オーストラリアのヘンプ関係者によると、ニューサウスウェールズ州の産業用ヘンプ栽培者が違法にCBDを生産しており、ブラックマーケットが拡大し、その規模は国内の合法的な医療用CBD市場の10倍と推定されています。
オーストラリアの医薬品局(TGA)は、昨年末にCBDに関する規制を緩和し、認可を受ければ制限付きでCBD製品を店頭で販売できるようになりました。
しかし、同局はまだCBD製品の店頭販売に認可を与えておらず、合法的に入手するには処方箋が必要となっています。
オーストラリアでは、CBDの処方は今年に入ってから月に約1万件に倍増していると言われていますが、多くの消費者は、安価であることからブラックマーケットの製品を利用しています。
消費者を危険にさらす
ブリスベンの医療用大麻企業Medcan社のCraig Cochran氏は、オーストラリアのABCニュースに対し、ブラックマーケットに出回る製品は消費者を危険にさらすことになると語りました。
「何が入っているのか、どのように栽培されているのか、カビが生えていないか、農薬や重金属が含まれていないか等、ブラックマーケット製品の危険性を挙げればきりがありません」とCochran氏は述べています。
シドニーに拠点を置くCBD企業 Elixinol Wellness Limitedの非常勤取締役であるPaul Benhaim氏は、ABCニュースに次のように述べています。「ニューサウスウェールズ州北部では、CBDが多くの場所で普通に入手できることは常識です。処方箋なしでも合法と謳っているところも多いです」
ニューサウスウェールズ州の警察は、ABCニュースに対し、捜査機関がTGAと協力してヘンプ産業を監視しているが、CBDの違法な生産と販売に関する本格的な調査が行われているかどうかについては言及しませんでした。TGAも同じく、現在進めている調査についてはコメントしていません。
TGAは昨年、特定の医療用大麻製品の広告が違法であると判断し、西オーストラリア州の企業に10,000豪ドル(約82万円)以上の罰金を科しています。
様々な規制要件には批判も
昨年行なわれた主な規制の変更点として、TGAが医薬品基準を改正し、CBDをスケジュール4の処方薬からスケジュール3の薬剤師専用薬にダウンスケジュールしたことが挙げられます。
これは、低含有量のCBD製品が市販されず、使用方法を相談した上で、薬剤師からの購入だけが可能なことを意味します。
またCBD製品は、TGAの承認に加えて、政府保健省のAustralian Register of Therapeutic Goods (ARTG)に登録する必要もあります。
関係者の間では、CBD製品がTGAの承認プロセスをクリアし、市場に出回り始めるのは2022年以降になると言われています。
ARTGやその他の基準を満たす必要があるということは、CBD製品が、オーストラリアの医療用医薬品の承認に適用されるのと同じような高いハードルや規制に直面することを意味すると批判されています。
現在のスケジュール3の医薬品の登録プロセスでは、有効性を示すデータが必要とされていますが、低用量のCBD製品では有効性を証明するのは難しいかもしれないと、一部のCBD関係者は警告しています。
引用元;https://hemptoday.net/australian-stakeholders-say-black-market-for-cbd-is-thriving/