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消費者を守るため、CBDを医薬品のみとして、デルタ-8 THCをディスペンサリー販売のみに制限!?

目次

デルタ8が巻き起こしていった現状の整理

ヘンプ由来のCBDから作られた人気のある合成嗜好用大麻であるデルタ-8 THCの悪質な企業(あるいはやむを得ないと割り切った企業)達は、各州が子供たちを合成嗜好用大麻製品から守ろうとする動きを強めていく中、決まり進む規制に対して悲痛な叫びを上げています。

2018年の農業法案によってヘンプが合法化された際、CBD自体のここまでの拡大は考慮されておらず、法案の抜け道を利用した生産者による盛況な合成抽出物市場の発展は、尚のこと、予想されていませんでした。

農業法案の成立後、CBD市場が急成長し、その後すぐに暴落したため、現在に至るまでの長引くヘンプ不況の中で生き残っている生産者たちは、CBDをラボでの工程を経て調合されたデルタ-8THCの販売の中に「あたらしい市場」を見出しました。

これは、農業法案が意図していなかった種類のヘンプ派生製品であり、キャンディーやその他のお菓子の主要ブランドを模倣したパッケージで、一般的な小売店で幅広く販売されています。

FDAから議会へ議会からCANNRAへそして議会へ

米国食品医薬品局(FDA)による連邦規則がないため、各州はCBDとデルタ8THCを扱ってきました。しかし、各州は連邦政府の指針を必要としています。

そのため、各州の大麻規制当局は、最近、すべてのヘンプベースのカンナビノイド(CBDCBDを原料とする派生製品、産業用ヘンプに含まれるその他のマイナーなカンナビノイドを含む)について、国家的な枠組みを確立することを提案する書簡を議会に送りました。

CANNRAのWEBサイト、書簡はこちら(外部サイトへのリンク):https://www.cann-ra.org/

この書簡は、大麻規制者協会(CANNRA)が7月に議会の主要委員会からCBD規制に関する意見を求められたことに答えたものである。

補足、CANNRAと書簡の経緯とは

1. CANNRA(Cannabis Regulators Association)は、アメリカの州ごとの大麻規制を担当する当局の連合です。彼らは各州でのカナビス(ヘンプ含む)の規制実践の情報共有や、連携を強化するための組織として活動しています。

2. 書簡の背景: アメリカの主要な議会委員会がCBD規制に関する意見を求めてきたため、CANNRAはこの要請に応えて書簡を作成しました。

3. 書簡の内容: この書簡では、ヘンプベースのカンナビノイド全体の国の規制フレームワークの必要性を強調しています。すべてのカンナビノイドヘンプ製品を考慮に入れた包括的な規制方法が緊急に必要であるとCANNRAは主張しています。

4. 書簡の送付先: 書簡は、意見を求めてきた議会の主要な委員会へ送付されました。

CBD規制に関する意見(外部サイトへのリンク):https://energycommerce.house.gov/

書簡提出までの経緯と流れ

1. FDAの判断:
CBDおよびカンナビノイド関連製品の規制や枠組みに関して、具体的な方針や手法を決めるため、議会に方針の策定を求める。(今年の初めに議会に丸投げ)
2. 議会の行動:
FDAの要請を受け、関連する立法や方針を策定するための情報収集や調査を開始。
3. CANNRAへの依頼:
議会がCBD規制に関する情報や意見を求めるため、CANNRAなどの関連機関や専門家に意見を提出するよう要請。
4. CANNRAの回答:
その依頼を受けて、CANNRAが40ページの書簡を作成し、議会に提出。
書簡には「すべてのカンナビノイド・ヘンプ製品を考慮した包括的な規制アプローチが緊急に必要である。多くのCBD製品には他のカンナビノイドも含まれており、消費者の安全と公衆衛生のために規制が必要だからです」と述べられています。

FDAが動かなければ公衆の健康が危険にさらされる

CANNRA の書簡では「カンナビノイド・ヘンプ製品を規制する連邦規制機関の名称、資金、権限が与えられなければ、消費者の安全と公衆衛生が危険にさらされます。FDAは、消費者の安全と公衆衛生のために最終製品を規制した経験を持つ主要な連邦機関です」と述べられており、、

