ベルギーのWaterlooにあるヴィラ。IsoHemp社製のヘンプ・ブロックを建物前面に使用している。
100万個の生産から500万個へ
ベルギーのヘンプクリート・ブロック製造メーカーである IsoHemp は、新工場建設にむけて約700万ユーロを調達したと発表しました。同社は、自社の製造する建築材料の需要が高まっていると見ています。
工場は2ヘクタールの敷地に建設される予定で、2021年に稼動となる予定です。地元のサプライヤーから原材料であるヘンプと石灰を調達しているIsoHempは、現在の年間生産量100万個を、新工場によって500万個に増やし、今後ますます高まる需要に対応できると言います。
リノベーションを行うビルダーや企業の間で、同社の製品に対する人気が上がってきており、8年前のスタートアップ以来、売上高は年々倍増しています。
「インダストリー4.0」で広がるヘンプ素材の新未来
IsoHempによると、新工場は「エコデザイン建設部門で最も革新的なものの1つ」で、「インダストリー4.0の一部」となり、エンタープライズ・リソース・プランニング社の管理ソフトウェア、ロボット、及び協働ロボットを使用し、生産プロセスの基礎となるエコデザイン理論の効率を引き上げます。
IsoHempは、古い建物のエネルギー効率を高める目的でリノベーションを行うクライアントの間で高まる需要に対応しています。
「建築部門におけるエネルギー・リノベーションの課題は非常に大きく、バイオベースのソリューションは日々進歩し、市場シェアを獲得しています。環境に配慮しながら高断熱を実現するソリューションは、確かに存在します。」と同社は述べました。 IsoHempの売り上げの約半分はリフォーム市場となっています。
一方、IsoHempが2つのサイズのブロックに基づくモジュラーシステムであるHemproを発売して以来、新築向けの売上も増加しています。このブロックは木枠や柱梁骨格だけでなく、コンクリートやテラコッタ、気泡コンクリート、などの重量のある構造体でも支持する事が可能です。
同社の売上高の30%は新築で使用された材料によるもので、残りは既存の構造物の内壁などに使用されていると思われます。
IsoHemp社製ヘンプ・ブロックのバリエーション。様々な厚みが用意されている。
持続可能なソリューション、100万ユニットを超えて
ベルギーのフェルネルモントに拠点を置くIsoHemp社は、2012年に手作業でヘンプの建築用ブロックの製造を開始、徐々に生産を拡大し、年間100万ユニットに達しています。
現在では、オランダとフランスに駐在員事務所を設立し、ドイツ、英国、アイルランド、イタリア、イスラエル、スペインヘと販売を拡大しました。同社は大規模な在庫を維持しているため、顧客の注文にすばやく対応が可能です。
また、同社の研究開発部門は、IsoHempのレンガやブロックに入るすべて天然素材の性能を改善するために継続的に取り組んでいます。
効率的なソリューション
製造から出る廃棄物をすべてリサイクルし、生産に使用する水を回収しているIsoHempは、気候変動に対する持続可能で収益性の高いソリューションの促進に取り組んでいるソーラーインパルス財団から、「ソーラーインパルス・効率的ソリューション」に認定されました。
飛行機パイロットであるバートランド・ピカールによって設立されたこの財団は、IsoHempが位置するワロン地域が環境目標を達成するのを支援するとともに、1,000もの持続可能な輸出向けソリューションの開発を支援しています。
現在のIsoHemp社の生産ラインの様子。新工場は生産量を5倍に引き上げる。
引用元:HempToday