MENU
カテゴリー

あまりに異なる、それぞれの米国CBD市場予想を読む

あまりに異なる、それぞれの米国CBD市場予想を読む

米国におけるCBD市場の成長が激しくなるとの見通しを胸に、投資家は何をするべきでしょうか?

フロリダ州タンパの調査会社Brightfield Groupは、雑誌Rolling Stoneの紙面で、最近の調査の結果、2022年に米国のCBDの売上高が220億ドルに達すると予測しています。

しかし他の市場予測は異なります。急速に変化する消費財生産者を含む多くの優良企業の間で高く評価されている統計ポータルStatistaは、CBDの売上高は徐々に増加し、2022年までに18億ドルになると予測しています。これは、大麻業界研究専門家New Frontier Dataが2016年にHemp Business Journalで発表した2022年に21億ドルに達するという市場予測とほぼ一致します。

目次

新農業法は地殻変動を意味する

米国のヘンプ業界関係者は、今年の農業法案が可決され、国内市場が本格的に開放されるという、まさに地殻変動と呼ぶに相応しい変化を期待していますが、業界のベテランの中には、それでもBrightfieldの見通しは誇張しすぎであるとの見方があります。

ドイツのHempConsult GmbH社のベテラン業界コンサルタント、Daniel Kruse氏は、次のように述べています。「他の数字と比較すると、22億ドルは非常に高いと言える。例えば、Statistaによると、米国の栄養補助食品市場全体は、2016年の317億ドルだが、2024年の予測は570億ドルと、その伸びは僅かだ。」

「医薬品から離れ、より自然な治療法を探す人が増えていることは事実で、これはまさにCBDにとって大きな可能性ではある」と同氏は述べています。

規制環境は障壁である

「しかし、規制は依然として最大の障害だ」とクルーズ氏は述べ、連邦当局者からの統一性の欠けた指導や、時折繰り返し起こる州と地方の法的なズレ、米国食品医薬品局(FDA)による妨害の継続を指摘しています。

栄養補助食品メーカーCreso Pharmaの会長であるBoaz Wachtel氏も、Brightfieldの予測が過大評価であることに同意します。「この数字は、たった3年間で現在の市場サイズの40倍。これが過大評価である事は間違いない。多分10倍程度の予想が理にかなっているだろう。」

市場の「爆発」

Brightfieldは、ローリングストーンに対し、自社の予測はCBDを組み込んだ健康および美容製品の市場での「爆発」と呼ばれる現象に基づいており、PMSや関節炎などの、一般の薬局の店頭で買うことのできる合成薬品で対処されている疾患や、スポーツなどの分野でCBDを注入した製品を使用する傾向が消費者の間で急速に成長している事を指摘しています。

Brightfield Groupの研究責任者、Bethany Gomez氏は、「私は長年にわたって市場調査を行い、すべてをカバーしてきたが、これは間違いなく、私が今までカバーした事がないクレイジーな市場だ」と語っています。

CBDは大規模小売店で取り扱われる?

Brightfieldは、いくつかの分野でCBD注入製品の売上が伸びると予想しており、大規模な小売チェーンが市場を活性化する上で大きな役割を果たす可能性を示唆しています。

長年のヘンプ製品開発者でもある米国のコンサルタント、Richard Rose氏は、Bright Field社の数字について、懐疑的ではありません。

「新しい市場を予見していないため、こういった数字は、これまで何度も過小評価されてきた」とローズ氏は言います。CBDが大手小売業者を介して消費の主流になると、売上が爆発する可能性があることに同氏は同意します。

「彼らの論理は良い。大規模小売業者がそれを推進する」と述べました。

身軽でグローバルな企業を探す

市場にはCBDの爆発が控えています。それは確かです。しかし、それがどれだけ大きなものになるのかは、誰の推測でも在り得ます。投資家は何をするべきなのでしょうか?

まずは、いつものように、誇大な宣伝や噂について調べ上げましょう。

そして、何らかの理由で米国の発展が遅れた場合にも致命的な被害を受けることの無い、国際的なリーチを持つ企業を探しましょう。

小回りがきく、よくマネージされた企業を探しましょう。このセクターでは、すでに統合の波が進行中であるため、身軽なものだけが繁栄するでしょう。

関連記事:

  1. Elixinol Global 社、日本事業の持ち株比率を拡大

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

AUTHORこの記事をかいた人

日本臨床カンナビノイド学会員。北海道ヘンプ協会(HIHA) 法人会員。

美容クリニックで専門医監修の下、CBDオイルを利用したアトピー性皮膚炎の治療を開始。1年間の観察結果からアレルギー数値と、症状の改善がきっかけで大麻の可能性を一人でも多くの方々に知ってもらいたいと思い立ち、編集局員として参加。

「HEMP TODAY JAPAN」を通じて、「世界の大麻産業」の真実を知ってもらう必要があると考えております。

そして、大麻へのマイナスイメージを払拭がされ、医療分野、産業分野問わず、大麻由来製品を誰でも簡単に低コストで利用できる環境を望んでいます。

2017年6月~青山エルクリニックモニター参加。
2018年5月「Hemp Food, Health & Beauty Summit」(HTセンター/ポーランド)。
2018年8月「中国 黒龍江省ヘンプ産業視察ツアー2018」参加。

目次
閉じる