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インタビュー:「環境性能の高い代替繊維・ヘンプ」

 

1994年に創業の、カリフォルニアを拠点とするヘンプ・トレーダー社の社長であり、2018年創業のヘンプ製パーティクルボードの生産を行う Cannagrove 社の創業者でもあるローレンス・セルビン氏は、ヘンプ業界に携わって31年のベテランです。

セルビン氏は、ヘンプの商取引のための業界団体「Business Alliance for Commerce in Hemp」の元ナショナルディレクターであり、「Hemp Industries Association(全米ヘンプ産業協会)」の元会長兼ディレクターです。 また、2017年から2020年まで、カリフォルニア州食品農業局のカリフォルニア州ヘンプ諮問委員会の委員長を務めました。

彼は現在、建設および繊維部門をサポートするために、米国の剥皮、加工、および紡績施設を稼働させる事に注力しています

 

目次

インタビュー

 

HempToday(以下HT):ヘンプトレーダーには幅広い種類のヘンプ製品があります。現在、どのような商品がトレンドになっていますか?

ローレンス・セルビン(以下LS):私たちは、これまで麻織物を販売してきましたが、現時点では、他の繊維から出来ている織物に代わる、環境性能の高い代替繊維としてのヘンプへの関心が、確実に高まっています。

 

 

HT:機械が米国に存在しないため、ヘンプトレーダーが中国から糸を輸入しているとおっしゃいましたが、中国からの糸は常に安価ではないでしょうか?

LS:おそらくそうでしょう。中国は所得水準が低い事によって生産コストが低いため、中国と協力することには費用便益があります。また、中国との間で船で物を輸送することは、かなり安価で環境にも配慮できています。しかし、米国には自国でヘンプを栽培するチャンスがあります。

 

 

HT:米国内でのヘンプ繊維や建築材料のサプライチェーンの発展をサポートするために、農家や加工業者を稼働状態へと導くことに関して、あなたの仕事はどのように進んでいますか?投資の状況について、どのように思いますか?

LS:非常に良いと思います。現在、カリフォルニアのセントラル・バレーで、我々の最初の農場サイズのテスト栽培を行っています。今年得た、こうした情報により、2022年には商業規模での栽培が可能になります。また、ヘンプ栽培地の近くに繊維加工施設を設置しました。

 

 

HT:あなたがカナグローブで開発した、ヘンプ製のパーティクル・ボードの経済性は如何ですか?この時点で、従来の木材チップ製・パーティクル・ボードと価格を比較する事は尚早でしょうか?

 

LS:私たちが最初に作ったヘンプ製パーティクル・ボードは、生産工場まで原材料を輸送しなければならなかったため、通常のパーティクル・ボードよりも高価でした。送料はボード製作費の半分ほども掛かりました。
しかし、栽培地に近い施設でこのボードを作ると、はるかに安価になります。そして今、通常の木製パーティクル・ボードのコストが高くなっているため、ヘンプは、より安価な代替品になるでしょう。

 

HT:ヘンプ建材全般は、どうなっているのでしょうか?市場に大きな動きはありますか?

LS:ヘンプ建材市場の主な問題の1つは、原材料の不足です。これまで殆どの場合、原材料は輸入する必要がありました。米国で繊維用のヘンプの栽培が増えるにつれ、より多くの材料をより低コストで入手できるようになります。これこそが、ヘンプ建材産業をスタートする要因となるでしょう。

 

 

HT:今後5年間で、このようなバイオ・コンポジット製品の生産量推移を、どのように見ていますか?

 

LS:2021年と2022年にヘンプ繊維製品と穀物の市場が確立し始めると思います。その後、農家が繊維と穀物専用の栽培面積を増やすことで、需要が大幅に増加するでしょう。

 

HT:カリフォルニアの一部の地域は、ヘンプをあまり歓迎していないようです。あなたの州ではどうでしたか?

 

LS:現在、2つのことが起こっています。
州の一部の地域には、マリファナを生産してきた歴史があります。これらの地域の人々は、彼らの作物が、CBD比の高いヘンプ品種と受粉・交雑して(マリファナとしての)価値を下げる可能性があることを懸念しています。
他のCBD向けのヘンプ栽培地域では、収穫時期にヘンプが放つ刺激的な臭いに不満な人々もいます。全体として、特に花を生産しない繊維作物に関しては、ヘンプ産業には過剰な規制があると言えます。
*編集部注;繊維用のヘンプは、花粉や匂いの原因となる花穂が開花する前の、若い時期に収穫してしまうため、上記の交雑や刺激臭の問題は発生しない。

 

HT:30年前にヘンプに携わり始めたとき、業界は今よりも早く発展すると思いましたか?

LS:1990年代初頭、私は最初に産業用大麻が合法化され、次に医療大麻、そして娯楽用大麻が合法化されるのを目にするだろうと思っていました。
そしてこれが、すべて90年代の終わりまでに起こるだろうと思っていました。しかし実際には、最初に医療用大麻が合法化され、次に嗜好用、そして最後に産業用(ヘンプ)が解禁された。しかも、それには25年以上かかりました。

 

HT:ヘンプ産業で31年は長い時間です。だれか尊敬する人はいますか?

LS:私が尊敬する人は数人います。カナダは1990年代後半に産業用大麻を合法化し、ヘンプ食品の需要を満たすために2つの企業が出現しました。 Shawn Crew氏によって設立された Hemp Oil Cana​​daと Mike Fata氏によって設立された Manitoba Harvest社は、プロのヘンプ企業が、どのように見えるべきかを示す良い例です。

 

引用元:https://hemptoday.net/hemp-surging-as-an-environmental-alternative-to-other-fibers/

 

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