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欧州で火がついてた「HHC」がフィンランドでも規制開始、欧州で見るHHCとは!?

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汚染、製造行程、不透明化、ストロング化による被害を懸念

フィンランドの規制当局は、ここ数ヶ月でヨーロッパの一部の国で嗜好用大麻の代替品として登場したヘンプ由来のカンナビノイドであるHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)の販売を禁止しました。

フィンランド医薬品庁(日本で言う厚労省に相当、Fimea)は、法的なグレーゾーンにあるこれらの製品は品質管理を受けておらず、加工の結果、危険な汚染物質が混入する可能性があるため、禁止が必要であると述べてます。

また、医薬品庁は、ヨーロッパ市場で販売されているHHC製品がどこで製造されているかは、必ずしも明らかではないとしています。

補足:フィンランド医薬品庁(Fimea)は、フィンランドの医薬品の規制と監督を行う政府機関です。日本でいうと厚生労働省や、それに付随する組織に相当します。

HHCは、産業用ヘンプにごく微量に存在するマイナーカンナビノイドです。しかし、一部の生産者は、ヘンプ由来のCBDを合成的に変化させて「ハイになる」効果を生み出す製品を作るために、高濃度のHHCを作り出しています。

アメリカはデルタ-8問題、欧州はHHC問題、日本は!?

ヨーロッパでのHHCに関する議論の拡大は、合成CBDから作られる精神活性化合物(ハイになる成分)であるもう一つのカンナビノイドであるデルタ-8 THCを巡る米国での状況と類似しています。

アメリカの個々の州は、デルタ-8をコントロールするために苦労しており、一部の州では禁止されており、他の州では嗜好用大麻由来のデルタ-9THCに関する規制の下に置かれています。

補足:デルタ-8 THCも、ヘンプCBDから合成された精神活性を持つカンナビノイドであり、HHCと同様に規制やディベートの対象となっていることを指しています。

「EUに拠点を置く多くの小売業者が2022年末にHHC製品の販売を開始し、製品がベイプやエディブルの形で現れ始めた」と、欧州薬物・薬物中毒監視センター(EMCDDA)は昨年末に開催された化合物に関する技術専門家会議後に発表しました。

EMCDDAによれば、一部の生産者は、HHCを散布した嗜好用乾燥大麻のような見た目と匂いの製品や、それらを混合したヘンプフラワーを生産して出荷しています。

HHCは、202210月からEUの早期警告システムによって「新規精神活性物質」(NPS)として監視される最初の合成カンナビノイドとなりました。

補足:EU早期警告システムとは:新しい薬物やそれに関連するリスクを迅速に特定し、情報を共有するためのネットワークです。HHCが「新規精神活性物質」(NPS)として監視される最初の合成カンナビノイドであることは、欧州連合(EU)の早期警告システムが、2022年10月からHHCを新たに監視対象にしていることを意味します。この監視は、欧州薬物及び薬物依存症監視センター(EMCDDA)が中心となって行っています。

以下の過去記事の前編を書き上げて、いざ後編を出そうとした3月中旬に規制が始まりました。フィンランドよりも1年以上も早く規制していたことになります。

日本でのピーク流通は2021年12月ごろから2022年3月中旬までと4ヶ月位でした。

2022年2月15日 HHC草の根有識者会議レポート(前編)

体への影響、有害の可能性が未知数、だから、、、

フィンランドの禁止令により、HHCは現在、精神活性物質として分類され、製造、輸入、販売、譲渡、保管が違法とされていますが、使用や所持はまだ禁止されていません

フィンランド医薬品庁は、この禁止令がフィンランドでHHCを違法な薬物にするための一歩であると述べています。

医薬品庁の上級監査官であるカツヤ・ピフライネン氏は、「これらの製品は合法性の境界線上にあります。産業用ヘンプから作られている場合でも、THCがしばしば見つかります。その後、それらはドラッグとしての薬物事件に発展していきます」と、述べています。

研究不足のため、HHCの広範な影響は未知のままであり、「燃焼や蒸気化させることでさらに有害になる可能性があります。それが体にどのように影響するかはわかりません」とピフライネン氏は述べています。

