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【THC1.0%の制限値で救われるヘンプ農家達】ジンバブエのCBDバブルリスクヘッジ戦略、繊維や食品への多角化が成功の鍵

目次

先進国で生じるリスクを汲み取って拡大路線への一手

ジンバブエではヘンプ産業に関する規制や法律が整備されつつありますが、同時にインフラの整備や研究の拡大を進め、CBD以外の食品や繊維製品の生産にも進出することでリスクを分散させていく意向を示してます。

今年初め、ジンバブエの法律が改正され、産業用ヘンプが危険薬物リストから除外され、マリファナとヘンプの区別が1.0%のTHC濃度で設定されました。この1.0%THCの制限値は、多くの国が規制している0.3%という長年の慣例を破った形となり、スイス、チェコ、エクアドル、ポーランド、コロンビアなどに続きます。

ジンバブエは昨年、伝統的な生薬としてのCBDの国内市場を開放し、輸出用としてのみ生産を認めていた従来の法律を拡大しました。

THC1.0%の制限値で救われる農家達

THC制限値が1.0%に上がることで、産業用ヘンプ栽培者はCBDの生産効率が向上します。なぜなら、ヘンプの中のCBDの多くは、THCに比例して増加するからです。また、1.0%の制限値により、ジンバブエの農家はTHCの制限値を超えることを心配する必要がなくなります。なぜなら、世界で流通しているヘンプの種は、(ヘンプとして登録されている品種)0.2%または0.3%のTHC制限値を対象として品種改良されている種がほとんどだからです。

つまり、制限値を超える心配が無ければ、破棄の心配もない、破棄の心配が無ければ、安心して農業、抽出事業、販売に取り組めるという流れです。

ジンバブエのタバコ研究委員会(TRB)に所属する植物育種家であるクンビライ・マテバ氏によれば、「1.0%のTHC制限は遺伝子の選択肢を広げ、より多様な製品の生産を可能にします。また、特に、CBDとTHCの比率を組み合わせた特定の遺伝子が、興味深い繊維品質を生み出し、またCBDの花から相乗効果を持つ治療効果を引き出すという研究結果があるため、これは非常に重要です」と、ZimEyeのウェブサイトで語っています。

国の農業マーケティング機構(AMA)の最高経営責任者(CEO)であるクレバー・イサヤ氏は、地元のヘンプ種子品種の育種を強化する必要があると述べています。TRBは、過去数年間でジンバブエの気候条件に適応するために、ヘンプ遺伝子の試験および開発を行ってきました。

TRB(Zimbabwe’s Tobacco Research Board):タバコ研究委員会は、タバコ研究法(Chapter18:21)に基づき、1950年に設立されました。その使命は、ジンバブエにおけるタバコの研究を指揮、管理、実施することである。TRBの使命は、”持続可能なタバコ生産から経済価値を最大化するために、エリート品種と革新的な農業ベースの技術サービスと製品を開発・提供する “ことです。TRBはジンバブエにおけるフリューキュアード研究の独占的権利を有しています。ジンバブエで販売されるタバコの品種は、すべてTRBが推奨する品種でなければなりません。さらに、タバコに使用されるすべての農薬は、タバコの販売と賦課に関する法律により、使用前にTRBの承認を受けなければなりません。TRBは、科学と事実に基づいた生産者の管理を重視しています。
TRBの本部は、ハラレ郊外にある世界的に有名なクツァガ研究ステーションにある。

https://www.kutsaga.co.zw/about-us/

CBD市場のリスクと多角化への取り組み

ジンバブエのヘンプ産業はまだ小規模です。国の農業マーケティング機構(AMA)によれば、2021年から2022年にかけて生産量はおおよそ2倍に増え昨年は24ヘクタールが植えられ、主にヘンプの花が40トン生産されました。今年は50ヘクタールが予定されていますが、ジンバブエの農家が、金のなる木でもあるCBD用の花穂の栽培に主に焦点を当ててしまった場合、その収益は減少する可能性があります。

昨年、スイスからジンバブエの生産者には1kgあたり約10ドル(1,306円)が支払われました。しかし、過去3年間にCBD原料の供給過剰が生じ、2019年以降、価格が90%以上下落したことで、世界のCBD市場は価格の圧迫が続いています。

アメリカでは、2月のCBDバイオマス原料の平均価格は1kgあたり約7.50ドル(979円)で、これは新たな最安値であると、HempBenchmarksのアナリストが報告しています。

