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廃棄物に支援金!?インド政府、繊維技術開発企業「Sahi Fab社」に140万ドル約(1.8億円)支援

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インド政府、繊維技術開発Sahi Fab社に140万ドル支援

インドのTechnology Development Board(以下、TDB)は、産業用のヘンプ、亜麻、イラクサなどのバスト繊維加工技術の開発を支援するため、M/s Sahi Fab Private Limited(以下、Sahi Fab社)に140万ドル(約1.8億円)を拠出することを約束しました。

補足:「バスト繊維」とは、ヘンプ、亜麻、イラクサ、ジュート、ラミーなどの繊維植物の茎から取り出される繊維を指します。これらの植物の茎に含まれる繊維は強度があり、細くて柔軟性に富み、様々な用途に利用されています。

科学技術省の一部であるTDBは、アパレルメーカーでありファーコートの加工業者であると契約を結び、農業の「廃棄物」である茎材料の生産・商業化のためのソリューションを進めます

補足:科学技術省に相当する機関は、文部科学省です。また、TDBはインドでは科学技術省の一部でありますが、日本での文部科学省とは異なる組織で、産業技術やイノベーションの促進を目的とした独立行政法人です。日本における類似の機関としては、独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や、独立行政法人・産業技術総合研究所(AIST)があります。

さらに200万ドル(2.6億円)のプロジェクトとして支援

更に、TDBは「総額200万ドル(約2.6億円)のプロジェクトとして資金提供します」。と、繊維加工技術を持つインド企業に呼びかけました。

「技術不足により、農業廃棄物は以前に未開発の状態にあった」とTDBの書記官であるRajesh Kumar Pathakは述べています。「数多くのスタートアップが新たな産業に進出しており、成功するためには財政支援が必要です。」

TDBは、インドの技術開発と商品化を促進し、イノベーションと起業を奨励する機関で、ヘルスケア、農業、エネルギー、環境分野の先進ソリューションの開発を支援するために、出資や融資、助成金を提供しています。また、インドと外国の企業との技術移転や共同研究も支援しています。

「農業廃棄物」を活用

Sahi Fab社は、同社が開発したヘンプの除皮技術を用いた産業用ヘンプの3段階の生産プロセス、高温・高圧の機器による湿式加工、さらなるアルカリと酵素の処理を採用していると説明しています。

TDBは、繊維植物の茎の生産は、持続可能かつ環境に優しい繊維を収集することによって循環型経済に貢献し、農民の収入を最大7倍に増やすことができると述べています。

「農業廃棄物」とは:農業の生産過程で出る残渣や副産物のことを指し、例えば、稲わらや落ち葉、野菜の茎や根、果実の皮や種子などが該当します。これらは、従来は焼却処理や埋立処分されることが多く、環境汚染の原因にもなっていました。

以下の過去記事も合わせて読まれると、「廃棄ヘンプ繊維」で何が実現可能なのか。という理解を深められますので、是非、ご参考ください。

3/18 「廃棄ヘンプ繊維」が生む巨大エネルギーの可能性、スーパーキャパシタ、エアロゲルもグリーンなGX時代へ

HTJ
まさに余すことない植物への道。一方で「なぜ廃棄になるのか」という点も非常に重要で、そこにはアメリカで言うと農業法、そして、イギリスはFSAが制定する規則、フランスはANSES、日本は厚労省が今後設定する規則、彼らが設定するTHC制限値によっても廃棄物の総量は大きく変わると言えます。ドイツのスーパーキャパシタへの廃棄ヘンプの活用なども一層活性化していきながら、インド、ドイツなどで共同研究で環境問題に直結している廃棄物を有益化させる課題の解決に進んでいくことを願います。廃棄ヘンプにおいては、そこからエネルギーを生ませる材料にするには「炭化」の研究が重要になってくるようです。ゴミになる部位まで活用され、それらがエネルギー化されたら、本当の循環型経済が一つの植物から生まれます。これからも廃棄ヘンプに注目していきましょう。ドイツが一足早いですが、インドが追いかけます。

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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