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ミネソタ州に続くか!?デルタ8(ほろ酔い製品)の自由をねじ込んだ勇者、ルイジアナ州の法制化を失敗させた見事な手腕

目次

法制化に失敗し、デルタ-8製品は引き続き店頭で販売確定

ルイジアナ州の立法者たちは、デルタ-8THCを含む製品を規制する試みに失敗しました。

デルタ-8は現在、グミやティンクチャーなどの一般的な小売店で食品や消耗品棚に並べられている規制されていない精神作用のあるカンナビノイドで、デルタ-9THCの代替品として多くの消費者に利用されています。

これらの比較的カンナビノイド含有量が医療用に満たない製品でデルタ-8THCを濃縮形で含んだ物は、ヘンプの花穂から抽出されたCBDをラボの合成プロセスを通じて容易に製造が可能です。

6月の立法議会では、これらの製品を制限する措置について話し合われましたが、結果、何の動きもありませんでした。今回のように、法律の制定が膠着している状態が続いていることによって、デルタ-8製品を販売する機会が、更に1年間伸びました。

尚、デルタ-8は、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって規制されておらず、FDAはこれらの製品に対して安全性に関する警告を何度も発しています。

補足、アメリカ食品医薬品局(FDA)とは:食品、医薬品、化粧品、そして動物用医薬品の安全性と有効性を規制するアメリカの連邦政府機関です。

立法者たちは惑わされた(誤導された)のか?

ルイジアナ州選出の共和党議員数名は、クレイ・シェクスナイダー下院議長は、昨年通過させたこの法案を、一時は撤回しようとしたポーズを見せてました

クレイ・シェクスナイダー氏の戦略を想像してみる

(※自動車修理業を営む小規模ビジネスオーナーでもあったシェクスナイダー氏)

  1. デルタ8製品に対する制限を提案する法案(修正案)を提出します。これにより、他の立法者や一般の人々に対して、デルタ8製品に対する懸念を理解しているという印象を与えます。
  2. しかし、実際には彼自身がデルタ8製品を消費者に利用可能であるべきだと考えているため、提出した修正案を撤回します。この修正案が可決されるとデルタ8製品に対する規制が厳しくなるため、修正案を撤回することでその規制を遅らせることができます。

これは彼の戦略として考えられ、目的はデルタ8製品の流通を可能な限り維持することです。他の立法者が彼の提出した修正案について討議する間、デルタ8製品は依然として市場で販売され続け、その利益は生産者や小売業者に流れ続けます

>>話を戻します。

そして、法案が承認、可決されたことで、嗜好用大麻製品に含まれる「THCデルタ9」よりも穏やかな高揚感をもたらすと、多くの使用者から支持されているデルタ8製品の市場が拡大していきました。

CBDベースの製品のTHC限度を1回の摂取あたり2ミリグラムに引き下げることを提案した上院の法案は、事実上デルタ-8製品を排除するものでしたが、上院財務委員会で立ち往生し、法制化に失敗しました。

また、まだ州の承認を得ていないヘンプ製品に新たな規則を含むことを提案した別の法案も、上院で公聴会を持つことができずに立法化に失敗しました。

今年の会期中、シェクスナイダー氏は、ヘンプを原料とする消耗品に対する制限を盛り込んだ独自の修正下院法案を提出し、1食あたりTHC8ミリグラムという現行の制限は維持しつつ、製品や小売業者に対する規制を設けました。少なくとも次の議会が開かれる2024年3月まではデルタ8は市場に合法的に存在しています。

いずれにしても、シェクスナイダー氏は、合成THC製品を消費者に提供し続けたいと述べています

医療大麻側V.Sヘンプ(デルタ8)側の対立

ルイジアナ州の小さなヘンプ産業(主にCBD生産者)の代表者たちは、今議会で提案された規制に対して公聴会で反発し、精神作用のあるヘンプ製品(デルタ8)はアルコールほど有害ではないと主張しました。