繊維・食品産業への展開の兆候

CBDの価格下落による大きな損害を回避するために、ジンバブエのヘンプ関係者は、ヘンプ繊維やヘンプ食品の生産における産業用ヘンプへの追加や移行を視野に入れて動き出しました。

政府は昨年、アフリカのファンドから6,300万ドル(約82億円)の融資を受けて、環境にやさしい建物を開発することで、建設業界においてヘンプクリートを有望な選択肢として挙げました。

この取り組みの下で、国立住宅・社会福祉省は、2025年までに22万の住宅ユニットを建設することを目指しています。また、政府は緑の建築材料を生産する工場を開発するための別の資金を配分すると述べています。

さらに、ヘンプはジンバブエで重要な食品作物になる可能性があります。政府はヘンプシードをベースにした食品についてはあまり言及していませんが、そのような製品の市場はすでに確立されており拡大しているため、ジンバブエのヘンプ関係者は、国内外でこの市場を開拓する可能性があります。

政府は、ジンバブエ産業用ヘンプ信託(ZIHT)を通じて、ヘンプ産業への支援を提供しています。ZIHTは、農家がヘンプ事業を立ち上げる手助けをし、輸出の可能性を探る開発イニシアチブです。さらに、産業用ヘンプは政府の「ビジョン2030」プログラムで注目される作物として位置づけられており、このプログラムは農業の収益性と地方開発を促進することを目指しています。

Zimbabwe Industrial Hemp Trust(ZIHT)とは?:ジンバブエ産業ヘンプトラストは、2017年1月1日に正式に登録されました。これは2015年からの創設者Z.J.T Maroveke博士のロビー活動から結実したものです。2016年にMaroveke博士がまとめたコンセプトノートが、ジンバブエ政府の関心と支持を集めました。現在もZIHTは、ジンバブエにおける大の合法化のためのロビー活動やアドボカシー活動(一人一人が問題提起し声をあげる運動)を行う主要な組織で、産業用ヘンプを主な対象としています。Zimbabwe Industrial Hemp Trustは、ジンバブエにおける大のパイオニアであり、主要なロビー・アドボカシー組織ですが、私たちは産業用大を主な対象としています。ZIHTは、産業用ヘンプの社会経済的インパクトは、医療用大の医薬品バリューチェーンよりも大きいと考えています。

https://www.zwiht.com/

マテバ氏によれば、ジンバブエでは研究に加えて、地元のヘンプ検査センターやヘンプ穀物・繊維製品の加工施設が必要とされています

タバコ産業衰退に伴う代替手段の模索

ジンバブエ当局は、産業用ヘンプを輸出の約20%を占めるタバコ産業の代替品と見ています。タバコ産業の縮小は、豊富な天然資源を持つアフリカ諸国であるジンバブエの経済停滞に寄与しており、この状況は約20年間続いています。

関連記事はこちら:タバコ不況をヘンプで代替。参考になるジンバブエの歩み「THC1.0%クラブ」に仲間入り、5年間の成果が今

現在、ジンバブエでは、アフリカン・メディカル・カンナビス・バイオテック社スイス・バイオシューティカル社の2社がCBDを生産していますが、国の農業マーケティング機構(AMA)から許可を受けた60の組織が存在しています。

そのうち27の栽培業者、18の小売業者、そして15の研究機関が含まれています。ドイツ、スイス、カナダなどからの投資家が、ジンバブエの大プログラムに基づく栽培および加工ライセンスを受けています。

HTJ
アメリカや他国のCBDバブル崩壊、農家のヘンプ離れを繰り返さないためにも、THC1.0%の制限値にすることが、未来のヘンプ農家を救う道です。THC制限が0.2%や0.3%は、ただ単に、市場に出回る登録されたヘンプ品種というだけで、いざ栽培、加工、抽出をしてみるとそれらの工程で制限値を超える可能性はかなりあります。フランス等にもTHCが0%のヘンプ品種はありますが、日本で栽培してないのでどうなるか不明です。これからあらゆる品種を集めて栽培していく日本です。なので、THC制限値には余白が必要なのです。制限値を超えるかどうかを意識して作業を進めるという無駄な工程を、今、世界のヘンプ状況を知る日本が、わざわざ導入する必要がありません。その決定1つで、未来、農家さん達が「苦しむか楽になれるか」の大きな分かれ道です。アメリカも5年の年月を経て、今年のファームビル新法案から「THCは1.0%に」。という規則を改めて議会に提出しています。日本も乗り遅れることないよう進めていきたいですね

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HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

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