エストニアも禁止しておりその波紋は欧州全域に

他の一部のEU諸国も、HHCの生産者を抑制するための措置を講じています。エストニアはすでにHHCを違法な薬物として分類しており、スウェーデンはHHCを禁止する過程を開始していますが、オンラインショップではまだHHC製品が提供されています。

ピフライネン氏は、「HHCを薬物として禁止したい場合、すべての国が別々に行う必要があります。または、それを規制したい場合、別の方法で始める」と述べています。

補足:フィンランドの産業用ヘンプ栽培申請とCBD食品申請

フィンランドにおける産業用ヘンプの許可は、主にフィンランドの農業・環境省 (Ministry of Agriculture and Forestry) が担当しています。申請者は、適切な書類を提出し、規制に従って産業用ヘンプの栽培を行う必要があります。

CBD製品を食品で流通させるためにはノベルフードの承認が必要です。ノベルフード(Novel Food)とは、欧州連合(EU)において、1997515日以前に広く食用とされていない新規な食品や食品成分を指します。

これらの食品は、従来の食品と異なる栄養特性や生産方法、製造方法があります。ノベルフードは、EUのノベルフード規制(Novel Food Regulation)に従って、安全性評価と承認を受ける必要があります。これによって、消費者に安全であり、適切に表示されている新しい食品が提供されることが保証されるというスキームです。CBD製品もノベルフードに分類されており、欧州委員会からノベルフード承認を取得する必要があります。これにより、CBD製品の安全性、純度、品質が確保されます。

フィンランドと日本の大麻法律の違い

フィンランドと日本では、主な違いは次のとおりです。

  1. 医療用大麻:フィンランドでは、医療用大麻が合法化されており、適切な処方箋があれば医療目的で使用できます。
  2. CBDオイル:フィンランドでは、THC濃度が0.2%未満のCBDオイルが合法で、販売および使用が許可されています。
  3. 大麻の栽培:フィンランドでは、産業用ヘンプ(低THC含有量の大麻)の栽培が許可されていますが、適切な許可が必要です。嗜好用栽培は禁止です。

HTJ
編集部あとがき。注目したい点は、欧州でHHCが「流行していた」という点ですね。「嗜好用大麻がほぼ手軽に入手可能なのに、なんでわざわざ!?」と思われる方も多いと思います。欧州とはいえ、国ごとに嗜好用大麻には何らかの規制が設けられている国がほとんどです。なので、「HHC」やアメリカで言う「デルタ8」などは、ヘンプCBDという隠れ蓑を活用して「ハイになれる成分」を求める消費者に対して「合法なマーケット」でスムーズに流通ができたわけです。それに加えて、CBDを合成して製造することが可能なので「格安で強い製品」が製造できるという点も大きいです。そこで、EUとしては、EMCDDA(欧州薬物及び薬物依存症監視センター)が動き、NPS(新規精神活性物質)として指定しました。つまり、国単位ではなく「HHC」という成分は、「欧州全体が注視している成分」という大きな禁止令に発展していきます。この背景は、欧州の国々にHHCの巨大な市場ができていきそうな最中、「HHCは人体へのダメージが大きい」という観点から、欧州全体での規制が働いたと言えます。「HHC」は日本だけで局所的に動いていたわけではありません。「抜け道」という表現が正しいかどうか分かりませんが、アメリカは「デルタ8」という抜け道を見つけて巨大な市場を構築していきました。それもあってヘンプ農家さん達は壊滅的な打撃に追い込まれたのも一つの要因です。フィンランドの保険庁の見解は「HHCは体への害が未知数であるのと、製造元が不透明」という点で禁止に動きました。ここでこれらの「抜け道問題」の流れを読み、うまくか交わしているのがタイの産業拡大の手法と言えます。健全な拡大方向に向かっています。一見全てが抜け道かのような大麻大開放から、徐々にしぼっていくロジカルな戦略。市場も人体も健全な大麻ビジネスの広がり方を見せています。つまり、目指すべき形は、市場も人体も精神も農家さんも健全に成り立っていく、タイの「あの形」に明るい未来があると言えます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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