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米国発のオープンワールド・ゲーム「ゴースト・オブ・ツシマ」に日本の大麻登場

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3つのポイント

・世界的な大ヒットゲームに、日本の大麻畑が登場

・ゲームの中では、主人公が大麻を装備すると、パワーアップできる

・対馬麻を通じて、日本の大麻を知る機会に

 

目次

ゲームの中の大麻畑

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Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)』は、13世紀のモンゴル帝国による“文永の役”時の対馬から着想し、武士“境井仁”となり蒙古軍に逆襲するというオープンワールドタイプのアクションRPGです。

 

 

このゲームソフトは、717日にソニー・インタラクティブエンタテイメントから発売されたプレイステーション4用ソフトで、3日間で240万本の販売を記録しています。

 

 

ゲームの世界観は、日本の美しい風景と時代劇アクションのコラボレーションとなっており、評判の高いゲームのようです。

 

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このゲームに日本の大麻畑のかなり正確なシーンがあるとツイッターで報告がありました。

 

 

ゲームの中とはいえ、美しい大麻畑の再現度はほぼ完璧です。実際に、鎌倉時代などの日本の中世の戦国武将の装備には、武器、防具などのさまざまなところで大麻を使っていました。

 

 

うれしいことに、ゴースト・オブ・ツシマでは、風景としての大麻畑だけでなく、それを採取することで、旅人の装束の強化アイテムとして登場しています。

 

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医療用大麻や嗜好用大麻が合法化している米国発のゲームだからといって、マリファナ喫煙で主人公パワーアップ(強化)やリラックス(回復)というゲーム仕様はなっていません。

 

 

当時の日本において、大麻は、縄や衣類などの生活用品であり、一般的な農作物としての使い方をゲーム内で忠実に再現しているといえるでしょう。

 

実際の対馬麻の記録

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矢野道子著の「対馬の生活文化史」によると、第3章衣料とくらしで「大麻」が次のように紹介されています。

 

 

対馬では昔から大麻を植え、夏の労働着を作っていた。麻の畑を麻苗代(あさのうしろ)といった。麻が稲とともに、特別の作物と考えられていたからであろう。地味の良い麻畑にしてきた。

 

 

麻は対馬の晴れの行事にいろいろと使われてきた由緒ある品であった。神様に願をかけたときなど、御礼に命永麻(いのちながお)といって麻をお供え物にしてきた。また、縁組みのとき、重箱に御馳走を入れて届けるとき、うつりとして重箱の中に末永く縁永くという意味で麻を入れてきた。これを縁永麻(えんながお)という。

 

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新築の棟上げに大工の棟梁は麻を魔除けとして飾る習慣がある。葬式のときも麻は重要な役目をもっていた。棺をかつぐ人四人、位牌を持つ人、水持ち番はいずれも白帷子(かたびら)を着ていた。

 

 

現在はその帷子も少なくなり着なくなって久しいが、棺桶の上に棒を通す紐は荒麻(あらお:精製する前の麻)を用いるし、水持ち番が肩に掛ける編み笠の紐も荒麻である。このように生活に根ざした麻の用途は広かった。

 

 

大麻の栽培は、対馬の最北端の鰐浦(わにうら)では、昭和30年代まで続けられていたが、大麻の取り締まりの法律があるということで警察から栽培を中止させられたという。ちなみに麻薬の取り締まりの法律は昭和28年に施行されている(大麻博物館注:大麻取締法は1948年、昭和23年施行)。

 

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大麻は真直ぐ伸びて面積も多くとらないので、田畑の少ないこの地に適した作物であった。1戸あたりの麻畑は三畝か四畝の広さであった(大麻博物館注:約300400平米、90坪~120坪)。漁網用の編みなども編んだし、1本釣りの糸にも用い、下駄の鼻緒のような日用品や、荷物の縄などにも使った。

 

 

梅雨入り前に種を播いた。大麻は風に弱いため風の当たらない良い畑が選ばれた。毎年どの家でも栽培していた。種は鳥が好みついばむので、播いたあと麦藁をかぶせ、肥料藻をのせて、その上に牛糞などの堆肥を置く。麻は成長の早いものが生存競争に勝ち残るので、たくさんの種子を播き、そのまま手入れすることなく、間引きも草取りもしなかった。(以下、省略)

 

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画像:対馬麻の反物

 

対馬麻を通じて日本の農作物としての大麻を知って欲しい

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私はゲームのユーザーではないのですが、ゲームのコンセプトとツイッター状で流れてくるゴースト・オブ・ツシマの日本の風景や文化に対する魅力的な描かれ方は見事というべきものになっていると思います。

 

 

そのようなコンセプトであったからこそ、史実に基づいた大麻の状況を反映していたといえるでしょう。

 

 

前述の記録によると、つい50年前までは対馬においても大麻栽培が最後まで残っていたことがわかります。大麻博物館としては、思わぬところから日本の大麻が注目されるのはうれしい限りです。

 

 

この記事をきっかけに、大麻博物館の書籍を購入したり、博物館に訪問したりして、さらに農作物としての大麻についての学びを深めていただければ幸いです。

 

 

参考WEBサイト

 

ゴースト・オブ・ツシマ公式サイト

https://www.playstation.com/ja-jp/games/ghost-of-tsushima-ps4/

 

Twitterによるゴースト・オブ・ツシマ大麻畑の投稿

https://twitter.com/Naa_sound_art/status/1284554395712012289

 

ゲーム作成者のインタビュー(竹や麻のアイテムについても紹介しています)

https://corocoro.jp/121074/ 

 

長崎県が『ゴースト・オブ・ツシマ』特設コラボサイトを公開! ゲームの舞台“対馬”の歴史と見どころをガイド

https://www.famitsu.com/news/202007/20202552.html

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AUTHORこの記事をかいた人

日本人の衣食住を支えてきた「農作物としての大麻」に関する私設の小さな博物館です。2001年、栃木那須に開館。水・木定休。著作に「大麻という農作物」「麻の葉模様」。日本民俗学会員。

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