貫性のない適用と、政府役人の間でも欠如している農業やその他のルールの理解です。

より現実的な部分では、法律によって認められた0.3%のTHC許容量未満のヘンプを生み出す種子を見つけ出すのは必ずしも簡単ではありません、とシンさんは指摘しました。

そして、シンさんは業界で進行中の標準化の取り組みの中で、インドにおける作付け用の種子の供給が今後どう発展するかを懸念しています。「この問題は、固有種にとっては危険で、品種改良を通して固有の品種へと病気が広まる危険をもたらす可能性もあります」と、シンさんは語ってくれました。(HEMPTODAY 2018年11月26日)

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AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。