「とはいえ、FDAには具体的な権限と、規制を発令するための明確で短いスケジュールが必要です。これらの規制には、カンナビノイド・ヘンプとして規制される製品の明確な境界線と定義、安全性に関する最低要件、教育と執行の枠組みが含まれるべきです」と、結論付けしています。

各州のデルタ8への対策

多くの州の当局者たちは、連邦の枠組みが存在しない中で、CBDやデルタ-8製品を取り組み続けています。

フロリダ州では、農業当局が最近「キャンディ・クラッシュ作戦」を開始した。この取り組みは、新しい州法が食品を目的としたヘンプ製品の購入に年齢条件を追加し、子供をターゲットにしたマーケティングを禁止したことに伴うものです。

州は、この法律を強力に執行するとしています。

州当局によれば、500軒のヘンプ販売店から、ナーズ、サワーパッチキッズ、スキットルズ、ジョリーランチャーズといった子供に人気のブランドを模したパッケージの違法製品が7万点近く摘発されたといいます。

アーカンソー州では、81日から、合成的に製造されたTHCのデルタ8とデルタ10、およびヘンプ由来のデルタ9(マリファナ植物に多く含まれるTHCの最も一般的な形態)が禁止されています。

これらのヘンプ由来の化合物はすべて、本来あるべき州の規制薬物リストに含まれることにになりました

この法律はまた、こうした製品の小売業者に対し、アーカンソー州たばこ取締局の認可を受けることを義務づけてられています。

ヘンプ関係者は現在、リトルロックの連邦裁判所でこの禁止法に異議を唱えています。

ケンタッキー州は、この月初めに緊急のデルタ-8規制を発行しました。州によれば、これはデルタ-8製品「およびその他のヘンプ由来の物質」を規制するための出発点であり、21歳未満の者への向精神作用ヘンプ製品の販売を禁止し、ラボのテスト要件とラベル付けのルールを設定しています。

デルタ8製造業者の不満

いずれの場合も、CBDとデルタ8の生産者達は、自分たちの怪しげな製品への規制に直面し、自らが行き過ぎていた販売行為について不平を言い続けています。

遡ると、2018年の農場法案が可決される前からも、規制されていない、時には中身が怪しいCBD製品が市場に出ていました。

この5年、FDAの規制がない中、このような製品はグレー市場を育んできました。

CBD製品でさえ、基準を満たしていない、重金属やその他の不純物で汚染されていることが頻繁に確認されるようになり、表示、宣伝されているよりもCBDの含有量が少ない、そして健康主張、症状改善などが誇張して宣伝されていることが度々報告されてきました。

極め付けが、CBDをベースとしたデルタ-8 THCはその数年後に登場し、更なる危険を拡大している。という状況です。

デルタ-8はディスペンサリーに制限すべき

CBDに対するFDAの反応の遅さは、消費者を絶えず危険にさらしています。FDAは昨年末、新しい法律を通じて製品に対する一般的な枠組みを設定するよう議会に求めました。

参考過去記事はこちら:9/8 【結論】アメリカCBD業界(食品・非食品)の未来は不安定のまま。連邦法では違法のまま、さらに5年先送りか!?

これに基づき、特定の安全規則を設けることができるため、このカテゴリーにとっての「新しい道」が生まれました。

安全なプロセスのもとで適切に調合されていれば、デルタ8THCに本質的な問題はないですが、デルタ-8製品自体は、ハイになるため、規制なく市場を放っておくと、さらに大きな安全上の脅威をもたらします。

デルタ-8製品はマリファナの規則に従い、認可を受けたマリファナ薬局に厳しく制限されるべきであり、適切なラベルと警告が付けられるべきであると考えます。

現在のように、子供たちが近所のコンビニや小売店でデルタ-8製品を入手できるようにすべきではないのです。

CBDは医薬品として扱うべき

FDAや多くの独立した研究者たちは、CBDの完全な効果がまだ十分に知られていないと述べており、妊娠中の女性や胎児、幼い子供たち、高齢者、および肝臓や男性の生殖システムに対する潜在的な有害な影響に懸念を表明しています。

