MENU
カテゴリー

日産リーフも2台設置!?【GX時代の目標】に合わせた「美しいヘンプ住宅地」がイギリスで完売

目次

102㎡から383㎡で住宅価格は9,000万円〜2億1,200万円

この住宅地は、イギリスのレガシー・グリーン・ビルダー社のグループである、グリーンコア・コンストラクション社(以下、グリーンコア社)が開発したプレフォーミング・パネルのシステム「Biond」を使って建てられました。

これまでで最大規模の持続可能な住宅開発プロジェクトにおいて、ヘンプクリートパネルを使用した25戸の住宅となります。

グリーンコア・コンストラクション社:https://www.greencoreconstruction.co.uk/

Biondの概要資料:PDFページへ
ヘンプクリートミックスを使用したパネルのフランチャイズもしている

グリーンコア社によると、オックスフォードシャー州サウスムーアにあるスプリングフィールド・メドウズという開発地にある9軒のミニマムな住宅と16軒の大きめの住宅は、現在すべて売れて入居済のようです。

住宅の大きさは102㎡から383㎡で、価格は約9,000万円から約2億1,200万円です。こちらの開発地には、民間資金とTriodos Bank UKの銀行融資によって開発されました。

Triodes Bank UK:https://www.triodos.co.uk/

カーボンニュートラルよりもよい結果に

この開発では、すべての住宅に太陽光発電設備が設置されています。

「私たちは、国内で最も持続可能な住宅を建設できることを大変誇りに思います。“スプリングフィールド・メドウズという地域は、ヘンプを活用したサステナビリティを核とした美しい住宅を建設する模範的なスポットとなります。

冷暖房に必要なエネルギーが少ない省エネ建物の基準である「パッシブハウス」の性能を満たし、使用量以上のエネルギーを生み出し、排出量以上の炭素を吸収する建築プロジェクトを推進する国際的なイニシアチブである「ワンプラネットリビング」の認証を取得しました。

パッシブハウスとは?
ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす省エネルギー住宅である。日本で最初のパッシブハウスは2009年8月に神奈川県鎌倉市雪ノ下にて建築され、設計をKEY ARCHITECTS、施工を株式会社建築舎が行った。

ワンプラネットリビングとは?
WWFは、地球1個分で暮らせる持続可能な生活や社会を実現する「One Planet Living(ワン・プラネット・リビング」という考えを提唱。概要リンク:https://s.alterna.co.jp/uncategorized/58713

また、ニューヨークを拠点とするエンジニアリング・サービス・コンサルタントであるWSP社は、300㎡の住宅1棟を評価し、カーボンフットプリント基準に基づく検証を行いました。

カーボンフットプリントとは?
商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。

WSP社は、100㎡の住宅のカーボンフットプリントが-27.8トン(カーボンニュートラルより良い)であるのに対し、同じ大きさの従来建築の住宅は+120トンの結果だったと、グリーンコア社のコミュニケーション・マネージャーであるジェームス・プリチェット氏は述べました。

グリーンコア社によると、一部の住宅には蓄電池が設置されており、開発地域の住民は将来的に余剰エネルギーを送電網に戻すことができるそうです。また、住宅のサステナビリティ性能を記録するためのセンサーやモニターも配備されています。

スプリングフィールド・メドウズは、オックスフォードシャー州のサウスムーアにあります。

機能性も高く納期も半年というスピード建築

ミネラルウールパネルの約4倍の熱慣性(数値が大き程、と熱しににくくて冷めにくい)を持つグリーンコア社のヘンプクリートミックスパネルは、ヘンプ、混合石灰、木質繊維、独自のバインダーを含んでいます

標準的なパネルは、2.4×2.6メートル、厚さ30センチメートルです。

ヘンプの壁パネルとトリプルガラスの窓を組み合わせることで、高い音響性能を実現しています。骨組みには持続可能な木材を使用し、基礎には低セメントをベースとしたコンクリートを使用しています。

グリーンコア社によれば、ヘンプパネルやその他の基本的な構造部分をオフサイトでエンジニアリングすることで、建物は数日で耐候性を高め、6ヶ月で完成させることができます。つまり、プロジェクトはスケジュールと予算を守ることができるのです。

グリーンコア社は年間500エーカー(202ヘクタール)ものヘンプを栽培・加工するEast Yorkshire Hemp社からヘンプを調達しています(同社ウェブサイトより)。

East Yorkshire Hemp社:https://eastyorkshirehemp.co.uk/

植物・果樹・動物と共生し守るプライベートガーデン付き

開発全体が生物多様性を最大化するように設計されています。スプリングフィールド・メドウズの全住宅にはプライベートガーデンがありますが、生物多様性を最大化するように設計された開発全体には、ワイルドフラワーの草地、果樹園、池などの共用屋外スペースがあり、今後5年間、開発地の野生動物と生物多様性を監視するBBOWT(ベルクス、バックス、オクソン野生生物信託)と共同で考案されました。

スプリングフィールド・メドウズのすべての住宅所有者には、入居時にBBOWTの無料会員権が贈られました。

また、この住宅にはソーラーコレクターが設置され、敷地内には電気自動車クラブがあり、居住者がレンタルできる日産リーフが2台用意されています。

2050年炭素排出量ゼロを目標としたプロジェクト

トリオドス銀行の地域チームマネージャーであるポール・ニコル氏は、「2050年までに炭素排出量をゼロにするというイギリスの目標を達成するためには、新しい住宅が最高のエネルギー効率と持続可能性を持つことが緊急に必要です。のようなプロジェクトを支援することで、高品質で地域に根ざした住宅を人々に提供するとともに、住宅部門の脱炭素化に取り組んでいます」と述べています。

スプリングフィールド・メドウズのプロジェクトは、2021年のOxProp Best Residential Housing Developmentや、2021年のProperty Investor AwardsにおけるProperty Development of the Yearなど、数々の賞を受賞しています。

グリーンコア社は、歴史的建造物の修復や環境に配慮した建設に30年以上の経験を持つイアン・プリチェット氏(Managing Director)が率いています。

同社は2014年にヘンプを使った建物の建設を開始し、大規模プロジェクトにヘンプを使用した初期の例であるマークス&スペンサー チェシャーオークス(大型のアウトレットモールのような場所)の象徴的なプロジェクトで使用したパネルを提供しました。この開発では、さまざまなスタイルの住宅を提供しています。

HTJ
GX時代。というキーワード。この時代の目標に、日本としても向こう10年で「150兆円を投資」することが決まってます。世界のヘンプ先進地域では、このGX時代にヘンプを導入して研究、開発、事業化などの動きが活発化しています。2014年からこちらのグリーンコア社はヘンプ建造物に力を入れ始めて9年目の今日。素晴らしい住宅地の拡大路線に至ってます。さて、日本もタイムリーに盛り上がりを見せてますね、経産省のコミットに始まり、先日の三重県の議会のテーマも「GX時代のヘンプの振興」です。国の150兆円の予算も、これから先は、ヘンプの導入を避けれなくなってくるでしょう。脱炭素必須植物となることが予想されます。三重県の明和町ではすでにプロジェクトが稼働してますので、将来、明和町から、こちらのスプリングフィールド・メドウズのような美しいサステナブルな住宅地が創造されていくかもしれないと、期待が高まるばかりです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

AUTHORこの記事をかいた人

HempTODAYJAPAN編集部です。HemoTODAYより翻訳記事中心に世界のヘンプ情報を公開していきます。加えて、国内のカンナビノイド業界の状況や海外の現地レポートも公開中。

目次
閉じる