一方で、州内の医療用大麻資産の所有者たちは、自分たちの利益のために、規制を強く求めています

共和党の大口献金者で、州認可の医療用大麻栽培業者2社のうちの1社の出資者であるボーイジー・ボリンジャー氏は、4月に下院議員に、シェクスナイダー氏の当初の法案は嗜好用大麻の合法化に等しいと警告しました。

下院共和党代議員会のブレイク・ミゲス議長は、シェクスナイダー氏が「着々と確実に嗜好用大麻の流れを普及させようとしている」と非難し、下院議長の「焦点はむしろ、昨年彼が作り出した問題を解決することであるべきだ」と示唆しました。

ルイジアナ州では、処方箋による医療用大麻は合法化されていますが、娯楽用大麻を合法化しようとする動きは、これまでのところ議員たちによって拒否されています。

377ha→2.8haへとバブル崩壊後、2,800を超える小売店がデルタ8を販売

シェックスネイダーは、連邦の2018年農業法案が工業用ヘンプの農業とその製品を合法化して以降、ルイジアナ州のヘンプ産業のために尽力してきました。

彼の努力により、州内でデルタ-8製品の小売販売が増加し、アルコールおよびタバコ規制局によると、現在では約2,800の小売業者がこれらの製品を提供しています。

しかし、ルイジアナ州農業林業省の数字によれば、主にCBD製品を基にしたルイジアナ州のヘンプ産業は、元々規模が大きくなく、現在ではほとんど存在しない状態にまで縮小しています。

今年はヘンプの栽培面積がわずか7エーカー(約2.8ヘクタール)に過ぎず、昨年の20エーカーから減少しました。

2020年には932エーカー(約377ヘクタール)に達した州のピークは、CBD市場の急落が始まり、CBD抽出物の需要が楽観的な予測を満たさない一方で、CBDが抽出される花穂の供給が大量にあふれる事態が生じた時期でした。

明確な規制が存在しない中で、窮地に立たされたCBD生産者たちは、THCの合成形態の製造業者の中に市場を見つけました

しかし、ルイジアナ州でのCBD生産の不足から、州内でヘンプ由来のデルタ8製品を販売するほとんどの企業が、他の州から供給を受ける必要があるという状況を意味しています。

DEAFDAの連邦側は依然として認めていない状況

ルイジアナ州では今のところデルタ8製品は完全合法ですが、米国麻薬取締局(DEA)の変化によって影響を受ける可能性は大いにあります。

 連邦政府はすでに、規制物質を規制する権限をDEAに与える規制物質法(CSA)のもとで、デルタ-8 THCをスケジュールIの薬物に分類していますが、デルタ-8 THCについては特に言及していません。

DEA自身がCSAにデルタ-8を追加する規則を採択することもできるし、議会がこの化合物を受け入れるように法律を変更することもできる状態です。

FDAは、デルタ-8THCを扱う業者が、ベイプやエディブルなどの製品を、有名ブランドのキャンディーやクッキーを模倣したパッケージで子供たちにアピールしているとして、非難しています。

昨年ヴァージニア州の少年が死亡した事件は、グミを食べたことによるデルタ-8の過剰摂取が原因とされ、母親が殺人と育児放棄の重罪に問われた。

この死亡事故は「デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール中毒」に起因する事故と公式に裁定されたが、一部の大麻専門家はこの結論に疑問を投げかけています。

毎度お馴染みのファームビルの穴をつく論法、合法でしょ?

連邦議会は、2018年の農業法案を通じてヘンプを合法化した際、CBDから生産されるTHCの合成形態を考慮に入れませんでした。製造業者は、農業法案がヘンプとその下流製品を合法化したため、デルタ-8も合法であると主張しています。

一方、反対者は、2018年の農業法案がヘンプを使用して向精神作用を持つ化合物を作ることを意図していなかったと提唱しています。

彼らは、悪質な業者が法案の言葉を悪用して、汚染物質が混ざり、不正確にラベル付けされ、子供達に魅力的に見えるようなマーケティングで、高濃度のデルタ8製品を販売していると主張しています。

デルタ-8については全米各地で対応が模索されており、一部の州では禁止措置を取っている一方、他の州では嗜好用大麻のルールの下でこれらの製品を規制しています。

先日、ミネソタ州は産業用ヘンプから派生する高含有量のデルタ-8とデルタ-9 THCを明確に合法化した初の州となり、これらの製品を消費者に広く提供することを許可しました。

関連過去記事:6/9 ミネソタ州の大麻合法化案の中身が凄い!まさかのデルタ8(合成)が合法化、全米ヘンプ農家の救世主となるか!?

