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ミネソタ州の大麻合法化案の中身が凄い!まさかのデルタ8(合成)が合法化、全米ヘンプ農家の救世主となるか!?

目次

ミネソタ州、ヘンプ由来のデルタ-8およびデルタ-9 THCを承認

ミネソタ州の新しい大麻法は、産業用ヘンプから抽出される高濃度のデルタ-8およびデルタ-9 THC(テトラヒドロカンナビノール)の合法化を実施し、これらの製品を消費者に広く提供することを許可しました。

これらの比較的低用量の製品は、ヘンプの花から製造されたCBDをラボの過程で濃縮化することにより生産され、デルタ-9 THCの含有量が自然に高いマリファナよりも、一部の消費者の一つの選択肢として、爆発的に市場に流通しています。

ティム・ウォルツ知事は州の大麻法に署名し、ヘンプとマリファナの両方をカバーする立法として、ミネソタ州を全米で唯一無二の州となりました。

新しい道を切り拓き、生産者に寄り添った州案

ヘンプCBD合成化合物の合法化により、ミネソタ州は他のアメリカのほとんどの州とは違う道を進むことになりました

それらの州では、連邦レベルで規制されていないCBDベースの精神活性製品を制約するべく当局が取り組んでおり、それらの製品はコンビニエンスストアやその他の一般的な小売店で拡大しています。

ヘンプの合成カンナビノイドの明確な規制がない状況で、苦境に立たされていたCBD生産者たちは、ヘンプの花穂の供給過剰が続く中で、原料の利益率が低下するという追い討ちがかけられた中で、THCの合成製品市場を見いだしているのが昨今の状況です。

ヘンプ由来CBDからのデルタ製品が身近なお店で購入可

ミネソタ州の法律では、グミや他の食用製品、飲料などの商品は許可されていますが、喫煙製品は許可されていません。

また、HHC、THC-P、THC-Oといった他の合成型の精神活性ヘンプ由来製品も明確に許可されていません

ヘンプ由来のCBDから製造されたデルタ-8やデルタ-9製品は、ディスペンサリーに限定されず、酒屋や他の小売店で販売でき、レストランやタップルームで提供でき、州外で販売することも可能だと、ミネアポリスに拠点を置くNorth Star Law Groupのビジネス&キャナビス法担当ヘッド、ジェン・ランドルフ・ライズ氏は述べています。

クラフトビール醸造所や蒸留所、さらには敏腕の起業家たちはすでにヘンプ由来のTHC製品を発売しており、合成デルタ-9製品の人気が最近高まっていると、ライズは指摘しています。

唯一無二の州法で自らをモデルケースとし全土を導く!?

「ミネソタ州では、製造者がヘンプ由来のTHCをベースにした製品を作り出し、消費者がそれを熱心に購入することが実証されています」とライズ氏は述べ、さらに「ミネソタ州の低用量のデルタ89が含まれたヘンプ由来の飲料や食用製品で繁栄を試みる新しい道は、アメリカ全土にとっても、参考になる実験的な取り組みである」と提案しています。

ミネソタ州の嗜好用大麻法では、ヘンプ由来の食用製品について、1回の摂取量あたりのTHCの上限を5ミリグラム、1パッケージあたりの上限を50ミリグラムとしています。

これに対し、コネチカット州の議員たちは現在、CBDベースの製品に含まれるTHCの量を、1回の摂取量あたり1ミリグラム、1パッケージあたり5ミリグラムに制限する法案を検討しています。

また、コロラド州では近く最終決定が下される予定の法律では、1回の摂取量あたりのTHCの上限を1.75ミリグラムに設定していますが、パッケージあたりの上限は設けていません。

米国麻薬取締局(DEA)は、高濃度の合成THC製品の禁止を含む連邦の麻薬管理法を改正する意向を示しているため、ミネソタ州は逆風に直面する可能性があります。

麻薬取締局は2月に、これらの製品は連邦法におけるヘンプの定義を満たさず、したがって規制物質であると述べました。

連邦の立法者たちは、2018年の農業法案を通じてヘンプを合法化した際、CBDから生成されるTHCの合成形態を考慮に入れていませんでした。

製造業者は、農業法案がヘンプとその下流の製品を合法化したため、デルタ-8も合法であると主張しています。農業法案の厳格な解釈に基づいて、昨年、米国の控訴裁判所もこれに同意し、立法者がさらなる立法によってその状況を修正できることを指摘しました。これが2023年の農業法案で行われる可能性があり、現在議論が進められています。

反対派は、2018年の農業法案がヘンプを使って精神作用性化合物を作ることを意図していなかったと主張しています。

彼らは、この法案の言葉を悪用して、汚染物質が多く含まれ、表示が不正確で、子供たちが魅力的に感じるような方法でマーケティングされることが多い、高濃度の合成THC製品を販売している悪質なプレイヤーたちがいると指摘しています。

