タイ伝統医学の手頃な大麻製剤を目指す
各国による国際薬物条約の遵守を担当する国連機関の前委員長がタイの医療大麻企業 Thai Cannabis Corp.の社長に就任し、グローバルな意味での大麻産業の信頼性向上に影響を与えています。
Viroj Sumyai氏は2017年から2018年まで、国連の国際麻薬統制委員会(INCB)の委員長を務め、当時は非医療用大麻プログラムや「規制が不十分な」医療大麻プログラムへの批判を表明しました。
しかし今回の社長就任にあたり「過去10年間で、医療大麻の臨床効果は科学的に証明されました」と同氏は声明で述べました。
同氏によると、タイ・カナビス社は、タイ、そして最終的にはアジアのその他の地域に、「タイ伝統医学に古代から伝わる、安全で効果的で手頃な価格の大麻製剤を供給する」ことを目指しています。
画像:引用元 Viroj Sumyai氏
専門家は、今回のスミヤイ氏の就任が、医療大麻を世界中の表舞台、特に保守的な官僚組織に持ち込むのを助けるかもしれないと言います。
「この出来事は、これまで大麻に関して躊躇してきた国際官僚からの信頼性を高めます」と、ロンドンに拠点を置く国際的医療大麻企業であるマテリア・ベンチャーズの Deepak Anand CEO は述べました。
「これはアジアに大きな影響を与え、アジアの国々が大麻をどのように捉えるかにも影響を与えるでしょう。こうした国々は、INCBと国連を非常に気にしています。」
しかしアナンド氏は、この動きが嗜好用大麻政策に影響を与えるとは思わないと付け加えました。
画像:引用元
ウィーンに本拠を置く Cannabis Catalyst のアナリストであるジュリアン・ナビル・サルワット氏は、マリファナ・ビジネス・デイリーに対し、スミヤイ氏の社長就任は「タイの大麻産業および国際的な企業の強力な競争優位につながる可能性がある」と語りました。
「Viroj Sumyai氏は、薬物規制の分野で国内および国際的に尊敬されている、いわば主役であり、規制当局および業界関係者とタイ・カナビス社の関係をさらに強化することができます。彼は間違いなく同社に国際法の効果的な遵守に関する深い洞察を提供するでしょう」
とサルワット氏は述べました。
2010年にチェンマイで設立されたタイ・カナビス社は、主に医療用マリファナ政策に関するタイ政府の非公式の顧問として活動してきました。
過去の反対
画像:引用元
ウィーンに拠点を置くINCBの委員長として、かつてスミヤイ氏は非医療用途の大麻の合法化に非常に批判的でした。
2018年にカナダ議会が成人用大麻法を可決した後、カナダが国際的な薬物規制条約に違反したとして
INCBはカナダの公衆衛生状況を非常に懸念しています。 これは、大麻の非医療的使用を合法化するという同国政府の決定に起因します。
と当時カナダを非難しました。
INCBの2018年レポートの前進で、スミヤイ氏はいくつかの連邦規制による医療プログラムを槍玉にあげ、カナダの枠組みを含む「規制が不十分な医療大麻プログラム」を批判し、「非医療用大麻使用の合法化に貢献した可能性がある」と述べています。
タイの市場規模
画像:引用元
タイは昨年、医療用大麻の法的基盤を確立し、今後数ヶ月から数年のあいだ、急速な規制の発展が続くと予想されています。
しかし専門家は、大麻セクターの完全な商業化と民間企業の自由なアクセスが2024年以前に実施される可能性は低いとみています。
それでも、医療用大麻の管理を自由化にむけてタイ政府がとった最初の措置は、同様の動きを評価する他のアジア市場にとって重要な先例と見なされています。
画像:引用元
Cannabis Catalystsの最近のレポートでは、東南アジアの大規模な医療用大麻市場は、さまざまな要因に左右されるものの、2024年までに4,600万ドルから3億1,200万ドルの価値があると予測しています。
Cannabis Catalystsのサルワット氏は「発展途上のタイの大麻産業と、高い内需を期待している同政府は、医療用大麻の国際的な商業的可能性も認識しています。これは、医療大麻に関する法律に、はじめから輸出を解禁する形で反映されています。」と述べました。
しかし、報告書は「規制の詳細が欠如しており、法的手続きの多くの側面がまだ定義されていない」と記しています。
記事:引用元