HTJ
集部あとがき。注目すべき点は、シェクスナイダー氏の目的は嗜好用大麻の合法化で、その手前に「デルタ8の自由化」を巧みな交渉でねじ込みました。そんなことってあるんですね。と、感じた出来事です。日本で例えるなら、嗜好用大麻の合法化を堂々と訴えながら、THCHの自由化をねじ込んだ政治家。というような人物となります。ただ、勘違いしてほしく無いのが、ルイジアナ州は医療用大麻は合法化されていて、カンナビノイド製品の多くに対しても州民の殆どの多くに理解がある。という点が、日本と比較して、天と地との差が開いているという所です。その、土俵の上でのシェクスナイダー氏が行った戦法という点です。アメリカでは日常茶飯事なのかは分かりませんが、「出した法案を一度撤回する」というポーズを見せることで、その法案に「拒否の匂い」を含ませながら、時間を稼ぎ、審議が進み、そのまま承認されたら、一気にアクセルを踏み込む。といった具合に、巧みな押し引きの交渉術を立法制定に含めながら、「デルタ8の自由化」を見事にねじ込んだという結果です。ドラマティックにデルタ8市場の開放を獲得しました。一方で、ルイジアナ州では、医療用大麻は合法なので、医療用大麻側企業と政治家からすると、デルタ8が拡大してしまうと、客(患者)がとられてしまうので、いい顔はしません。と、いうよりもシェクスナイダー氏に対して激昂してます。規模は全く違いますが、日本も似た構図が現在あるように思えます。シェクスナイダー氏の真意には「嗜好用大麻合法化」を持ちながら活動しているという側面から、デルタ8の「微アルほどのほろ酔い作用」は完全合法化の「予行演習」になると踏みながら動いていると思われます。これは何度もあとがきにも記載していますが、このデルタ8の拡大を鑑みて、州民の多くが「ほろ酔い作用」の含まれた成分の重要性を、肌で感じているのが昨今かと思われます。日本でいうならHHCの拡大後に、その「ほろ酔い」の重要性を、一部の方が認識できたかと思います。デルタ8の多くは微アルのように「ほろ酔い程度」となっている製品も多く、尚且つ、購入もコンビニや近所の小売店でのお手軽購入が可能で、医療用大麻を購入する為のレギュレーションから外れているので、税金も違い、買いやすく、金額も安くコスパが良い製品となっており、その割に、医療大麻と同等かそれ以上の効果実感を発揮するので、拡大していっているという状況です。もちろん、医療用大麻で流通している製品の安全性と品質と比べてしまうと、「?」な部分は、悪質業者の数だけ、数多くは残りますが、しっかりと調べた上で購入すれば、大人であれば難はそこまで多くは無いという点が大きなメリットです。アメリカの場合もともと大麻経験者が多いので、大麻製品を摂取する際のセッティング作りも、日本と比べると容易なので、それが大きな事故を防ぐ基盤となっています。ただし、危険なのが、記事にもあるように、パッケージが子供向けのお菓子風になっていたりするので、未成年や幼児が手を出してしまうリスクがあるという点です。アメリカではデルタ8、日本はTHCHとありますが、そもそも一旦、嗜好用大麻を解禁するレギュレーションから組んでいけば問題が起きづらく潰しやすくもあるというのが、今回のアメリカのファームビルの抜け穴をみて多くを気づけた次第です。これから日本も法改正の道を歩みますが、アメリカがバブル崩壊するまでの大失敗をみせてくれてますので、そこを良き前例として取り入れていきたいですね、間違ってもアメリカと同じ過ちを歩む必要はございません。

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AUTHORこの記事をかいた人

HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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