ネパールで開催されたヘンプサミットに参加
※新型ウィルスが世界を騒がせていたため、キャビンアテンダント(CA)、機内客は我々も含む、ほぼ全員がマスクを着用
1月31日~2月1日にネパールのカトマンズで開かれたヘンプサミットに参加してきました。
このイベントは、初開催だった昨年に引き続き、今回が第2回目のHempToday(以下 HTと記載)主催のアジアンサミットであり、今後も継続される位置付けとなっている。
第1回は100名を超える参加者が集まり大変盛況で、本部ポーランドでの開催よりも多くの参加者が集ったが、今年は70名と若干トーンダウンしていた。
そして今回の参加者を見るとアジアからの参加者が大半を占めており、前回の講演者がほとんど欧米からだった事を思うと、今回は積極的に大麻ビジネスへ取り組むアジア各国の姿が顕著になったサミットだった。
今回の会場は、ネパールの観光で人気の賑やかなエリアであるタメル地区から、10kmほど北へ向かったシバプリ国立公園の山々の麓に位置するPark Village Resortホテルで開催された。
ほとんどの参加者が開催期間中は同じホテルで過ごし、ホテルではサミット以外の時間に交渉などが活発になるのは必至な環境となる。
これはヘンプトゥデイの本部(ポーランド、ナクロ)で開かれるサミットと同じ形式で、朝晩を問わずアイデアを思いついた時にいつでも話を始められる環境となる。
その良い例として2016年に本部ポーランドで開かれたHTビジネスサミットにおいて、
前年のネパール地震によって被害を受けた多くの住民のためにヘンプハウスを建て始めていたディラージさんが、「ヘンプで地元に病院を建てたい」というプロジェクトを発表し、これに欧州の企業がその場で出資を決めたのだった。
サミット中に出資の話が成立してしまう。
先見の明があれば、海外企業は率先して投資をする良い例だと思った。
今回の参加国は、
アメリカ、カナダ、メキシコ、アイルランド、イタリア、ドイツ、チェコ、
ベルギー、ポーランド、日本、インド、マレーシア、ネパール、パキスタン、
スリランカ、ドバイ、リベリア
の17カ国がカトマンズに集まった。
私達HempToday Japan(HTJ)は今回のサミットで公演内容を全て収録する役割を担っており、撮影した動画はHTJより英語および日本語に訳された全ての講演を有料配信する予定となっている。
いま世界のヘンプ業界では、どの様なことが話されているのか?
興味のある方は、是非試聴して欲しいと思う。
アジアンサミット講演者の紹介
HTは、世界各地にアドバイザーを持ち、それぞれの地域に特化した情報を収集している。
このアドバイザーのメンバーには、各国のヘンプ業界で主要な活躍をされている方々が名を連ねている。
まずは、HTビジネスのアジアンサミット記事の第1弾として、
ここで主だった講演者を紹介したいと思う。
1995年よりヘンプ業界に携わっているダニエルさんは、独立したヘンプコンサルティング会社であるHempConsult社を通じて起業家や起業のスタートアップ支援、投資家、およびその他にもヘンプ業界関係者及びHempTodayのシニア・アドバイザーを務めている。
HemproInt社は、デュッセルドルフに本拠を置く垂直統合型のヘンプ食品、食品原材料、繊維、アクセサリー、化粧品などを取り扱う企業です。
ダニエルさんは、昨年より欧州最大のヘンプ産業の組織である欧州産業麻協会(EIHA)の会長を務める欧州の中心的存在となりました。
ダニエルさんの講演では、ヘンプ業界のトレンドを解説し、現状の把握と今後の在り方を模索することのできる講演を行なっています。
Hempointの創設者兼CEOであるハナさんは、ヨーロッパの先駆的で最も革新的なヘンプ起業家であり活動家の一人です。
彼女はこれまでに、医療大麻の中心的役割を果たしているインターナショナル カナビス&カナビノイズ インスティチュート(ICCI)を立ち上げ、その他にもWHOや国連へのロビー活動を行っているFAAATの立ち上げメンバーとして、世界の大麻行政を取り仕切る主要機関が大麻への意識(考え方)を変える切っ掛けを作る、中心的な役割を果たしてきました。
