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フランス(全排除)及び欧州での合成製品排除の動向も活況を示す

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消費者に避けるよう勧告されている合成製品

フランスの保健当局は、ヘンプ由来の陶酔性物質を含む合成嗜好用大麻製品群を消費者に避けるよう緊急警告を発し、広範な物質リストを麻薬として宣言しました。

医薬品・医療製品安全庁(ANSM)は、パリの薬物情報センターが受け取った深刻な影響を及ぼす消費に関する報告を受けて、この決定を下したと述べています。

指定された違法麻薬リストの拡大

フランス当局は、広く流通している陶酔性ヘンプ由来物質である合成嗜好用大麻製品群、デルタ-8 THC、HHC、THCAに加えて、以下の物質も危険薬物として指定しました。
H4-CBD、またはヘキサハイドロカンナビジオール
CBDに水素原子を追加することで合成されたカンナビノイドで、化学構造がわずかに変更されています。
H2-CBD、またはジヒドロカンナビジオール
H4-CBDとは異なり、水素原子を2つ追加することで得られるCBDの誘導体です。
THCP、またはテトラヒドロカンナビフォロール
カンナビス植物に微量に含まれる自然発生のカンナビノイド。マリファナに多く含まれるデルタ-9-THCと類似していますが、化学構造が若干異なります。
HHCPO、またはHHCP-O-アセテート:THCPから得られる半合成カンナビノイドで、THCPを水素化してHHCP(ヘキサヒドロカンナビフォロール)を作り、その後アセテート基を追加して作られます。HHCPOはカンナビス植物に自然には存在しません。
これらの物質すべてが陶酔効果を持つことが証明されているわけではありませんが、ASNMはすべての物質を麻薬として分類しました。
これらの物質は、樹脂、粉末、そして飲用または喫煙用のリキッドの形でオンラインやCBD販売店で提供されていると報告されています。これらはすべて、今年2024年6月3日をもって違法とされました。

嘔吐、意識喪失、昏睡、痙攣、パラノイアなどの症状

「これらの物質を摂取すると、嘔吐、意識喪失、昏睡、痙攣、パラノイア、不安感、高血圧、頻脈といった即時の影響が生じる可能性があります」と、ANSMは警告しています。

 

「これらの物質は、大麻の主な精神活性成分であるTHCの効果を模倣しており、嗜好用大麻摂取時に感じられるものよりも深刻で強烈な効果をもたらします。さらに、これらの製品は依存症を引き起こす可能性があります。」

 

ANSMによれば、これらの合成嗜好用大麻製品群の効力が高いため、使用者に対する影響はより強烈であり、緊急医療が必要となる場合があるとされています。影響の強さは、摂取方法や製品中の物質の濃度によって異なり、合併症の深刻さを増す可能性があります。

 

「これらの製品の成分が、販売されている製品のパッケージに表示されているものと一致しない場合があることに、潜在的な消費者の注意を喚起します。カンナビノイドの濃度は一般的に高く、しばしば消費者には知られていません」と警告も発しています。

その他マイナー合成カンナビノイド群も違法へ

ANSMは、研究者たちによってほとんど知られていない比較的マイナーなヘンプ由来の合成カンナビノイドも取り締まり、その物質も麻薬と宣言しました。

 

これらの純粋な化学化合物には以下のものが含まれます:
5F-Cumyl-Pegaclone (5F-SGT-151); Cumyl-CH-Megaclone (SGT-270); 7APAICA; 5F-7APAICA; Cumyl-P7AICA; 5F-Cumyl-P7AICA; BZO-Hexoxizid (MDA-19); および BZO-Poxizid (5C-MDA-19)です。

 

ANSMは、これらの合成カンナビノイド製品がフランス国内の店舗で広く流通していると述べています。

 

ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品の現象は、他の地域、特に米国に比べてヨーロッパに遅れて到達しましたが、現在これらの製品群に関する激しい議論が起きています。

 

2019年に一般向けのCBDエキスの健康補助食品市場が急成長した後に崩壊し、合成精神活性物質の多くが基づくCBDの在庫を抱えた企業は、これらの物質を含む製品のメーカーにそれらを販売し始めました。

 

過去関連記事:2024年5月17日 合成嗜好用大麻製品では、世論は変えられないし、変わらない。アメリカがヘンプ産業を逆行させた事実と軌跡とは

欧州では合成カンナビノイドに反対

米国とは異なり、欧州のヘンプ関連の関係者はヘンプ由来の合成カンナビノイドに反対の立場を取っています。

 

過去関連記事:2023年5月20日 一方その頃、(HHCが原因で)食品指定されたCBD製品の輝かしい一歩が、EU全体で取り消しになる可能性が浮上。最悪の始まりか?

