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3億円の検査機器予算も提供、合成嗜好用大麻製品撲滅にかかるフロリダ

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合成嗜好用大麻製品とさらにTHCV等まで禁止へ

フロリダ州議会もヘンプ由来のデルタ-8 THCおよび類似の合成嗜好用大麻製品を禁止する法案を全会一致で可決しました。

この法案(上院法案1698、SB 1698)は、デルタ-8に加えて、摂取可能または吸入可能な製品でデルタ-10 THC、HHC、THCA、THCP、THCVを含むものも特に禁止します。

SB1698(外部サイトへのリンク):https://www.flsenate.gov/Session/Bill/2024/1698

これらの化合物はすべて、ヘンプ由来のCBDから合成プロセスを経て、使用者に「ハイ」な感覚を与える高濃度の物質を生成するために作られています。

THC制限値は0.3%の製品かあるいは2mg含有まで

フロリダ州下院のインフラ戦略委員会が審査した関連法案が通過し、共和党のロン・デサンティス州知事が最終的な統一法案に署名で進行していきます。

2018年の農業法案により産業用ヘンプおよびその派生製品が全国的に合法化された後、合成嗜好用大麻製品が登場しました。しかし、この法案は、CBDを生産するヘンプの花から作られてしまう精神活性物質を考慮に入れず、法律の抜け穴を生じさせていました。

上院の法案バージョンでは、ヘンプ製品のTHC濃度を総デルタ-9 THCで0.3%以下、または摂取あたり2mg、容器あたり10mgのいずれか低い方に制限します。

デルタ-9は嗜好用大麻に高濃度で含有しているTHCで、最も一般的な化合物ですが、産業用ヘンプにも自然に含有しています。

法執行局へ検査機器導入予算として3億円提供

THCに関する規定に加えて、新法はヘンプ製品が販売されるイベントでの広告、包装、マーケティングに関して拡大を制限していきます。

立法者は特に、人気のブランド名のスナックを模倣した包装で提供され、未成年者がついつい手を出してしまうような魅力的な見た目の合成嗜好用大麻製品群に対して懸念を表明しています。

子供たち(未成年者達)にとって魅力的でないようにヘンプ製品を作るための規定は、「人間、漫画、動物、おもちゃ、または子供を特に対象とするその他の特徴を表示する容器に形成されたり包装されていない製品、または一般的に知られている既存のキャンディーやスナック製品に合理的な類似性を持つ形状や容器に包装されていない製品」として定義されます。

過去関連記事:2024年5月17日 合成嗜好用大麻製品では、世論は変えられないし、変わらない。アメリカがヘンプ産業を逆行させた事実と軌跡とは

さらに、この法案はヘンプをテーマにしたイベントを主催する主催者に対し、参加する各事業が適切に許可されていることが必要で、参加事業のリストを州の農務省に提供し、参加企業の出品製品が認可された供給元からの製品であることを確認することが義務付けられます。

SB 1698はまた、押収される可能性のある製品のテスト機器の購入のために、フロリダ法執行局に約3億円を提供することも含まれています。

10,000の小売店に悪影響がおきると反発

「2018年のファームビルでヘンプを合法化させた時は、フロリダ州の人々の多くが合成嗜好用大麻製品を摂取し、酩酊するような事態を想定していませんでした」と、法案の提案者である共和党のコリーン・バートン上院議員は上院で述べました。「これらの酩酊製品の潜在的な誤用に対する私たちの懸念は、私たちの予想を超えていると思います。」

さらに、民主党のトレーシー・デイビス上院議員が二党間での支持を反映しました。

「フロリダ州の人々を守るために規制を追加する必要があります…そしてそれがあなたがここで行っていることであり、私はこの法案を支持することに熱心です」とデイビスは述べました。