また、栽培から医療大麻の取り扱いや、医療従事者向けの認証プログラム(PFC)を確立するなど幅広い分野で活躍する、世界が認める大麻の専門家でありコンサルタントでもあります。
ハナさんの会社は、大麻の栽培について農家に助言するセミナーを実施するなど、垂直統合型(6次産業化)による会社運営をレクチャーしているオーガニック大麻食品を生産している企業です。
ディラージさんは、奥さんの二ヴェディータさんと共に両社を立ち上げ、地元の人々から麻を調達し、健康とコスメティック、織物を中心として様々な製品を提供しています。
またSHIV社は「hEmpowering Bottom Up」プロジェクトを通じて、ネパール女性の経済的および社会的地位の向上を促進するためのプロジェクトも行っています。
SHIV社では、3年前に欧州からの出資により、貧しい方達が利用できる病院を作りました。この病院は、麻の茎(Shiv)と石灰と水で建てられたヘンプクリートビルディングです。
ディラージさんは、ネパール各地でヘンプハウスの建築方法を教えるセミナーを開いてきました。このセミナーは、間もなく発生から5年となるネパール大地震によって家を失った貧しい人々の復興を目的として行なわれています。
ウルフさんは、エコ建設と高品質の天然塗料、石膏、建築業界向けのレンダリングの製造におけるヨーロッパの主要な専門家の一人です。
彼は、ブリュッセルのGreenbizzを拠点に持続可能性に焦点を当てた新興企業や中小企業の成長を支援している、Wolf Jordan&Co.の創設者です。
彼の会社は、ヘンプクリート構造用のバインダー処方と、木材と石材用の天然オイルとワックスを製造しており、天然素材の分野で36年の経験を持つ古くからの職人で、世界中のプロジェクト構築に携わった講師であり、教育者、イノベーターでもあります。
ムハンマドさんは、ハーブと栄養補助食品の分野で働く天然物質のスペシャリストです。
彼は、医薬品、栄養補助食品、および伝統的医療の分野において多くの専門グループで役員を務めてきました。
2003年と2005年にはWHO(世界保健機関)のコンサルタントを務め、伝統的医薬品の適正製造基準、政策、規制の枠組みについて助言してきた経験があります。
サンフォードさんは、大麻関連の法律と政策、環境法、再生可能エネルギー、土地利用法、都市経済開発、政府へのロビー活動など、法律をベースに幅広い分野の経験を持っています。
彼はこれまでに、政府の規制、法律、ビジネスチャンスに重点を置いた、規制された大麻産業における権威ある主要な活躍を担ってきました。
政府の問題、許可、規制に対するビジネスソリューションの提供に高度なスキルを備え、あらゆるレベルにおいて政府内での立法経験があり、米国最高裁判所で主任弁護士としても活躍してきました。
モハマドは、マレーシアのヘンプ産業研究協会(MHIRA)のCEO兼創設者であり、マレーシアのヘンプ産業研究省に支援されている持続可能性に焦点を当てたNGO(非政府組織)の人物でもあります。
このNGO組織は、麻の応用を促進するための教育を中心とし、建材、バイオマスとバイオ燃料、プラスチック、紙、農業、食品、および健康と栄養、コンサルティング、研究開発を積極的に行っています。
彼は2010年にMHIRA(Malaysia HempTech Industrial Research Association)という団体を結成し、以来全国の廃棄物ゼロキャンペーンを通じて10万人以上のマレーシア人学生を組織しました。
彼はシンガポールで生まれ育ち、12歳のときに家族と共にマレーシアへ移住し、マラッカの中等学校に通い、サバに拠点を置く2年間の政府統合学校プログラムに参加しています。
2006年には地元の大学を卒業した彼は、過去にマレーシアで難民や地元の学生への講演活動などを経た経験から、コミュニティを支援することへ情熱が注がれていきました。
そのほか、日本からアジアンヘンプサミット参加したのは私たちHTJの他に2組いたので、次回ご紹介します。
また、ネパールサミットの後、我々二人はヒマラヤ山脈が一望できるヘンプホテルまで、道無き道を7時間かけて向かい宿泊してきました。
それについてもご紹介していきますので、お楽しみに!
画像:ヒマラヤ山脈が一望できるヘンプホテル