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HTJは、来年のアメリカ大統領選挙は、大麻政策がカギを握ると考えています。本日は、その大統領選の続報を大胆な仮説を交えてお伝えします。
なんとしてもトランプ大統領をホワイトハウスから蹴り出そうと、民主党支持者たちが奮闘するなかで加熱する指名候補争いですが、ここにきて面白い動きが見られます 。
ヒラリー出馬か?「not yet」発言で拍手喝采
自身の提案した大麻解禁法案が史上初めて委員会を通過するなど健闘を見せていたカマラ・ハリス候補は、残念ながら資金の枯渇などを理由に戦線を離脱しました。
その後、革新系のエリザベス・ウォーレン候補が支持を伸ばしていたのですが、10月頃には失速し、中道寄りのジョー・バイデン元副大統領が、若年層から不人気ながらも安定して首位を保っています。
ところが、先頃ハリス・ポールによって行われたオンライン調査で分かったのは、実は、民主党員から最も人気があるのは、立候補もしていないヒラリー・クリントン氏という事でした。
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ヒラリー氏が21%、バイデン氏が20%と、その差は1%ですが、候補者よりも人気が高いというのは驚かされます。
彼女は大統領選には出馬すると言っていませんが、先週テレビに出演した際に政界引退の意志について「後進に道を譲る心算ですか?」と問いかけられ、「まだよ」と応えてスタジオを沸かせました。
(※2:05位で「not yet」発言をして拍手喝采)
続いて「出馬を望む声は殺到している」と認め、「事態は急速に動いているので、早く決断しなければいけない」と、公の場で初めて出馬の意思表明とも取れる発言をしました。
彼女は、先の大統領選でトランプ大統領に敗れましたが、それは選挙人団と呼ばれる州ごとの代表による投票(間接選挙)の結果負けたのであって、実際の投票では300万票近い差をつけて勝っていました。こうした結果を踏まえて、いまだにヒラリーを推す声は強いのです。
医療大麻には賛成、2020年に向けてどう動く?
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さて、では彼女の大麻政策はどのようなものなのでしょうか?これまでの発言を振り返って簡単にまとめると・・・
・医療大麻の解禁には賛成
・「スケジュール Ⅰ」と呼ばれる最も厳しい麻薬指定を解除し研究を進めるべき
・各州による嗜好用大麻の解禁は支持
・連邦による全面解禁には懐疑的
といった具合です。
しかし、これは2016年の大統領選の時に示されたもので、その後に公式の場で彼女が大麻政策について語ったことがないために、各州による大麻解禁が続き、有権者による大麻解禁支持が67%を超えるなかで、彼女が今どのように考えているのかは、まだ分かりませんが、このところ民主党候補者の間で大麻解禁が主流となっている現状を受けて、考えを新たにしている事は想像に難くありません。
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むしろ、そうでないのであれば、彼女は民意を反映するべき民主国家の政治家としての資質に欠けると言えるでしょう。ぜひ、世相と国民の声を受け止めたうえでのアップデートされた彼女の大麻政策を聴いてみたいものです。
唯一の大麻解禁否定派のバイデン氏
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では、ヒラリーと僅差で人気を分けているバイデン氏の大麻政策はどうなのでしょうか?
大麻吸引の経験を告白しているオバマ大統領の政権で副大統領を務めた人物ですが、実は、彼は長年、民主党内では麻薬犯罪に対して強硬派の筆頭で、先日委員会を通過した「大麻関連の犯罪履歴を抹消する」法案が問題として取り上げている、80年代から90年代にかけて行われた「大量収監」とよばれる大規模な大麻取締りを推進した張本人です。
先月、バイデン氏はラスベガスで「全米で大麻を解禁する前に、大麻がゲートウェイドラッグではないという研究結果がもっと必要だ」と発言し、未だに、大麻使用は後に強力な他の薬物使用につながるという、今では完全に否定されている非科学的な「ゲートウェイ仮説」の支持者である事を公言し、連邦の大麻解禁に反対の立場を示しました。
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他の指名候補者は全員大麻解禁を支持しており、この発言には彼らから非難の声が相継ぎました。
消極的なバイデン氏の発言を整理
特に黒人候補のコリー・ブッカー候補は、自身の支持母体である黒人コミュニティがバイデン氏の麻薬戦争の被害者であることから「発言を聞いたとき、あなたはハイなのかと思った」と皮肉たっぷりにイジリ倒しました。
このように大麻解禁に対して消極的なバイデン氏ですが、これまでの彼の発言から整理してみると
・医療大麻には賛成
・大麻の研究を可能にするべく「スケジュールⅡ」に変更すべき
・大麻の非犯罪化には賛成
・大麻関連の前科は抹消され、現在大麻関連犯罪で収監されている人々は即釈放されるべき
・全面解禁には反対
・嗜好用大麻は各州の判断に委ねる
と、決して解禁に否定的なわけでもないようです。むしろ、2016年時点でのヒラリーのポリシーと比較するとバイデン氏の方が大麻解禁に寛容だといえます。
ただし、HTJの読者の皆さんが期待しているような大麻ビジネスを拡大するチャンスを創出するか?という意味では一番望まざる候補である事は間違いないでしょう。なぜなら「非犯罪化」は、「自由」と担保するものの、投資や雇用や製品の流通を生まないからです。
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という事で、残念ながら大麻解禁に唯一反対しているバイデン氏が、今のところトップを走っている民主党の指名候補争いですが、そんな彼も上記のインタビューで「何人たりとも大麻が原因で留置所に行くべきではない。以上。」と発言して大麻の非犯罪化支持を明確にしております。
つまり、来年の大統領選挙で、もし民主党候補がトランプを破れば、それがどの候補であろうとも、2021年にアメリカは全土で大麻を使用する事が出来る国になるでしょう。