ブライアン・フーリハン | HempToday –
ギリシャのヘンプ産業は、5年前に始まって以来、成長を続けています。しかし昨年来、ヘンプ農家、生産者、消費者に対する取り締まりが行われているとカンナビオ・ヘンプ協同組合の代表であるミハリス・テオドロポロス氏はHempTodayに語りました。
「過去1年間で警察は、ヘンプ製品の生産者や小売業者、消費者を逮捕していますが、これは不完全であいまいな立法の結果であり、法律の誤った解釈によるものです」とテオドロポロス氏は述べています。
最も深刻なケースの1つは、昨年6月に違法薬物の所持で逮捕された、カナビオの創立メンバーであるセラフェイム・カンディラス氏のケースです。カンディラス氏は、乾燥させたヘンプの花、ヘンプ粉、ヘンプ・パスタ、およびヘンプの石鹸を所有しているために逮捕されました。
逮捕は逮捕
同様に、7月にギリシャ警察は、大麻の苗を1万5000個処分し、栽培者を拘束したと発表しました。警察の声明によれば、「これまでに国内で発見された最大の大麻プランテーション」とのことでしたが、3.5ヘクタールの農場が実際は合法であることが判明し、警察の喜びは長続きしませんでした。
テオドロポロス氏は、業界は過渡期にあり、当局と公務員は大麻について誤解しているか、混乱していると考えています。同氏は、THCと一部のCBD製品を材料に含む食品については合法かどうかがあいまいな領域があると述べています。欧州食品安全機関 (EFSA)がヘンプの花やCBDを新規食品法の下で登録するかどうかの議論が問題の一因であると考えています。
ヘンプの小売りは成長を続ける
テオドロポロス氏によれば、警察との問題は続いているにもかかわらず、ギリシャでは過去6ヶ月間に30店以上のヘンプ・ストアが開業しているように、業界は成長を続けていて、前向きな雰囲気に包まれています。氏はまた、ヘンプ・ベースの食品、サプリメント、および化粧品が大手の小売店により多く導入されるようになっているとも述べています。
今年、カンナビオは6つの栽培ライセンスを確保し、16ヘクタールにオーガニックのヘンプを栽培しました。協同組合が生産する主な製品は、高級麻花、エッセンシャル・オイル、フローラル・ウォーター、低温圧搾で未濾過の麻実油、そして種子と香油です。カンナビオは現在、大麻のありとあらゆるものを抽出できる製法を開発中です。
テオドロポロス氏は、現在の政府は国としての対応が遅く、柔軟性に欠けるものの、物事を進める政治的な意志を持っていると考えており、立法が不完全で、法律の誤った解釈のために処理が短縮されているとの見解を持っています。
経済危機に対する答え
テオドロポロス氏は、ヘンプはギリシャの将来において重要な役割を果たすことができると考えています。「ヘンプは経済危機からギリシャを救うことができる農作物であり、同時に過去50年間に無数の化学物質が使われ間違った管理をされてきた農地にも対応することができます」
2004年にヘンプに初めて興味を持ち、活動家ジャック・ヘラーの有名な作品「大麻草と文明」から影響を受けたテオドロポロス氏は、ギリシア人で大麻支持者であり研究者でもあるジョルギス・エコノプロス氏とクランドス・グリバス氏にも触発されたと述べました。
ギリシャの大麻をめぐる歴史
ヘンプは2013年にギリシャで規制され、3年におよぶ闘争のすえ、2016年にカンナビオ協同組合が設立されました。「ヘンプは2013年に解禁となりましたが、協同組合を設立するまでにもう3年待たなければならなりませんでした」とテオドロポロス氏は語ります。カンナビオにはその後、2016年6月にギリシャ当局によって付与された最初の3つの栽培ライセンスのうちの2つが与えられました。
ギリシャは、古代まで遡る大麻とヘンプの長い歴史を持っています。「ヘロドトスは大麻の儀式的使用を初めて記録した人物で、ガリノスやデモクリトゥスのような多くの人々が大麻の医療応用を研究していました」テオドロポロス氏は「繊維、種子、花は古来より衣類、縄、帆、食物、照明器具と薬品に広く使われてきたのです」と付け加えました。
(HEMPTODAY 2018年11月24日)