 

ヨーロッパ産業ヘンプ協会(European Industrial Hemp Association)もこれらの物質に反対する公式な立場を示しています。

 

また、業界団体であるチェコヘンプ・クラスター(CzecHemp)は、これらの物質を含む製品が「多くの深刻なリスクと問題をもたらす」と述べ、立法者や当局に対してこれらの物質の法的枠組みを設定するよう求めています。

 

具体的には、HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は、EU市場の20か国、非EU加盟国のノルウェーおよびスイスで製品として見つかっています。フィンランドやスウェーデンではその販売が禁止され、エストニアでは違法薬物に分類されています。

 

過去関連記事:2023年4月15日 欧州で火がついてた「HHC」がフィンランドでも規制開始、欧州で見るHHCとは!?

編集部あとがき

欧州では「予防原則(Precautionary Principle)」が強く採用されています。この原則は、科学的証拠が完全に確立されていなくても、潜在的に危険なものに対しては予防措置を講じるという考え方です。このため、欧州の規制当局は、合成嗜好用大麻製品群が市場に出回ることによるリスクを未然に防ぐために、厳格な対応を取ることが多く見られます。
アメリカでは特定の分野、特に環境保護においては適用されていますが、他の分野ではそれほど強く適用されていません。アメリカの規制アプローチは、しばしば「リスク・ベネフィット分析」に基づいており、リスクが明確に証明されるまで規制を緩和する傾向があります。
また、アメリカでは、新技術や新製品に対しては「イノベーションを促進する」ことが強調される文化があり、予防原則を強く適用すると、イノベーションが阻害されると懸念されることが多いです。これに対し、ヨーロッパではリスク回避の文化が根強く、消費者保護や環境保護のために、リスクが完全に明らかになる前でも規制が導入されることがあることから、欧州とアメリカの規制の敷き方に大きな差が開いていると言えます。
以下、4つのポイントに整理しましたのでご参考ください
1.フランスにおける規制強化と健康リスクの警告
フランスの医療当局が、合成ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品群を麻薬として指定し、消費者に対してこれらの製品を避けるよう警告を発しました。これらの物質が深刻な健康リスクを引き起こす可能性があることが報告されています。
2.指定麻薬としての合成カンナビノイド
具体的には、H4-CBDやHHCPOなど、あまり知られていない複数の合成カンナビノイドが麻薬として分類されました。これらの物質はCBDを基にして化学的に合成されたものであり、フランス国内での販売が禁止されました。
3.健康への深刻な影響
これらの合成カンナビノイドの消費により、嘔吐、意識喪失、発作、心拍数の増加など、深刻な身体的影響が報告されています。また、これらの製品は高濃度の成分を含むことが多く、消費者にとって非常に危険であるとされています。
4.欧州全体での反対と規制強化
フランスだけでなく、欧州全体でもこれらの合成カンナビノイドに対する反対が広がっています。特にHHCは多くのEU加盟国やノルウェー、スイスなどで見つかっており、フィンランドやスウェーデンでは販売が禁止されています。
また、欧州の多くの国々では、消費者保護が非常に重要視されています。これには、消費者が製品について正確な情報を得る権利や、安全な製品を購入する権利が含まれます。合成カンナビノイドのような物質が、不適切にラベル表示されていたり、安全性が不確かな状態で販売されることは、消費者保護の観点からも許容されないと考えられています。
一方、アメリカでは消費者保護に関する法律は存在するものの、製品が市場に出回った後に発生する問題に対する対応が優先されることが多いため、アプローチに違いが見られるという状況です。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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