この法案はフロリダ州農業消費者サービス省の支持を受けています。

しかし、法案の批判的な関係者たちは、その法案が州内の約500の生産者と約10,000の小売店に悪影響を与えると指摘しています。

CBDバブル崩壊の発端が合成嗜好用大麻製品群

フロリダ州で対象とされている合成嗜好用大麻製品は全国に広がり、多くの生産者と販売者が米国食品医薬品局(FDA)からその安全性に関して警告を受けています。

FDAは消費者からの重篤な有害事象の報告を受けており、バージニア州での少なくとも1人の子供の死は、最も人気のあるヘンプ由来の合成化合物であるデルタ-8 THCの摂取が原因であるとされました。

ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品は、2018年の農業法案の通過後に起こったCBDのブームとCBDバブル崩壊の後に現れました。

CBD市場が急速に過熱し、その後崩壊すると、CBD生産者は連邦法の抜け穴を利用して、溜まっていた廃棄ヘンプ(ゴミヘンプ)を合成嗜好用大麻製品の製造者に販売し始めました。

2023年の農業法案は、CBDとCBDから作られる合成嗜好用大麻製品に関する問題を扱うことが期待されていましたが、この立法は今年の秋まで延期され、規制の不明瞭な状況が続くことになり、個々の州がこの問題に対処していってます。

過去関連記事:2024年6月7日 合成嗜好用大麻排除に向けた各州の動向〜どんどん排除(あるいは包括)の方向へ〜

そして、今、さらなる進展をしています。。

過去関連記事:2024年5月26日 合成嗜好用大麻製品は、「全米」で一掃・排除と力強く動き出した今、どうなっていくのか

編集部あとがき

今回の禁止法案によって、500の生産者と10,000の小売店に悪影響になる。という状態になっているフロリダですが、合成嗜好用大麻製品群がどれほど蔓延しているのかが伺えますね。

日本では全く考えられない規模での合成嗜好用大麻製品の広がりを生々しく感じます。これはひとえに消費者が、というよりも事業者たちの反発のほうが当然ながら大きいです。

さらに、禁止後の製品排除における際の検査機器に3億円の資金を「税金」で投入することで、一層の排除を強化させる。という対策ですが、うっすらと身近に感じるお話のようにも見えてきます。

さて、今回の記事をまとめますと、ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品、特にデルタ-8 THCなどの合成カンナビノイドに関するフロリダ州の規制の課題に焦点を当てています。主要なポイントは以下の通りです。

1.広範囲の問題:
ヘンプ由来の酩酊製品は全米で広がりを見せており、その安全性に関する深刻な懸念が報告されています。これには消費者からの重篤な有害事象の報告や、デルタ-8 THCによる死亡事故も含まれます。

2.規制の遅れとその影響:
2018年の農業法案によるCBDの合法化から派生した市場の過熱と崩壊が、酩酊ヘンプ製品の普及に拍車をかけました。連邦法の抜け穴を利用して、市場には未規制の酩酊製品が溢れています。

3.州と連邦の対応:
連邦法案の遅延により、個々の州が独自に対応を迫られる状況が続いており、統一された規制の必要性が強調されています。フロリダなどの州では、酩酊ヘンプ製品に対する規制強化が進んでいますが、国全体としての規制の遅れが問題となっています。

4.公衆の安全と保護:
酩酊製品が特に若年層に対して魅力的にされている点に懸念があり、これらの製品の広告やマーケティングに厳しい規制が求められています。

ヘンプ由来の合成嗜好用大麻製品に対する一貫した国家レベルの規制が急務であると訴えており、公衆の安全を確保するために迅速な行動が必要であることが明白です。

ファームビルという法律の強い傘に隠れて大々的に販売を拡大してきた合成嗜好用大麻製品群ですが、その販売に関与している事業者は元CBD事業者やヘンプ農家であり、過去に大流行した脱法ハーブとは全く次元が違う広がりが特徴的です。それゆえに、あらゆる崩壊やヘンプ産業全体の停滞を巻きおこしているのが今のアメリカです。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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