嗜好用大麻のインフラ問題(経費計上可など)を解決していく

ミネソタ州の新法は一般的にコンプライアンス費用を軽減し、嗜好用大麻生産者が業界が直面している他の重要な障害をクリアする道を開きます。

まず、これにより、関係者は、内国歳入法(Internal Revenue Code280E条に固有の会計問題を避けることができます。この条項では、規制物質の取引に関連する規則に基づき、企業が経費を控除することを禁止しています。

補足:この規定は、通常、規制下の薬物(大麻など)の取引に関連する業務から発生する一般的なビジネス費用の控除を防ぐために用いられます。

また、新しい法律は銀行取引の規則も緩和しています。例えば、消費者は今後、嗜好用大麻製品の購入にクレジットカードを使用することができるようになるとライズ氏は述べています。

「ミネソタ州が完全な合法化を認可したことで、一部の生産者は成人向け市場に進出するためのライセンス申請を計画しています。しかし、一部の生産者は連邦法で合法とされているヘンプ由来の市場に留まるつもりであり、それは大きな利点を提供しているからです。」とライズ氏は述べています。

この法案では、検査、ラベリング、ライセンスの規定を設けており、製品に対して消費税上乗せで10%の特別税を課すこととしています。ミネソタ州の大麻管理局からの詳細な規則についてはまだ待たれています。

大手の独占市場にならないような州法で中小を底あげ

71日に施行される新法の成人向け嗜好用大麻の規定では、栽培業者からデリバリーサービスまで、10の事業カテゴリーに対して商業運営のライセンス制度を設けます。

補足:商業運営のライセンス制度とは、各事業者が適切な規制とガイドラインに従って事業を行うことを保証するためのものです。

議員たちは、州が嗜好用大麻ビジネスのライセンスを発行し始めるまでには1218ヶ月かかると推定しています。

地方自治体は、小売販売を選択しないことも可能で、これらの販売はライセンスを取得したディスペンサリーに限定されます。

また、21歳以上の成人は、個人使用のために1世帯当たり最大6株の植物を栽培することが許され、これは8月から開始される予定です。

州知事がこの法案に署名する前に、ライズ氏はCannabis Lawで、法案の筆者たちは大規模なカナビス企業がミネソタに進出することを熱望している大規模なカナビス企業の影響を最小限に抑えるために、垂直統合に厳格な制限を設けて法案を作成したと書いています。

補足:垂直統合とは、サプライチェーンの異なる段階すべて(栽培、製造、販売など)を一つの企業が制御することを指します。

この制限により、大企業が市場を支配するのを防ぎ、中小企業が競争に参加できるようにすることが意図されています。

HTJ
集部あとがき。注目すべき点は、「ファームビルに沿っていれば連邦で合法」という枠内におさまりながらも「強烈なスパイス」を付け加えてきたミネソタ州の新法案ですが、全米の「実験台」とも称されているほどです。これは本当にどうなっていくのかが楽しみです。DEAは「合成は違法」だとしているさなかで「合成を合法へ」と、この力強い州知事の決断。素晴らしいです。ファームビルは連邦法なので「ヘンプ且つ合法」という枠組みの中で、デルタ8のような製品が自由(喫煙はNG)に身近で販売・購入が可能になる上、州を跨いでの販売も可能です。何せニーズは全米ですでにあるので、そうなれば業者側も大きなコストがかかる「嗜好用大麻ビジネス」よりも、連邦法で合法なヘンプのみで事業展開していくという企業もたくさん出てくると思います。更に言うと、アメリカ全土の(弱ってしまった)ヘンプ農家の「ヘンプCBD」が、ミネソタ州に集結してしまうのでは?と思わせるほどの寛容な州法にも思えます。嗜好用大麻の合法化もインフラの改善や大企業に独占されてしまうことを抑止する内容などをしっかり意図し、他州での失敗を糧に新たな「独自路線」を切り開きました。コロラドやシアトルなどの大麻超先進州は「サイケデリクス」の研究に歩を歩めていて、それがどうとかという話ではありませんが、なんとなくミネソタ州が見ているアメリカ大麻産業に対する向き合い方、直接的な現場のダメージや足場を見ている感じに、個人的に魅力を感じます。これまでHTJでは、アメリカデルタ8問題を数々と取り上げてきました。その理由は、日本でも起こりうる未来のリスクに直接的に関与しているからです。もしかしたらこのミネソタの勇気ある一手が、アメリカの未来を変えるかもしれません。このミネソタ州の決断、是非、参考にしていきましょう。ちなみに、デルタ8製品は、喫煙は避けて、飲料や食品であればOKという方針も参考になると思います。(言うまでもなく全草全解禁が本願ですが)日本ももし可能であるならば、ヘンプCBDからのデルタ8抽出・販売がOKになるなら、莫大な経済効果を生むどころか、医療にも大きな貢献していくことが予想されます。今後もミネソタ州から目が離せませんね。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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