知事は「さらなる研究が必要」と指摘
ニューヨーク州知事のキャシー・ホクール氏は、ヘンプシードを含む動物用飼料に関する法案に拒否権を発動し、動物の安全を確保するためにさらなる研究が必要だと述べました。
ホクール知事は、ペットフードおよび特定の動物用飼料の中にヘンプシードを含めることに関連する2つの法案を退ける際、米国食品医薬品局(FDA)の承認が得られていないことを理由に挙げました。
一方税収増が見込めることも視野にあり研究を急かす
支持者たちは、ヘンプシードの殻と種粉は、ペットフードや、特に馬、ラマ、アルパカなどの動物用の飼料に栄養価が高く、タンパク質と食物繊維が豊富な添加物となり得ると主張しています。
しかし、これらの法案は、人間が摂取する動物の飼料に関する規制保護策のため、他の商業家畜向けのヘンプシード添加物を認可するものではありませんでした。
提案された法案は、モンタナ州やペンシルベニア州で成立した措置と類似しています。
ヘンプシード飼料の提供を一時保留する一方で、ホクール知事は、コーネル大学の研究者に、ヘンプシードやヘンプシード製品の動物用飼料への使用の影響を「迅速に」研究するよう指示したことを発表し、州のヘンプ生産拡大の一環としています。
CBD生産で失敗した背景があるから
支持者たちは、ヘンプシードを飼料として合法化することで、州への税収が生まれる可能性があると述べていますが、ニューヨーク州のヘンプ収穫はほとんどなく、人間の食料や動物の飼料用のヘンプシードもほとんど生産されていないため、それはすぐには実現しないでしょう。
2022年、ニューヨークのヘンプ農家はCBDフラワー用の栽培のみで、わずか48ヘクタールしか収穫しておらず、これは全米農業統計サービスによるものです。
編集部あとがき
日本ではすでに鳥のエサにヘンプシードが含まれているのは有名な話ですが、日本の家畜飼料市場は約5,400億円とされており、その殆どが輸入に頼っている状況らしく、ここに日本の国産ヘンプが参入できることが、もし可能であれば。。
国産でヘンプを大量生産、ヘンプシード自体の栄養価で動物達も健康に、畑の土壌も改善されて、、と、有益であることに違いありません。
と、想像は容易にできます。
ヘンプシードの飼料化は、CBD市場のように二極化したり、規則に左右され不安定な市場になったりせず、マネタイズやその安定が早いかもしれませんね。
日本の飼料メーカー各社さん、コーネル大学の研究に参画しつつ、都道府県知事に第一種免許の申請をされてみてはいかがでしょうか。
さて本題、このヘンプシードを飼料とする課題も、アメリカの州によってまちまちで、テキサス州では先進的に進めていますので、こちらの過去記事もご参考頂けましたら、なぜ飼料にヘンプシードを扱うことに懸念があるのかが、より理解が深まると思います。
2023年3月30日 ヘンプ飼料の状況が進展、馬と鶏のためのヘンプシード由来の飼料がテキサス州で承認
2023年4月23日 米国農務省の研究、ヘンプシードケーキが牛の飼料として「有望な代替品」と証明されました
ニューヨーク州でのヘンプ種子を動物の飼料として使用する法案が、州知事によって一時的に拒否されてはいますが、背に腹は変えられないという状況が汲み取れます。
その理由は、一昨年ニューヨークがヘンプを栽培しましたが、その広さはわずか48ヘクタールで全てがCBD用として生産された失敗した事例にかかってきます。
一時的に拒否したとはいえ、ヘンプシードを飼料化することによる市場の拡大幅はCBD以上の旨み(税収)があります。すでに他州では許可をして研究や実例がでてきいますので、様子を見つつ、この飼料市場をとりにいく姿勢も伝わってきます。