CBDの安全性を確定するためには、長期的な研究が必要です。

その研究結果が出るまで、FDACBDの現在の分類を医薬品専用として正式に定めることで、本来の使命を果たすべきです。この分類は、すでにそのように認められていますが、研究の結果に基づいて後で変更することができます。

消費者は何年もの間、中身が怪しいCBD製品やデルタ8THCの生産者達に翻弄されてきました。彼らは、ヘンプ産業全体の評判に深刻なダメージを与え、繊維市場や食品市場にも打撃を与えました。

FDAがすぐに何らかの枠組みを確立しなかったことで、彼らのような悪質な企業(あるいはやむを得ないと割り切った企業)が利益を上げることで多くの力を与えてしまっています。

彼らのような悪質な企業(あるいはやむを得ないと割り切った企業)は、利益(および生き残り)を追求する中で、消費者の安全を何度も何度も無視してきたことが、今まさに、アメリカでは証明されています。

この記事を通して伝えたいこととこれまでの経緯を整理

デルタ-8 THCやCBDの急速な普及に対する規制が不十分であること。
ヘンプ関連の製品が子供たちの健康や安全を脅かしていること。
アメリカの各州が連邦のガイドラインの不足を埋めるために独自の措置を取っていること。
CANNRAが議会に対して全国的なヘンプ・カンナビノイドの包括的なフレームワークを確立するよう提案していること。
CBDやデルタ-8 THCの製造業者が規制の範囲外で活動しており、それが問題を引き起こしていること。
著者の意見として、CBDは医薬品としてのみ取り扱うべきであり、デルタ-8はマリファナ専門店に限定すべきであること。

HTJ
集部あとがき。注目すべき点は、今回の記事はアメリカの近い将来に設けられる規則に具体性が含まれたような形となります。今回の記事だけですと、これまでの経緯が掴みづらいと思いますので、記事内にこちらの過去記事をリンクしてますので、まだご覧になられてない方は、是非、ご覧ください。「【結論】アメリカCBD業界(食品・非食品)の未来は不安定のまま。連邦法では違法のまま、さらに5年先送りか!?」。こちらの過去記事では、2018年のアメリカヘンプの解禁から、どのようにCBDバブルが崩壊していったのかを、記事下部に書いております、あとがき。でも、深ぼって整理しております。これから日本の大麻取締法法改正にあたり、該当して欲しくないポイントが多分に含まれていますので、両記事をご覧になられて日本が同じ過ちを繰り返さないように、関係者様には注視して頂けたらと思います。日本でも合成嗜好用大麻が HHCを皮切りにスマッシュヒットしていき、それらに手を出さなかった CBD事業者さん達の顧客が食われていく。という状況が昨今までありましたが、厚生省の重なる規制により、その流れもある意味では終息(というより、販売事業者さん的には、重なる規制にやってられない。と、匙をなげだされる風潮が強いかもしれませんね)に向かっているのかなぁという風に思えます。一方アメリカは、市場規模が違いすぎますし、(健全と思われていた)CBD事業者達も、CBDが売れなくなっては、明日は我が身と、デルタ8事業に手を出しまくっておりましたので、終息なんて先の先のお話で、結論、国家を大きく揺るがしているのが昨今です。外野から見てきた私の見解をここで申し上げさせていただくのであれば、「全米嗜好用大麻解禁」が一番あらゆる規則をフレームしていくのに効果的である。と、今では思えます。その中でCBDを医薬品や食品区分、伝統医療などで仕切りをいれていき、カンナビノイド%がサイコアクティブに寄っていく製品であれば、嗜好用大麻のフレームの中で処理していく。という形がもっとも合理的のように思えますし、そのようになっていきそうな雰囲気も実際にあります。ただし、このケースは日本では当てはめることが難しいので、この「嗜好用」の部分だけを外した規則のフレームをイメージしておくと、近い将来どのような国産大麻業界の規則の枠組みになっていくのかが見えてきそうです

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AUTHORこの記事をかいた人

HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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