ヘンプクリート、国際コード受理によりアメリカで「重要な一歩」を踏み出す
アメリカのヘンプ建築関係者が、ヘンプクリートを国際コード協議会(ICC・国際建築基準のコード策定)の下で住宅用建築材料として承認するための文書の仕上げを行っていると述べています。
昨年9月、ICC(国際建築基準のコード策定)は、2024年のIRC(International Residential Code)に、非耐力建材および壁面を埋めるシステムとしてのヘンプクリートミックス(ヘンプ石灰混合物)の使用を規定するコード・解説などの書類・付属書を受理しています。
2018年、2021年のIRC(International Residential Code)
ICCプロセスの最終の段階としては、「コードの言語を説明する公式解説の完成である」と、これらの取り組みを主導する非営利団体Hemp Building Institute(HBI)の代表、Jacob Waddell氏は言います。
ヘンプクリートの活用を世界的に拡大させるための仕組み作り
Hemp Building Institute/Jacob Waddell氏
「これは、ヘンプクリートが建設業界で広く採用されるための選択肢となる旅路の重要な最初のステップです。建設業界の専門家は、これら承認されたコードを使ったヘンプ建築に何が必要なのかの指針を得たことになり、規範の要件を広めるための教材を開発することもできます」。と、Waddle氏は述べました。
IRC(International Residential Code)は、基本的に地元の管轄区域が採用することが可能なモデルコードが掲載されており、一戸建て、二戸建て、タウンハウスの最低基準を定めています。
ウィスコンシン州を除く米国全州の住宅建築基準の基礎となるこのガイドラインは、新しい建材ヘンプと新しいヘンプ建築設計の両方を可能にする広範な原則に基づいています。ICCコードは主に、アメリカで使用されていますが、他の国でも採用されているところがあります。
それぞれの地域の自治体がIRC規格を採用している場合、建築家や施工業者は建築許可申請時に材料を指定することができます。
2022年の申請の際に680万円を集め始まった
定期的に更新されるICCのモデルコードは、設計・施工、火災安全、配管、機械設備、エネルギー効率に関連する建築物の安全性に関する問題を扱っています。
北米全域の建築・安全専門家が、協議会の規約の策定に専門知識を提供しています。ICC委員会の投票メンバーは、政府の健康・安全機関に勤務しています。
IRC(International Residential Code)のヘンプクリートミックスの解説では、地震リスクの低い地域で工学的な設計を行わずにを使用できることが掲載されてます。また、地震リスクの高い地域の建物は、工学的な設計が必要であるとされてます。
IRCのヘンプクリート認証のための最初の申請は、Hemp Building Instituteが2022年に提出し、それら申請作成のために5万ドル以上(約680万円)の資金を集めました。
HBIはプレスリリースで、「潜在的なヘンプの誤解を明らかにし、コードに採用されなかったかもしれない既知の代替案について、業界関係者達の理解を広げることを目的とした解説を完成させるために、現在さらに2万ドル(約278万円)を集めようとしている」と述べている。
2025年以降は商業用ビルにもヘンプクリートが活用されるかもしれない
HBI(Hemp Building Institute)によると、解説には、ヘンプクリートが壁面システムだけでなく、天井や床材にも使用できることを明確にし、その他の補足説明も含まれる予定です。
関係者は、米国の建築基準法にヘンプクリートを含めることで、このヘンプ材料に基づくプロジェクトの道が広がり、住宅用ヘンプ建築分野全体を拡大させるきっかけになると述べている。
Waddell氏(Hemp Building Institute代表)によると、HBIは、IRC(International Residential Code)の対象外の建物を管理するモデル国際建築基準法(IBC)を通じて、商業ビル用のヘンプクリートを認定する計画があるとのことです。IBCは3年ごとに更新され、2025年に提出が開始される予定です。