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希少カンナビノイドのエビデンスの現在地

目次

主要なTHCCBD以外のものは希少カンナビノイド

 

大麻草に含まれる120種類以上の生理活性物質の総称はカンナビノイドと呼ばれています。

その中で、THCCBDは、最もよく知られており、研究が進んでいる主要なカンナビノイドです。

それ以外のCBN,CBC,CBG,CBDA,CBGA,THCA, CBDV,THCVなどは希少カンナビノイドと呼ばれています。

ここでは、米国のサウスカロライナ州立大学など研究者がまとめた希少カンナビノイドの現時点(2112月)でわかっているエビデンスを紹介しています。

 

希少カンナビノイドの要旨

 

大麻草(Cannabis sativa L.)の医療利用は、数千年前の古代中国やエジプトにまで遡ることができる。近年、大麻草は慢性的な痛みや吐き気を抑える効果が期待されているが、スケジュール1の規制物質に分類されているため、大麻草の科学的研究は制限されている。

 

大麻草の薬理作用を理解する上で大きなブレークスルーとなったのは、植物性カンナビノイドであるトランス-Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)とカンナビジオール(CBD)が分離され、その特徴が明らかになったことである。

 

その後、1990年代にカンナビノイドのCB1およびCB2受容体のクローニングが行われ、エンドカンナビノイド・システム(ECS)が発見された。大麻草では、主要な植物性カンナビノイドであるΔ9-THCCBDに加えて、希少カンナビノイドやマイナーカンナビノイドと呼ばれる120種類以上のカンナビノイドが生産されている。

 

これらのカンナビノイドは、植物内で少量しか生産されず、Δ9-THCおよびCBDとともに前駆体カンナビノイドであるカンナビゲロール酸(CBGA)から生成される。

 

希少カンナビノイドの薬理作用に関する現在の知識は不完全であるが、研究によると、CB1およびCB2受容体、一過性受容体電位(TRP)チャネル、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)、セロトニン5-HT1a受容体などの複数の標的に対してアゴニスト(作動薬)およびアンタゴニスト(拮抗薬)として作用することが明らかになっている。

 

その結果、複数の細胞シグナル伝達経路が活性化され、それらが相乗的に作用すると考えられることから、治療効果のメカニズムが解明されている。これらのカンナビノイドは、神経因性疼痛、神経変性疾患、てんかん、がん、皮膚疾患などの治療に有効であることが、初期の臨床報告で示唆されている。本レビューでは、希少カンナビノイドの分子薬理学に焦点を当て、これらの化合物の重要な治療用途を紹介する。

 

エビデンスを取り上げている希少カンナビノイド

 

目次

・はじめに

・植物性カンナビノイドの生合成

・エンドカンナビノイドシステム

 カンナビノイドのCB1受容体およびCB2受容体

 内因性カンナビノイド

・希少カンナビノイドの薬理学と治療学

・中性カンナビノイド

 CBN(カンナビノール)

 CBC(カンナビクロメン)

 CBG(カンナビゲロール)

・カンナビノイド酸

 CBDA(カンナビジオール酸)

 CBGA(カンナビゲロール酸)

 THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)

・バリン系カンナビノイド

 CBDV(カンナビジバリン)

 THCV(テトラヒドロカンナビジバリン)

 

図 植物性カンナビノイドの治療への利用可能性

  

有効性の確認はランダム化比較試験(RCT)が必須

 

希少カンナビノイドの安全性と有効性は、医療における科学的根拠(エビデンス)と呼べる前段階の動物実験やIn vitro(試験管の研究)がほとんどであり、ヒトを使った臨床試験は一部に過ぎない状況です。通常の医療用医薬品であれば、結果の信頼性が高いレベルⅡのランダム化比較試験(RCT)が必須です。

 

また、一般食品であっても2015年から制度化された機能性表示食品では、ランダム化比較試験(RCT)のエビデンスが求められています。

 

費用や手間の関係からランダム化比較試験(RCT)の研究の実施には、高いハードルがあります。しかし、希少カンナビノイドを取り扱う事業者は、社会的な信頼性を高めるためにも、積極的にエビデンスづくりに挑戦してほしいものです。

 

図 エビデンスの質(レベル)と希少カンナビノイド 

 

参考文献

カンナビノイドの科学(築地書館)第8章カンナビノイドの利用p132151 

 

「希少カンナビノイド:生合成、分子薬理学、治療応用の可能性」の仮訳全文を読みたい方はこちらへ

http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=121623

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AUTHORこの記事をかいた人

2015年9月に設立された、カンナビノイドの臨床研究を目的とした学会。編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。
同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。

2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。

2019年7月時点で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。

http://cannabis.kenkyuukai.jp/

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