MENU
カテゴリー

ヘンプ由来の生分解性の不織布で大手を狙う

画像

画像:引用元

 

カナダのBast Fiber Technologies Inc.BFTi)は、ヘンプ素材の生分解性クリーニング・ワイプ(お掃除シート)の試験に資金を提供し、その生産を開始するために、Natural Products CanadaNPC)に330万ドル(CA450万ドル)相当の株式を売却したと発表しました。

 

 

バスト・ファイバーの会長兼CEOであるノエル・ホール氏は、使い捨てプラスチック排除への世界的なトレンドを活用し、従来型の非生分解性の合成繊維製のワイプによって引き起こされる環境問題に対処することを望んでいると述べました。

 

 

ナチュラル・プロダクツ・カナダは、カナダ政府機関を含む様々な官民の投資家から資金提供を受けています。 NPCとベンチャーキャピタル会社のライトバーンが主導したこの投資には、既存の投資家だけでなく、新しい個人投資家も参加していると両社は述べました。

 

目次

長期的な目標

画像

画像:引用元

 

 

ヘンプ、亜麻、その他の靱皮繊維の知的財産保護機能を強化するエンジニアリング企業であるBFTiは、ハンガリーの施設で製造プロセスを開発中で、2020年にヨーロッパ産の繊維を使用して顧客向けの生分解性の消毒用ワイプを製造することを目標としています。ホール氏は、長期的な目標はカナダと米国で靱皮植物原料を調達し、北米の施設でワイプを生産することだと述べました。

 

 

同社は、プロクター&ギャンブルやジョンソン&ジョンソンなどの世界的な大手消費財メーカー、およびウォルマートやコストコなどの北米の主要消費者向け販売をターゲットとする計画といいます。

 

 

今回の資本調達は、今年初めにBFTiがアメリカの素材大手であるジョージア・パシフィックとのグローバルライセンス契約を締結し、ジュートやケナフを含む全靱皮植物群から次世代の持続可能な不織布を開発、加工、販売する契約に続くものです。

 

 

画像

画像:引用元

 

 

同社は、ジョージア・パシフィックが北米の食品サービス産業の顧客向けの製品ポートフォリオの充実を支援することを目的としていると語りました。

 

500億ドル規模の産業

画像

画像:引用元

 

 

クリーニング・ワイプやおむつ、メイク落としパッド、病院のガウンやマスクなどのその他の不織布製品は、500億ドル規模の世界的な産業であり、米国市場だけで約280億ドルと推定されています。

 

 

しかし、ほとんどの不織布製品は合成または半合成のいずれかであるため、埋め立てやマイクロプラスチック汚染の主な原因の一つとなっています。

 

 

対照的に、靭皮繊維ベースの不織布はプラスチックを含まず、堆肥化可能であり、温室効果ガスの排出を削減する再生可能な作物から供給されます。

 

画像

画像:引用元

 

 

ナチュラル・プロダクツ・カナダの最高経営責任者であるシェリー・キングCEOは、

 

「靭皮のプロジェクトに資金を提供することで、現在のところ大部分のヘンプがCBDの生産と種子用に栽培されているカナダでの、繊維用ヘンプの栽培拡大に拍車をかけることができる。

靭皮は、ヘンプの茎への長期的な需要を構築し、大麻草全体を利用するというビジョンを実現する上で重要な役割を果たすでしょう」

 

とキング氏は述べました。

 

靭皮繊維とは?

画像

画像:引用元

 

 

靱皮繊維(ヘンプでは、しばしば「テクニカル」繊維と呼ばれる)は、靱皮植物の茎の外側(表面)で成長します。繊維は栄養素を運び、植物が成長している間には植物自体の構造を支えますが、湿った状態では自然に吸収性があり、強力です。この特徴は、多くの不織布製品の望ましい特性です。

 

 

ヘンプ繊維の工業規模での処理技術を開発しているトロントのカナディアン・インダストリアルヘンプ・コーポレーションの創設者兼CEOであるロバート・ジナー氏は、今回のジョージア・パシフィックとNPCとの取引の発表を歓迎しました。

 

 

「これらの企業がヘンプの茎と繊維を扱う業界を前進させたことを本当に嬉しく思います。ヘンプの茎の処理を行うこの業界に新しいテクノロジーとスケールを導入することで、既存の生産方法やマーケティングを再定義し、製品開発を世界的に加速すると確信しています。

 

 

記事:引用元

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

AUTHORこの記事をかいた人

Yosuke Kogaのアバター Yosuke Koga HTJ 編集長

1996年カリフォルニアで初の医療大麻が解禁。その5年後に現地へ移住し、医療大麻の家庭栽培、薬局への販売などの現場や、それを巡る法律や行政、そして難病、疾患に対し医療大麻を治療に使う患者さん達を「現場」で数多く見てきた、医療大麻のスペシャリスト。

10年間サンフランシスコに在住後、帰国し、医療機関でCBDオイルの啓蒙、販売に従事し、HTJのアドバイザー兼ライターとして参画。グリーンラッシュを黎明期から見続けてきた生き証人。

目次
閉じる