2020年大統領戦でも大麻は重要トピックだが・・・
Vape(ヴェイプ・電子タバコ)は、大麻産業内でも急成長中の部門で、日本でもCBDを注入した専用のリキッドがたくさん売られています。
このところ、Vapeが原因とみられる死亡例や重篤な障害の報告が相次ぎ、ついにトランプ大統領が電子タバコの販売全面禁止の方針を表明しました。
今回の措置が業界に与える影響は大きいとみられ、早くも懸念の声が上がっています。
大麻の合法化は、現在米国では重要なトピックです。
2020年の大統領選挙に向けて指名争いが過熱する中、各候補者は大麻解禁支持を表明しており、多くの投資家が合法化に対する米国の姿勢を見守っています。
その間、Vapeに関連した死亡は増加し続けています。
電子タバコに関する懸念は、アメリカの大麻解禁に水を差すのでしょうか?
Vape利用者は8年で5倍の3,500万人
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Vapeは喫煙に代わるものとして人気を博し、そのユーザーは2011年の700万人から2016年には3,500万人に増加しました。Euromonitorの調査では、ユーザー数が2021年までに5,500万人に達すると予想しています。
しかし、ここ数週間の間に明らかになった電子タバコに関連する死亡や障害例は、Vapeビジネスを脅かしています。
電子タバコによって引き起こされた最初の死亡例は、8月にイリノイ州で発生しました。
それ以降、オレゴン、インディアナ、ミネソタ、およびカリフォルニアでさらに4人の死亡の原因となった事が疑われており、呼吸器系障害に関しては、33の州で450件に上ります。
CDC(疾病予防管理センター)とFDA(食品医薬品局)は、より多くの情報が収集されるまで、電子タバコの使用を停止するように警告を発しています。
そもそもVapeとは何か!? アイコスは?
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電子タバコ装置から加熱された「蒸気」を吸入することをVapeといいます。なので、アイコスのような仕組みをvapeとは言いません。
Vapeのデバイスには、加熱する必要がある液体が封入されており、この液体には味や香りだけでなく、ニコチン、マリファナ、またはその他の薬物が含まれている場合があります。
保健当局によると、Vapeデバイスメーカーは、若者を引き付けるために誤解を招くマーケティング戦略を利用している可能性があるといいます。
現在、Vapeの長期的な健康に対する影響についてはあまり分かっていません。
ただし、一部のユーザーは重度の肺関連疾患を経験しています。最近、カナダ保健省は声明を発表し、電子タバコの危険性について警告しました。
大麻産業界の懸念、vapeの死の原因は何か
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こうした電子タバコは、いずれの大麻企業にも直接関係はありません。
ただし、一部の患者は、「大麻抽出物であるTHCを吸っていた」と報告しており、メディアもそこを強調して伝えています。
今この記事を読んでおられるHTJユーザーならば御存知だと思いますが、数千年の歴史の中で、大麻が原因で死亡した人間は一人もいません。
つまり、こうした一連の「事故の原因が大麻でない事は科学的に明白」なのですが、大麻反対派が騒ぐことによって解禁論に水を差す事が懸念されます。
Fox Newsの記事では、ニューヨークの調査員が13人の患者のカートリッジに「ビタミンEアセテート」と呼ばれる成分を特定したと述べています。
この成分はマリファナのvapeオイルを濃縮するのに使用されていたとみられており、ビタミンEアセテートは加熱して吸入すると非常に危険な物質です。
Vapeは大麻産業、プレイヤーにどのような影響を与えるのでしょうか。
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主要な大麻企業は、大麻合法化の次の段階に備えています。カナダは来月、レクリエーション用マリファナの合法化の第2段階を迎えます。
同国は、大麻入り食品、大麻入り飲料、抽出物、およびその他の様々な製品を合法化します。
多くの企業は、vapeビジネスにも関心を示しています。vapeはこれまで、時間をかけて人気を得てきました。カナダ保健省は、タバコの喫煙の代わりにvapeを推奨していました。
Vape事業に続々参入していく大麻企業群
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Aphria(APHA)社は、カナダ政府がVapeと濃縮物を合法化した後、消費者ベースの製品の多様化を望んでいます。
同社は、2021年までにVapeおよび濃縮事業からカナダの合法大麻市場の30%を獲得することを目指しています。
Aphriaは、6月にPAX Labsと提携し、Vapeおよび濃縮製品の幅広いポートフォリオを導入しました。
同社は、医療患者および娯楽用の成人用のPAXポッドを導入する予定です。しかし、計画は、大麻法の改正によってVape用の大麻抽出物の販売が許可されるかどうかに依存します。
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Aphria株は9月に8.4%、年初からは19.3%上昇しています。
OrganiGram社(OGI)は、電子タバコ製品を生産する新しい施設の拡張も計画しています。
OrganiGram社の経営陣はブルームバーグ対し、「Vape市場は、短期的にはドライフラワー(乾燥大麻)に次いで2番目に大きな市場であり、新しい消費者を獲得する最大の原動力になると考えています」と述べています。
同社の株価は、9月に15.6%上昇していますが、OrganiGram社株はYTDで見ると37%下げています。
Canopy Growth社(CGC)(WEED)もVapeビジネスに足を踏み入れました。同社はGreenlane Holdings社と販売契約を締結し、米国市場を狙っています。
キャノピー・グロース社は、米国のStorz&Bickelを通じて電子タバコを製造しています。
同社は直近の四半期で業績が良くありませんでした。 Vapeおよびヘンプビジネスへの進出が、Canopy Growth社の収益性を向上させる可能性があります。同社の株式は9月に16.3%、YTDで2.0%上昇しました。
大麻が原因での死亡はありえないが、反対派としては?
こうのように積極的な拡大が進行中ですが、今回明らかになったVapeにまつわる一連の不幸な事故は、大麻産業に影響を与える可能性があります。
先に述べたように、大麻自体には人を死に至らしめるような毒性が無い事は、歴史が証明しています。
事故の事例の全てが大麻使用に関係しているわけでない事からも、大麻が原因でない事は、論理的に考えれば分かる事です。
しかし同時に、そうした大麻成分をVapeで使用するために配合される成分に、有害なものが含まれていた事も事実です。
こうした事態を、反大麻解禁のプロパガンダとして利用する勢力が出てくる事は十分想定できる事であり、そうした非論理的な論争に正面から胸を張って反論する為にも、現在Vape製品を取り扱っている企業は、今すぐに自社の製品ラインナップを再検証し、もしビタミンEアセテートなど(これだけではありませんが)の有害な成分が含まれているものが確認されたなら、速やかに販売を中止し、自主回収するべきでしょう。
もしこの対応をおざなりにしておけば、後に命に関わる悲惨な事故を招き、訴訟に発展すれば、自社の破産は勿論の事、CBDを筆頭として成長を始めたばかりの日本の大麻産業全体に長く暗い影を落とす事になるのです。
引用元:https://articles2.marketrealist.com/2019/09/cannabis-vaping-concerns-will-dream-go-up-smoke/